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【小説】SNSの悪夢

1時間走っただろうか、身体と心だけに、気持ちを向けて走っている時間は、気持ちが良いものだ。

そうだコンビニにでも行かないと、家には何もない、朝のご飯も用意しないとな。

走りながら考えていると、そう言えば24時間開いているスーパーがあったような気がする。

うん、家の近所に有ったぞ、思い出したので家に帰る前にそこに行ってみる事にした。

開いていた、24時間スーパーって出来た時には、自分がバイト生活だったのもあって、ここで働く人は大変だな、と考えていた。

でも人間って慣れるもので、何時も開いていると、それが当たり前になる、開いてない日が不思議なくらいだ。

『良かった、ここなら明日の朝の食べ物も買えるぞ。』そう思って入って行った。

身体を作る人で食事では無く、サプリで栄養を取ればいいって人も居て、実際に勧められた事も有る。

一時はそれも良いかも知れない、キッチンの掃除も手間だしななんて考えた時期も有った。

それが彼女と暮らして、そんなのは食事じゃ無かったんだと考えを改めた。

人間は火を使って調理するから忘れているけど、動物で雑食なんだ、それに温かいご飯と味噌汁で朝を迎えるっていう贅沢な状況を、作り上げていくのは楽しくなった。

スーパーに入ると、米はパックご飯で良いか、味噌汁はインスタントだな、こうやって自分で食事を考えて、いつもの時間を過ごしていたら、急に彼女が帰ってくる気がする。

我ながら女々しいな、後は何にしよう、納豆や鮭も良いな、卵も必要だ、朝のご飯に卵が無いなんて。

無心に籠に入れて、総菜を見た、うーんもう良さそうな総菜は無いか、24時間スーパーと言えども、何でも用意しているわけじゃ無いからな。

一杯になった籠を持ってレジに向かう、5つあるレジは1つしか開いて居ない。

そりゃ誰だってこんな時間まで働きたく無いもんな、人不足極まれりって奴かな。

女性が1人でレジに居た。

「いらっしゃいませ、アッ。」挨拶が切れてしまった、若しかして自分がテレビに出ていた時に見た記憶があるのかも知れない。

こんな時間まで女性一人で店を回しているのか、いや違うな、レジ以外は違う所で作業しているんだろう。

ピッツ、ピッツ、と商品をスキャンしていく、ゆっくりだが正確みたいだ、思わず手を見ている。

あちらは緊張しているのか、動きがぎこちない、時間が遅いから客が来ると緊張するのかも知れない。

ぎこちないながらも籠の商品をスキャンして、違う籠に移し替えた、それから「有難う御座います、○○○円です。」と言った。

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