【原文ドイツ語の双極性障害関連記事(2)発症の原因】

「双極性障害の発症の原因と発症までのプロセス」

双極性障害の発症には、様々な原因と思われる理由があります。今日、ほとんどの研究者は、生物学的、精神的、そして社会的な原因の相互作用により、発症するものだという見解を示しています。

双極性障害は、遺伝が関与している可能性が高く、「遺伝的脆弱性」があると考えられています。 また、この病気では、神経伝達物質(情報を伝達する脳内物質)のバランスが崩れていることが指摘されています。つまり、うつ状態では、神経伝達物質であるノロアドレナリンとセロトニンの不足が起きており、反対に、躁状態では、ドパミンとノロアドレナリンの分泌が脳内で増加しているのです。双極性障害の患者の脳内は、様々な神経伝達物質の濃度がバランスを崩しやすい状態にあると考えられています。また、睡眠リズムなどの生物学的なリズムが狂うことで、より発症しやすくなることも指摘されています。

神経伝達物質の脳内バランスが崩れやすいという理由以外にも、同時に、環境的な要因、精神的そして社会的な影響も双極性障害を発症するか否かに関与しています。環境的要因には、例えば、ネガティブな出来事、ストレスや人生における大きな変化が含まれます。精神的要因とは、ネガティブな考え方が原因となっており、出来事への好ましくない受け取り方やアルコールの大量摂取などが病気を悪化させると考えられています。社会的要因は、例えば批判や拒絶などが、多くの場合に、病気の悪化につながると言われています。

また、同じ時間に起床し、同じ時間に寝るという睡眠リズムが守れないことや、仕事量の大きな変化によって、病気が再発する可能性も高くなります。生活スタイルの変化、出世などのポジティブな出来事や長い休暇などは、躁状態へ繋がることが分かっていますが、逆に、ネガティブな出来事(近しい者の死など)が躁状態もしくは軽躁状態を発症する原因として数えられることもあります。

一方で、症状の悪化を防ぐ要因や、症状を軽くする働きもあります。ストレスの緩和や正しい服薬、また、社会的要因として、例えば安定的な交際関係やパートナーからの支援が病気の回復へ繋がる精神的要因と言われています。

マイヤー(2008年)の研究では、躁状態および軽躁状態の初期には、活動レベルと睡眠時間の変化が見られるとあります。このような変化が、気分の高揚につながり、躁状態の高揚感や過敏性を生み出すといわれています。マイヤーは、このようにして悪循環が始まるといいます。

「自己評価がどんどん上がっていくと、多くの場合、患者は服薬を自分勝手に止めてしまいます。そうすると、更に躁状態は悪化するわけです。そのような状態を家族が指摘すればするほど、より強く反発し、過敏に反応するということにつながっていきます。」

(翻訳by双極さーちゃん)

出典:

https://www.therapie.de/psyche/info/index/diagnose/bipolare-stoerungen/entstehung-und-verlauf/


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