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【小説】SNSの悪夢


立花は妻も仕事も失って、一人で家で考え込んでいた、人は生きていると、現実からは逃れられない。

この家も一人で住むには大きすぎるし、第一仕事が無いのにこんな家に住んでいるお金も理由もなくなってしまった。

「先ずは引っ越しかな。」誰もいない家で声を出す。

引っ越してしまうと、彼女が帰ってきたときに困ると思っていたが、連絡しておけば自分の居場所は解るはずだ。

引っ越しするぐらいの貯金は持って居る、それを使えば何処かにバイトくらいのお金で暮らせる部屋に越せる。

元々そんな感じで生活をしてきたのだから、昔出来たことが今できない筈はない。

元々は情報系の学校に行っていたから、家に居てもバイトが出来る、良い時代になったもんだなー、と感じるのと同時に嫌な時代にもなったのだ。

昔だったら週刊誌や新聞で書かれて、それに対して反証すれば、それだけで問題が解決したのが、今はSNSで広がってしまう。

それが無ければ自分だって仕事が無くなるまでには為らなかったんじゃないかな、それにしても未だに不倫だって言ってくる奴がいる。

絶対にあいつらには復讐してやる、その前に自分の生活を立て直してからだがな。

考えながら仕事を探す、良い時代になったと思うのはこんな時だ、外に働きに行かなくても、家でWEB関連の仕事が探せる。

安定しない職業なのに、結婚したのは、この仕事の能力があったからだ。

家で仕事をする分には、不倫だと言って責めてきた奴らを探すのも、仕事をしながら出来るのだ。

仕事はしたい旨のメールをあちこちに送ると、次は復讐する人間を確認する。

3人いる。

一人はたぶん男だ、こんな時代だから、違うかもしれないが、言葉の使い方は男だ。

二人目は女だ、女言葉ってだけではなく、女をバカにされたと怒っているような言葉が連なっている。

三人目も女だ、これは五月蠅いだけの人間で、どうもほかの人間に釣られて書いて居るような気がする。

他の人間は酷いは酷いが、そこまでじゃない、こいつ等3人は何度言っても、不倫だと言ってくる。

もう不倫でないと社長が行った筈で、自分もその記者会見を見て、問題は無いように思う。

それでも言ってくるのは自分に対して敵意がある筈だ、論理も理論もそこには無い。

先ずは一人目が誰か、何処に住んでいて、どんな家族構成か、調べることにしよう。

SNSや地図を使えば、時間掛ければ見つかるだろう、見つけて如何するかだ、自分としては身に覚えのない噂を流布されたんだから、奴らもその気持ちを味わって貰おう、そう思った。


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