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社会的背景×事業的背景で生まれた図書館タクシー〜#PRLT Advent Calendar 2018〜

株式会社オトバンクで広報をしている佐伯と申します。「広報LT大会」の皆様が主宰されている、「#PRLT Advent Calendar 2018」に参加させていただくことをきっかけに、先日弊社で行った取り組みについて実施までと実施してからを簡単にまとめてみます!

▶︎このPR企画・設計から実施までの多くを一緒に行ってくださったStoryDesignerのヤマダヤスヒロさんにも感謝します。よろしければ、こちらのnote記事もご覧ください。

「聴く本」の文化を根付かせたい

オトバンクは、声優やナレーターの方の朗読により書籍を目ではなく耳で楽しむことができるオーディオブックの制作・配信をしている会社です。「audiobook.jp」というサービスを運営しています。

オトバンクでは、スマートフォンが普及するより前、2007年からオーディオブックの配信サービスを開始し、コンテンツを作るところから配信まで行ってきました。ここ数年特に利用者数が急増していて、現在会員数は約55万人です。

少しずつ「オーディオブックって便利だよね」と言ってもらえることが増えてきてはいるものの、まだまだ「本を聴く」ということが文化として根付いていません。その理由の一つに、「利用シーンのイメージしづらさ」があると思いました。

社会的背景と事業的背景の掛け合わせ

今回、先に書いたような課題を解決することを目指し、取り組みを考えるにあたって軸になったのは、(事業的背景)「利用シーンが見える化できるか」「サービスと移動シーンの相性のよさが伝えられるか」と(社会的背景)「世の中的に”移動のサービス化”に注目が集まっている」という点です。

■移動時間のエンタメ化に活用されているオーディオブック
課題の一つと感じていた、「利用シーンのイメージしづらさ」。実際にオーディオブックを使っている方の利用シーンを調査した際、最も利用が多いシーンは「移動中」という方が大半でした。

それであれば、「移動シーンにオーディオブックが便利」と伝えられるようなPRにしたい。そして、その便利さを「見える化」できる方法を検討することにしました。

■加速する”移動のサービス化”
移動シーンでのPRを検討した結果、タクシーとのコラボを実施することになりました。結果的にタクシーとのコラボは、いろいろな方面でのPRにつながることになったなと思っています。

近年、”MaaS”といわれる移動のサービス化が注目を集めており、カーシェアやライドシェアに注目が集まる一方、タクシー各社や配車サービスも新しい取り組みをはじめています。図書館タクシーを実施した後ですが、つい最近もディー・エヌ・エーの歯医者アプリ「MOV」の「0円タクシー」が話題になっていました。

移動サービスが進化していく中で、移動中にオーディオブック体験を提供することが乗客の方の満足度にもつながり、「移動時間のエンタメ化」として移動時間に付加価値が加えられるようであれば、多方面にインパクトが広がるのではないかと考えました。

そして、今回の取り組みでコラボした日本交通様も、すでに様々な企業とコラボレーションして「移動時間に付加価値を与える」ことを目指していらっしゃり、方向性も一致。さらに、タクシーの利用者はビジネスパーソンだけでなく主婦の利用も意外に多いというデータもあり、限定的な層ではなく、想像している以上に広い層にアプローチできるのではという期待感もあり、「タクシー図書館」を運行することになりました。

過去実績と比較し1.3倍のタクシー乗車応募「audiobook.jp」といえば。にも繋がった

読書週間にあわせた10月29日(月)から11月11日(日)までの期間限定で走行しましたが、過去のキャンペーン実績と比較して、1.3倍の乗車応募をいただきました。

乗車された方からの反響もよかったほか、乗車応募いただいた方からの反応も多くが「”聴く本”を知らなかったけど、車のなかで本を読めるのはうれしい」「普段本を読めないから移動中に読めるならうれしい」といったものでした。

【応募された方からの声一部】
・出張先からの帰路で使わせていただけたらと思い、応募します。会議を終えた金曜日に、オーディオブックを聴きながらゆったり帰れたら最高です。(40代・男性)
・出張帰りで疲れていると、本を読む気力がないので、非常に興味があります。(40代・女性)
・9カ月の子供がいる夫婦です。育児に奮闘する毎日、ゆっくり本を開く心の余裕がないことが多いですが、くつろげるタクシー乗車中に本の朗読が聴けるならとてもうれしいサービスです。今後も利用できるようにしてほしいです。(20代・女性)

また、メディアで取り上げられた際にも、「オーディオブックの新しい取り組み」としてや、「タクシーの新しい取り組み」という切り口でもご取材いただき幅広く取り上げていただけたと思います。

周りからも『「audiobook.jp」ってこの間タクシーとコラボしてたよね!』、新しくあった方に『この間タクシーとコラボしてたのってこのサービスだよね』とサービスのことを話していただく機会が増えました。

図書館タクシーに乗車された方からの反響もよく、取り組みとしてもたくさんの方に見ていただけたので、今回のコラボレーションはいい組み合わせだったのかなと感じています。

見栄えだけではない”クリエイティブの強さ”

今回、取り組みの見栄えだけでなくコンテンツのクリエイティブがよかったからこそ、利用された方の満足度にもつながりました。

特にアプリに関しては、オリジナルアプリを入れたタブレットを導入することになったのですがそのアプリが大変好評でした!立ち上げ時に簡単なアニメーションで、ワクワク感が演出されたり、再生ボタンやその他の導線も移動中に使うということを考慮してシンプルかつ不足のない中身を考えて形にしてくださいました。アプリ開発の期間は、一カ月かけないくらいで非常に短期間だったと思います。

ほかにもタクシーデザインや、タクシーの中のデザインなどそれぞれが凝ったものに設計されたほか、搭載したオーディオブックコンテンツ自体も魅力的で、すべてのかけあわせがよかったからこそ乗車された方の満足度につながりました。日本交通様の乗務員の方も、手順が増えて大変だったと思いますが丁寧に対応してくださり、終わった後には「乗客の方が喜んでくれて嬉しかった」という感想をくださいました。

見栄えだけではなかったからこそ、今後新しい取り組みにもつながっていくと思いますし、つなげていきたいです。

今後も、オーディオブックがもっと根付いていくように様々な活動をしていきたいと思っています。「こんなコラボしませんか!?」などなど何かあれば、ぜひご連絡いただけたら嬉しいです。

長くなりました。。最後までお読みくださりありがとうございました!


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