サチ子

生き残ってしまったひと

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最近の記事

"そうやって悲しい日を越えてきた"

aikoはこじらせている。 先日放送のTV番組「関ジャム 完全燃SHOW」で「aiko特集」が組まれ、改めてこれまでの楽曲を聴き直してみると、そのどろっとした深みと混沌とした精神世界を遅ればせながら理解してしまった。 あれ・・・こんなヤバい歌詞、ナチュラルに聴いていたの・・・ という驚きの連続だった。正直こじらせというか、ドのつくメンヘラだと思う。メンヘラこじらせ激重女のわたしがこんなにも世界感にハマってしまうのだから間違いない。(ファンの方ごめんなさい) 中でも特にヒ

    • 肌温度

      ひさしぶり、だなんて 昔は思わなかったのに 2週間がこんなに長いなんて 好きにならなきゃ気づかなかった 隣に立つきみの 服のにおいが懐かしい その奥の肌温度がよみがえる ほんのすこし触れた手が それ以上近づかないきみの手が 鼓膜をくすぐるきみの声で もういちどだけ、好きと言って 急ぎじゃない用事さえ 期待のカケラに変わってしまうから 笑ってないきみの目の奥にさえ 何度も何度もすがってしまう ごめんね、無理させて 会えばきっと些細なことでも 傷が増えてくだけ それで

      • メンヘラさんのおくすり事情(ビプレッソ編)

        自殺未遂をしたわたくしめが飲んでいるメンタル系のおくすりを所感で好き勝手語りまくるシリーズです。 第二弾はビプレッソ徐放錠です。 双極性障害、いわゆる躁うつのうつ症状に効く抗精神病薬です。 わたし躁うつだったの? と薬をもらって初めて知る。 というか、メンタルが病気の自覚は今もないんですよ。 死にたいからメンタルが病んでるのか、 メンタルが病んでるから死にたくなったのか。 ただ死にたいってありえないのかしら。 死にたい人が全員病気っていえるのかなあーと思うんですが、

        • メンヘラさんのおくすり事情(ロラゼパム/ワイパックス編)

          今回から飲んでるお薬の話を1つずつご紹介。 記念すべき(?)初回は、自殺未遂で入院した時の退院処方として出された抗不安薬、「ロラゼパム」。 ワイパックスの後発薬です。 詳細な効果や概要は私のような聞きかじりよりも正しい情報がネットには転がっているので、ここでは使った感想を中心に。 いわゆる不安感、緊張を和らげる薬ですが、私は頓服として処方されました。 飲むときは間隔を8時間は空けるように、と言われていたので、退院直後はきっちり指折り8時間ペースで飲み続けていました。

        "そうやって悲しい日を越えてきた"

          ODのあとしまつ

          ODで自殺を図った詳細は前回の投稿をご覧ください。 今回は後日談として、失敗した結果、順調に進められた治療過程から入院中、そして後日談をできるだけ思い出そうと思う。 補足としてODはオーバードーズ、薬物の過剰摂取のこと。 今回私は、アセトアミノフェン中毒を狙って市販の風邪薬を致死量まで飲み、連絡をした友達の迅速すぎる対応によってあっという間に救出されたのだった。 * 救急車で近くの三次救急に指定されている救命救急センターに搬送され、朦朧とするもかろうじて残る意識の中、

          ODのあとしまつ

          ODで死にそこなった話

          記憶が、意識が、脳味噌が、正常なうちに書き残したい。 いつかまた、衝動に駆られてしまう前に。 なお、もちろん自死を推奨する内容ではなく、反面教師として、そんな人間がいるんだなあと思ってもらえたら嬉しい。 そのため、できるだけ起こったことに照準を合わせて淡々と記そうと思う。 原因は大して珍しい話でもないのですっ飛ばす。 そんなこんなあって、明日が見えない、生きる価値はない、望んだ未来など一生こないと思う出来事があり、元々メンヘラ気質だった私はあっさり死ぬことを選択した。

          ODで死にそこなった話

          だいすきなきみへ

          ねえ、あなたはほんとうにほんとうに、わたしの人生そのものみたいなんだよ。 恋人で、親友で、仕事のパートナーで。 あなたのなまえを見ただけで、好きだって気持ちが溢れて苦しくなる。たくさんたくさん、言葉にして伝えたくなる。 止められなくて、苦しくて、頭がどうにかなりそうなんだ。 会社にいる日はずっとその姿を目で追ってた。 後ろ姿の首筋がきれいでみとれてた。 遠くにいてもいつも声が聞こえた。 いつも近くの棚まで無理に用事を作ってた。 仕事の話をするあなたの真剣で楽しそうな顔

          だいすきなきみへ

          君が大切になりすぎた

          君の音がしない。 ベッドの中で強く光るスマホの通知画面に、君の名前は並ばない。 たとえば、と前置きするときは、それが叶わないと知っていることばが続く。 たとえば、20代で出会っていたら。 あの街ですれ違っていたら。 例え話なんてしなくても、それがどの瞬間であっても、きっと君に惹かれていた。 だって、きっと今が一番最悪のタイミング。 それなのに、こんなに君を必要としているんだから。 思いつめても仕方ない。 考えたって仕方ない。 泣いて解決するのなら、何リットルでも涙

          君が大切になりすぎた

          クローバーをきみに

          海が見渡せる公園の芝生を、ショーちゃんが走り抜ける。 どこまでもまっすぐ突き進む。 その向こうに、輝かしい未来が待っていると信じて疑わない眼差しで。 * ショーちゃんはもうすぐ2歳になる男の子だ。 「最近は、なんでも最初に『嫌!』からはじまるんだよね」 母親のポッポは、うんざりした様子を隠すことなく言った。 走り回るショーちゃんを目で追っているが、黒いクマがその下には深く刻まれている。 「そういう年頃だよね」 ほとんど同い年頃の姪を持つメグがそれに続ける。 わたし

          クローバーをきみに

          ラテにマシマロのっけちゃお

          人といるととにかく疲れる。 なのに、誰かがいないと寂しくなる。 とにかく寂しくなる。 圧倒的孤独は人を簡単に壊す。 泣いても喚いても口汚く放送禁止用語を叫んでも。 それを誰が咎めるでも慰めるでもなく、ただしんとひんやりした空気が小さく揺れるだけ。 それが一人暮らし。 自由気ままで、贅沢で、切なくて胸がギュッとなる。 * 「他人にチューニング合わせるのに疲れた人だよね」 と彼はわたしを見て言う。 彼といっても、恋人ではない。 これも胸がギュッとなるけど割愛。 おっ

          ラテにマシマロのっけちゃお

          「夢を託す」

          つまらない夢ばかり見た。 花屋だとかお菓子屋だとか、大して興味があるわけでもないのに、友達のマネをしてなりたいと言っていた幼少期。 テレビでキラキラして見えたという理由でアナウンサーと卒業文集に書いた小学生時代。 それを(あけすけに言えば)ビジュアルが足りないと気づいて諦めたあとは、「将来の夢」にとりあえず公務員と書くようになった。 たぶん、どこかで公務員が安定した将来性がある職業だとか、そんな耳障りのいい文句を目にしたのだろう。 ちなみに自分でいうのもなんだが、な

          「夢を託す」