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「マイノリティ」について考える①

今朝の新聞のテレビ欄を見ていて、今日夜10:00-NHKの「クローズアップ現代+」で、パニック障害を取り上げることを知りました。

どのタイミングで書こうか、どういうことを伝えたいのか、とずっと考えてきましたが、せっかくNHKの番組で取り上げられるし、なんだか自分の気持ち的にも機が熟してきたな、という想いがあるので、書いてみようと思います。うまく書けるかな。笑 伝えたいことは、病気のことではなく、もっともっと深いところにあるのです。どうか伝わりますように。

私がこのnoteを始めるようになった大きなきっかけの一つに、私がこの「パニック障害」という病気になったことがあります。スタートは、もう2年前のことです。おそらく、私のリアルの生活での友人・知人たちは、びっくりするでしょう。笑 そんなふうに、見えなかったと思うから。

発症は2年前でしたが、本当に自分の病気に向き合うことができるようになったのは、たった2か月前くらいのことです。向き合うために、2年もかかった。向き合うのが、怖かったから。でも、向き合い始めて本当に世界が変わりました。失うものより、得るものの方がずっと多かった。「何を得たのか」ということと、そこから私が心から思う「問題提起」を、したいと思っています。病気のことを伝えたいんじゃなくて、心配されたいのでもなくて、その先のことを話したい。そう思って、読んでもらえたらうれしいです。でもまずは、病気のことを話さないとその先にたどり着かないので、書いてみようと思います。(いま、同じ症状で苦しんでいるひとがいるのなら、何かの参考になればいいな)

発症は、突然でした。2年前、普通に会社で働いていて、だんだん心拍数があがってくる。呼吸が苦しくなる。あれ?と思う。だんだん落ち着いてくる。その繰り返し。「疲れかなぁ、ストレスかなぁ」と思いながら、やり過ごす。でも苦しい。そんなとき、たまたま会社の健康診断があり、血圧をはかったときに、脈拍が早すぎる、と指摘されました。走ってきた?と言われたけど、走ってきてない。一度お医者さんに診てもらったほうがいいかも、と言われ、家の近くの循環器内科にかかり、心電図とか脈拍に関する検査をしてもらいましたが、結果は、異常なし。ちなみに、健康診断の結果も、異常なしの超健康体。

私は、これまでの人生経験で「過呼吸」というのは知っていたので、それかな?と思い、きっとストレスだろうと思い、行き着いたのは心療内科でした。お医者さんからは当初、過呼吸症候群の一種だろうと言われ、不安感を和らげる頓服のお薬をもらい、不安感を抱える原因を探るべくカウンセリングに通い始めました。

そこから、通院し、お薬をもらい、カウンセリングを受ける、という生活が始まりました。会社にも普通に行き、仕事もこなし、でも、だれも私の病気を知らない。というか、端から見たら、全然わからないのです。でも、私の中ではずっと「発作が起きたらどうしよう」という不安があり続けます。そして、「これってただの過呼吸じゃないんじゃないか?」という疑念。

なんとなく不安感を感じる場所がわかってくる。満員電車。空気の薄くて人がたくさんいるところ。長い地下道。すぐには外に出られない超高層ビル。発作が起きても誰も助けてくれないんじゃないかと思ってしまう一人っきりの空間。なんとなく、頭の中で「パニック障害」という言葉がちらつき始めました。でも、いま思えば、本当に意地っ張りなのですが、「パニック障害」という言葉をググることすら怖くてできなかった。自分が病気だ、と認めることが本当に怖かった。

そこからは、発作をやり過ごせるのなら、とことんやり過ごそう、と思うようになってしまいました。だましだまし頓服のお薬を飲んでみる。(頓服のお薬が効かないってことじゃないよ)仕事中苦しいなぁと思っても、どうにか気を紛らわせてみる。私の場合、「苦しい」「怖い」ということに集中してしまうともっと辛くなってしまうので、苦しいときほど、同僚にたくさん話しかけ、他部署の人に電話をし、資料を作るために頭をひねり、仕事に一生懸命取り組んだ。調子がいいときはしばらくまったく発作は起きなかったし、一度何かの拍子に発作が起きると、頻度が多くなりまた悪くなってしまう。その繰り返し。その間も、だれにも相談できなかった。今思うと、「仕事もバリバリできて、プライベートも充実してて、楽しそうな自分」を死守したかったんだと思う。本当くだらないけど。笑 あと、だれの期待も裏切りたくなかった。

でも、2年間のその繰り返しは、本当に私を疲弊させていきました。「だれも自分の苦しさを理解してくれない」という根底にあるストレスからは離れられず、でも言えないもどかしさ。こんなに我慢をして、いったい何のために、何を、守ろうとしているんだろう。「こんなに頑張ってるのに、理解してくれない。でも、知らないんだから理解するわけないじゃん」ずーっとぐるぐる。もちろん、日常生活の中で楽しいことも悲しいことも普通にあるわけで、ずっとそれにとらわれていたわけではないけど、でも頭の片隅には、ずっとある。特に虚しかったのは、会社や友人との飲み会の帰り道。普通にお酒を飲んでワイワイして楽しくても、終電近い電車に乗って帰るのが怖い。でも、お酒を飲んでしまっているからお薬を飲めない。(絶対、飲みあわせたらダメなんです)仕方ないから、タクシーで帰る。でも、タクシーで帰るなんてお金持ってるなー贅沢だなーとも思われたくないし、特に先輩や年上の方から奢っていただいたり多くお金を出していただいたときなんて特に、タクシーで帰る態度なんて出したくなかった。そのたびに「トイレ寄っていくんで」とか適当な理由をつけて、一緒に飲んだ人を撒いて。そうやってこっそり乗ったタクシーでの帰り道は、本当に虚しい気持ちでいっぱいだった。いったい私は、何を隠しているんだろう、と。

そんな虚しい気持ちが募りに募った私に、こうして病気と向き合おうと思えたきっかけは、大きく2つありました。
一つは、芸能人の相次ぐ病気公表・活動休止の発表。
もう一つは、ドラマ「獣になれない私たち」。

パニック障害を経験した著名人の方はけっこうたくさんいらっしゃり、私も何人かを存じ上げていましたが、デビューしたてのKing & Princeのメンバー・岩橋玄樹さんと、Sexy Zoneの松島聡さんの病気公表・活動休止の発表は、私に大きな衝撃を与えました。第一線で活躍しているアイドルたちが、私と同じ苦しみを抱えながら活動し、それを公表し活動休止の決断をしたことには本当に驚いたし、勇気づけられました。自分だけじゃなかった、と本気で思えた。マスコミへの発表文にあった「いまが病気と向き合うチャンス」「もっと強くなって帰ってくる」という言葉が、私を迷路から引っ張り出し、道筋を作ってくれた気がしました。

そして、そのころ放送中だった、ドラマ「獣になれない私たち」。新垣結衣さん演じる晶ちゃんの頑張りっぷり、自分の押し殺しっぷりが、もうめちゃくちゃ自分と重なって。そして松田龍平さん演じる恒星さんの秘密(観たひとならわかるかな?あの、300万円の呪縛。)がまるで自分の病気のように思えて。その二人が、いろいろなことを乗り越えて「何かを隠すんじゃなくて、殺すんじゃなくて、自分のために生きる」「自分の大切なものを守る」という生き様に変化していく姿が、まるで私へのメッセージのように聞こえました。晶ちゃんが4年付き合った彼氏に別れを告げる海岸でのシーンは、本当に泣けた。「これじゃあ、私の人生じゃないじゃん」「人の人生を生きるのはもうやめた」。まさに私の心の声だと思った。

そうして、自分が病気であるということを、本当の意味で自分が認め、向き合う決意を固め、自ら会社を休み病気療養に専念するという決断をし、今に至っています。

ここからが書きたいことの本番で、想いが溢れまくってしまうのですが、長くなりすぎるのと、私の時間の都合もあり(ご飯作らなきゃ!笑)、今日はここまで!
何回かに分けて書こうと、いま決めました。

ちなみに、これだけ書いて終えると友人・知人にものすごく心配されてしまいそうなのでこれだけ言っておきます。療養に専念してから、お医者さんとたくさん相談して治療法も見直したし、自分を認め自分の生き方・考え方も大きく変わり、本当に元気にすごしています。もちろん治療中の身ではあるので、できないこともあるけど(お酒を飲むとかね…)、隠していたころと比べて本当に生きている実感がわくし、毎日めっちゃ楽しい。人に発信する喜びも覚えた。不幸自慢でもなんでもないよ。大きくは、「共生する」っていうことを、みんなで考えたいのです。みんな、ごはん食べいこーねー。笑 ←私信です笑

↓著者近影。笑
数日前、街でみかけたどら焼きがめっちゃ美味しくて食べ歩きしたときの写真です。(めっちゃ睡眠とってるから肌荒れ皆無だよ、今。笑)写真デカすぎるんだけど、どうやったら小さくできるの・・・

あくまでも、私が伝えたいことは、病気ですっていうことじゃない。その先にたどり着いた「生きてるっていうよろこび」とか、「どんなひとでも生きやすい社会ってなんだろう」とか、「共生って何か」とか。最終的には、人間って、全員が「マイノリティ」だと思う、っていうこと。それぞれがそれぞれ抱える「生きづらさ」を少なくしたい。病気だけじゃないと思うんだよね、それって。みんないろいろ抱えていると思う。妊婦さん、介護している人、性に悩んでいる人、人間関係にトラブルを抱えている人、、、。それを一番伝えたいです。できれば、全部読んでくださいね。(いつ書き終わるかはまだ決めていないけど・・・笑)

これ以外にも、たくさん発信したいことがあるんだ!考え方とかだけじゃなくて、普通に、綺麗なものや役立つもの、美味しいもの、エンタメ・・・・。せっかく時間があるから、ずっとやってみたかったことにたくさんチャレンジしているよ:) そっちの投稿もしていくので、見てもらえたら嬉しいです。 

たくさんの人に知ってほしいし読んでほしい。で、そのうち1人でもいいから、心に刺さってもらえればこのうえない喜びです。1,000人のうち1人でもいい。そう思って書いています。どうか届きますように。

Sae


「誰しもが生きやすい社会」をテーマに、論文を書きたいと思っています。いただいたサポートは、論文を書くための書籍購入費及び学費に使います:)必ず社会に還元します。