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有象無象のビジネス書の中にある正義~ありえない仕事術・上出遼平~

いつもお世話になっております。
するめでございます。

めっきりと、本を読むときはkindleになってしまいました。街から本屋が消えましたよね。するめの家から一番近い本屋は自転車で20分ぐらいかけて行かないとありません。便利には勝てず、kindleで買ってしまいます。元本屋店員にはあるまじき行為ですよね。


ビジネス書や自己啓発本が嫌い
するめは性格がひん曲がっていますので、こういった本を勧められたり、渡されて読みはするけど「だからどうした?あんたの場合だけでしょ?」と捻くれて受け取ってしまいます。

そうなんです。自己啓発は、マシにはなるけれども、万人が劇的に変えられるものではないと思っています。ビジネス書もしかり

ですが、世の中には沢山、沢山のビジネス書があり、沢山、沢山売れていくのです。

もっと、文学などが売れるといいのにな~。

そんな気持ちを代弁してくれた本を紹介します。


上出遼平 / ありえない仕事術

元テレビ東京のプロデューサーで「ハードボイルドグルメリポーター」をつくられた人です。

徳間書店から発売されているよ~。

あらすじは、

第一章目:仕事をすることにおいて重要なこと

第二章目:ストーリー仕立てで正義とは


社会人1年生というか、学生から中年まで、幅広い世代に読んで欲しいものでした。改めて、自分の仕事について考え、これは正義なのか?それとも・・・。と考えてほしい。

とりあえず、kindleのサンプルをダウンロードして欲しい。読んでみたらこの人の文才に惚れ込むはず。


”ビジネス書”の皮を被った何かだった。衝撃的過ぎて、仕事中に煙草を何回も吸いに行きがてら読んでは、頭の中で反芻して。読み進めようと思うと、胸が苦しくなり、目を背けたいけど、やっぱり続きが見たくて読む。

するめの中では夏目漱石を読んでいた時の感情と、映画だと、ゴットファザーを見ている感情とめちゃくちゃ似てると思った。



ネタバレネタバレ!



第一章

ズルをしない

仕事は、チームでするので、自分ズルをすることにより誰かがそれをすることになってしまう。そして、ズルをしたことは誰かは見ているということ。


雑魚作業にも理由がある

こんな仕事、何の意味があるのか思うけれども、それには必ず理由がある。その雑魚作業をすることで、忍耐力をつけれる。心も筋肉で出来ていて、少しだけ無理をすることによりだんだんとメンタルが強くなる


睡眠不足は大敵

睡眠は、何にも代えられないので寝るべし。


と、ビジネスのことを書いていて、気着心地の良い話ばかりではないし、自分を上げてくれるような話ではないのですが、ちゃんと地に足をつけてやろうという内容でした。他にも、テレビの作り方なのども書いていて「へぇ~」などと思っていました。


が、しかし二章目から変ってくるのです。

一章目の最後は、テレビの作り方の話をしていて、そのまま二章目は上出さんがどうやってドキュメンタリーを作るのか?という話を書いていると思いきや・・・違う。全く違う。
文章が上手すぎたのと、導入のテレビの作り方で錯覚してしまったけど、とんでもないものを見させられました。


死の肖像

細部にわたり説明するのですが、カミデ氏という監督と、ノムさんというプロデューサー、ハッシーというアシスタントで編成された死についてドキュメンタリーを作る物語

大手動画配信プラットフォームでドキュメンタリーを制作する依頼がきた。だれもが、目を向けたくない死についてを作品を撮ると決めて、取材対象を終末医療の病院に決めて行うことにした。

コロナ渦で医療現場は大変な思いをしている中、取材を申し込んでも断れることが多かったが、ひまわり病院は了承してくれてた。しかも、この院長は人格者でその心意気に惚れ込んだアシスタントのハッシーは、時には病院へ泊まり込みながら取材を続けている中、最悪という出来事が起きる

ひまわり病院で、コロナが流行り集団感染を起こしてしまい2人の命が失ってしまう。その中をドキュメンタリーで撮り、動画配信をさせて成功するのだが、不本意ながら、集団感染を起こした病院としてメディアがやり玉にあげて炎上していく。責任を取る形で院長は辞任することになる。


このドキュメンタリーが成功したことにより、シーズン2の制作が決まる。シーズン2の取材対象者は、難病指定されているALS患者としてカミデ氏が1人で付きっきりで取材を行う。

このカミデ氏が正義とは何か?ということ再三再四言うのだが、時にはカミデ氏の言っていることが正義だと思う瞬間もあり、また読み進めるとあれ?と疑いたくなる。正義・・正義・・・正義。ゲシュタルト崩壊のようにバラバラと正義が崩れてしまう物語でした。


するめの感想。

どこで、カミデ氏が間違えてしまったのか?本当にカミデ氏が間違えていたのか?何度も何度も考える必要がある作品でした。

読み終えた時は、もう心の中がぐちゃぐちゃになりました。どうしてこの世の中はクソなんだろうか?自分が考えていた正義とは何なのか?果たして自分は真っ当に生きて、真っ当に死ねるのか?

いろんな事が頭に駆け巡り、ショートし、再起動し、駆け巡り、ショートする。だけど、何だか構築されていく感覚がたまらなく「すげぇもんを見させられた!」というドキュメンタリーを見た時の感覚に近い。

多分、取材対象としているのが、身近にある恐怖だったからだと思う。頭の中で想像しやすく、文字が綺麗に映像化された感覚があった。

なんやこのオッサンすげぇな!

いい本だな~これはkindleだけではなく本を買わないと!

ほんだらまた!



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