⑲「鬼のいぬ間の洗濯」はなぜ洗濯?逃げた方がよくない?!英語やスペイン語ではなんという?
【3分で学ぶ教養講座】3つの言語でことわざや慣用句を比較することで、世界で通用する教養を身につけるという連載の第19回目です。(目標は20回まで続けることなので、残りはあと1回!)
今回は「鬼の居ぬ間に洗濯」についてです。鬼がいなくなった時になぜ逃げずに洗濯なのでしょうか?またこの意味に相当する表現は、英語やスペイン語ではどういったものなのでしょうか?鬼のいない国々ではなにで代用するのでしょう?
では、さっそく検証してみましょう。
「鬼の居ぬ間に洗濯」の意味
怖い人や気兼ねする人のいない間に、思う存分くつろぐこと。
引用:goo辞書
思う存分くつろぐ行為が洗濯・・・?
なぜに洗濯?もっとすることあるでしょ?!
ここに疑問を抱いてこなかったあなたは、大人の思考法です。子どもは容赦なく妙な角度から現実をついてきます。そういう自分もこの知恵袋を見るまで、気が付きませんでした。というか、「鬼のいぬ間に・・・ってゆうよねー!」という風にしか使っていなかったので、「何」をしていたかまで気にしたことなかったのです。
こちらの説明によると、こわい鬼がいる間は外にでると鬼に食われるので、家にいるしかなったので、洗濯ものがたまっていても、外にでて洗濯できなかったということです。昔は、洗濯といえば川ですもんね。(桃が流れてくるような川を想像していしますが。)
そして、久々に外に出て、たまった洗濯物を洗うのは爽快であったに違いないと。それはまるで、コロナウィルスでのロックダウンが解除された時、お散歩するだけで気分が晴れ晴れしたのと似ているかもしれません。
また、洗濯には「命の洗濯」という意味もあったともされています。
命の洗濯=リフレッシュ
ことわざにも鬼はちょくちょく現れます。やっぱり、日本には鬼はいたんだなと確信せざるを得ません!(そうでもない?!笑)
そして、なぜ逃げないか問題もパンデミックと合わせて考えてみると、すぐに分かります。「どこに逃げるの?」という話なんですよね。
英語で相当する意味の表現は?
While the cat's away, the mice will play.
(猫のいない間、ネズミは遊ぶ。)
その意味するところは、ある場を仕切る人がいなくなると、悪い行いをする人が現れること。
んん・・・?悪い行い・・・?
猫がボスでネズミが部下のこの関係だと、なんかなぁ。猫に正義を振りかざされた感が否めません。正義は鬼側につけるわけにはいかないので、なんとも納得がいきません!
なんだろ、このモヤモヤ感。ネズミが遊ぶのは悪いことなんですかーー?いえいえ、本来の姿です。
スペイン語で相当する意味の表現は?
Cuando el gato no está, los ratones bailan.
(猫がいないとき、ネズミは踊る。)
その意味するところは、家やコミュニティなどで目上が不在であるとき、その配下の者が自由を得すぎて起こる弊害や、油断しすぎることで起こるリスクのこと。
ネズミは踊りだしちゃうんですか?!
おそらく、ここでの「踊る」は「小躍りする」のほうが最適でしょうね。ネズミさんたちの嬉しくってしょうがない感じが、英語表現より強く現れている気がします。
「遊ぶ」を通り越して「踊る」「小躍りする」の表現・・・。うまく言い表せませんが、自由でおおらかなスペイン人の気質が垣間見れてくるような・・・。
そして、隙あらば徹底的に楽しもうとする。これは、そう、「卒業旅行で大規模クラスター」という現象に似ているかも。
鬼の代用は「猫」
なんにしても、「鬼」の代用は「猫」ということが分かりました。ひとことに「鬼」と言っても、いろいろな意味もあるので、深いですね。
そんなこんなで、やっぱりことわざは面白い!
以上、トリリンガル的思考での表現考察でした。
Sacha
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