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「夢を託す」

つまらない夢ばかり見た。

花屋だとかお菓子屋だとか、大して興味があるわけでもないのに、友達のマネをしてなりたいと言っていた幼少期。

テレビでキラキラして見えたという理由でアナウンサーと卒業文集に書いた小学生時代。

それを(あけすけに言えば)ビジュアルが足りないと気づいて諦めたあとは、「将来の夢」にとりあえず公務員と書くようになった。

たぶん、どこかで公務員が安定した将来性がある職業だとか、そんな耳障りのいい文句を目にしたのだろう。

ちなみに自分でいうのもなんだが、なまぐさで日本のトップを競ったらいいところまでいけると思う。

そんなやつが、公務員試験などという地道で根気のいる試験に向けて頑張れるはずもなく、

むしろその努力をしようと意欲すらわいてこなかった。

さて、時は流れて齢35。

夢を見ることどころか生きることすら諦めて、毎日スーパーの割引シールの貼られたお惣菜で生きてる齢35。

無気力人生に降りかかった突然の夢の続き。

今まで誰にも言わなかった、ここにも書いていない「本当にやりたかったこと」を突然仕事に勧められた。

上司と、複雑な関係の彼から、ほとんど同じタイミングで。

バイキング小峠さんなら「なんて日だ!」と叫んでいただろうね。

でも小峠じゃないので、代わりにこの運命的な瞬間を文字に残そうと思う。

だって、君の言った「夢を託すよ」という言葉がなんだか胸に疼いて仕方がなかったんだ。

誰かにそんな大きなものを託されたことがあっただろうか。
その重みに応えるだけのことができるだろうか。

それを、あなたに見ていて欲しいのです。
ここから、世界が変わるかもしれないから。

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