【読書】『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』に学ぶ、脳がボケやすくなる環境
休職前、休職復帰後に感じていた「前はできていたのにできない」という症状に悩んでいたとき本書が目に止まりました。
著者は脳神経外科医 築山 節さんで同様な悩みを持った患者さんを様々ケースから推察し研究、治療を行っています。
私も本書を読んでから原因と対処法がわかりました。
きっと年齢を重ねた方や環境が変わった方は誰しも経験することだと思います。
いま同じ悩みを持たれた方には、ぜひ読んで頂きたい1冊です。
<そもそも脳はボケるようにできている>
脳は前頭葉(思考、感情コントロール)の機能低下により「当たり前にできる(できた)」ことができなくなる(できない)なります。
この状態がまさに ”脳がフリーズ(思考停止)” と言えます。
脳は使わなければ、使わないほど年齢に関係なくボケるように出来ています。
<脳は怠け者>
脳は基本的に「怠け者」であり、楽をしたがる傾向にあります。
(著者曰く、脳の原始的な機能が本能としてそれを求めるそうです。)
あることが苦手で、やらなくて済むようになると無意識にその活動を日常から排除してしまいます。
例えば学生時代で解けたテスト問題を大人になって再度、同じテスト問題をやらされてもほとんど解けないと思います。
これが 「高次機能の低下(脳は怠け者)」 と言われています。
<脳がボケやすくなる環境>
脳がボケやすくなる環境は以下の通りです。
①毎日が同じ
毎日、同じ仕事、同じ会話、同じ人たちと接していると新しい行動や思考の組み立てが落ちていきます。
そのため、違う視点から物事を尋ねられたときに ”脳がフリーズ” するのです。
②周りがやってくれる
これは特に怪我や病気、高齢者などで起こりますが心配するあまり周りが甲斐甲斐しく世話するため「本人のできることまで」奪ってしまい気づけば脳が衰えてしまいます。
同じく仕事では上司(先輩)になり部下(後輩)に仕事を任せてばかりいると現役時代にできていたことができなくなります。
脳機能の低下の原因は「環境」であり「年齢」は二次的要素でしかないと著者は言います。
③目を動かさない
一日中、パソコンやスマホ、テレビを見てばかりで言葉を話さない環境にいる人はボケやすくなります。
モニター(画面)からの刺激は五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)を全て使っているわけでは無いため脳の刺激になりません。
うつ病などの人は「目が動いていない」ことが多いそうです。
<脳の若さを保つには>
脳の若さを保つ秘訣は以下の通りです。
①当人が自覚を持つ
まず第一に当人は「以前よりできなくなった」とことを常に気にかけ自覚すること大切です。
②「まあ、いいや」をしない
気になったこと、思い出そうとしたことを「まあ、いいや」で片付けない。
必ずメモして後で調べる、思い出すなど思考と記憶を使うことが大事です。
③意識して目を動かす
目を動かすことのトレーニングとして「散歩」、「外の景色を眺める」、「植物(動物)を観察する」など目の上下左右、目の遠近など意識的に動かすことで脳に刺激を与えられます。
特に散歩は朝の一時間歩くだけで体の血流が上がり、脳の活性化もされます。
また太陽光を浴びることで体内リズムを整えることもできます。
④音読する
本来は「会話」などが良いですが、「会話」には相手が必要なので一人でもできる「音読」をします。
まず本や新聞など一度、内容を黙読し理解した上で人に聞かせるように「音読」を10分程度すると脳の思考に良い影響を与えます。
⑤記憶と結びつける
人の名前が思い出せないとき「名前」だけではなく、「あのとき一緒に作業した●●さん」、「赤いネクタイが特徴の●●さん」というように何かヒントになるものと紐づけておくと記憶を思い出しやすくなります。
<便利さと引き換えに失ったもの>
現代を生きる私たちは日々の技術革新によって「不便」と感じることが外部からのツールやサービスによって排除され「便利」な世の中に生きています。
便利=効率化を進めていくと最終的に「何も考えなくていい」世界になってしまいます。
また知識とは「その答えに辿り着くまでのプロセス」に多様性や、複雑さがあるから思考力も生まれ記憶の結びつきも強くなります。
<おわり>
この著書と出会ったことで「脳の病気かな」、「もう治らないのかも」という心配が晴れました。
特に「目を動かしていない」はまさに目から鱗(うろこ)でした。
最近はなるべく道端の花々や建物を通勤中に眺めたり、会社までの道のりをバス2停前で降りて歩くようにしています。
全てを実践することは難しいですが、一つずつでも生活に取り組んでいきながら、明るく生活が出来きたら一番だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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