架空の人たち

あなたは両親から愛されて育ちましたか?

それとも、愛情を注いではもらえませんでしたか?

私はどちらかというと後者の方で、幼少期から両親に愛されて育った感覚はありません。
その事に最近になって気がついてしまいました。

私が育った家庭はいわゆる機能不全家族でした。
父親はアルコール依存症で、母親への面前DVがありました。暴言は日常茶飯事で、肯定的な言葉をかけられた記憶はありませんが、その分否定的な言葉はたっぷりと受けてきたと思います。

それでも、うちはごく普通の幸せな家庭だと思い込んでいました。

そうではなかったと知ってしまった今でさえも、本当は幸せだったと思いたいです。
自分は愛されていたと信じたい。

だったら、架空の両親を作ればいい。
私を愛してくれる優しい両親がいると思えば、少しは愛される感覚を味わえるかもしれない。
そう思い立って、最近では自分を愛してくれる架空の両親を作り出しています。
両親の他にも、愛してほしいけど愛してくれない人を理想化して、たっぷりと愛してくれるようにセッティングし、架空のその人を作り出したりしています。

親を含めた架空の人たちに愛されるのはすごく心地が良くて、心が満たされていく実感があります。底なしに飢えた愛情欲求の器に愛という水が満ちていく感覚。水が滴り落ちていく音を聞く間は、とめどなく涙が溢れて止まりません。

現実で関わりのある人に愛してくれとせがむのはあまりに自己中心的で、我儘だと思ってしまいます。ただ、そう思うのは自分に対してのみで、他の人にはそうは思いません。好きなように愛情を求めたらいいと思います。


一度愛されたら、酷く醜く貪欲に愛情を欲してしまいそうで、それがとってもこわい。
少しでも人に迷惑をかけないように、できる限り自己完結していたい。自分をセーブしていたい。
だったら架空の人たちを作ろう。その人たちに満たしてもらおう。それだと誰にも迷惑はかけない。愛してもらえないのなら、愛してくれる人を作ればいい。それで毎日を幸せに生きられるのならそんなに良いことはないだろう。


これは自分が愛されなかったことを認めない、認められない弱さなのかもしれません。ある意味現実逃避とも言えるでしょう。
でも今はまだ認める余力がありません。
ですから一時しのぎとはいえど、こんな方法を取って逃避しています。
決して人に勧められるような方法ではないけれど、ふと思い立ち書き綴ってみました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?