愛への信頼・コミュニケーション

「愛」を理解することは、あなた自身を理解することである。

私たち人間の思い描く愛は多くの衣装をまとい、何か別のものに変えられていて、普遍の愛そのものではなくなっているが(このテーマは、★体、人間関係、恋愛等に表れる心のはなしセレクション★マガジンに収録した記事で多く語っている)本来、愛はすべての土台だ。

でも、人間は「愛のある」とか「愛のない」という表現が意味を持つ世界に生きている。少なくともそう信じており、その世界を体験している。
だから、「伝える」ことが違いを生むと信じられるし、コミュニケーションにも複雑さが生じる。

自分の言葉が、態度が、ふるまいが、相手にどう解釈されるか?
自分の意図は正確に伝わるのか?
あるいは、相手の言葉を、態度を、ふるまいを、自分はどう解釈するのか。
相手の意図を自分は正確に受け取れているのか。

コミュニケーションにおけるそのような複雑さに、私たちはすっかり慣れている。
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どんなにそれがあたりまえ、や普通、に思えることだとしても、複雑さに心を悩ませ、得たいものを得ようとしているときには土台から見直すべきだ。
(コミュニケーションの目的に、それによって「得たいもの」が据えられている場合がある。例:相手の関心や愛情、理解や共感など。)

「愛」そして「コミュニケーション」についての真実へようこそ!
真実を思い出して、あなたの意識の中に保っている「地球世界の壮絶な幻想ドラマ」から、今、出よう。

これまで何度も何度もその「考え」は認識していた、概念として知的に理解することはしていた、それでも、パズルのピースをぴたっと定位置にはめるようには、自分の心にすとん、とはめ込むことができていなかった――。

これからお話しする内容は、私たちにとってそのようなものである。
自分で本当に「わかった」ときに、「これまではわかっていなかったのだ、忘れていたのだ」ということを自覚できる。

それは「Eureka! 」や「AHA!」体験と表現するよりも、「どうしてこれを忘れていられたのだろう」と、かえって今までの状態の方が信じられなくなる体験だ。

深い、深い、ずっとあった自己認識を取り戻す感覚。
愛について真実を思い出せば、きっとあなたもこの感覚を経験するだろう。

どう愛を伝えたらいいか悩む? その時点で起きている錯覚

どう愛を伝えたらいいか悩む、という経験はあるだろうか。
(ここで言う愛とは、親愛や思いやりの気持ちなども含む広い愛である。)

あなたとしては、愛をこめて、愛の表現として、何かを相手に伝えたい。
けれども、選ぶ言葉によっては、それがどう解釈されるかわからない。
誤解されないよう、正確に伝えられるよう、伝え方を間違えないよう、言葉を選ぶ。それは、意図が伝わらなかったり、誤解されたり、自分の想定外の解釈をされたりした経験が、すでにあるからだ。

多かれ少なかれ、「コミュニケーションにおけるズレ」「齟齬」を経験している私たち。

この記事を書こうとしたら、あることを思い出した。

幼少期、妹がまだ小さかった頃、家にお客様が来ると妹は、
「いつ帰るの? 〇〇さん、いつ帰るの?」
と、何度もお客様に尋ねるのだった。

しょっちゅう行き来しているご近所の人じゃなく、ある程度遠方から訪ねてきたような珍しいお客様であると、妹がそう尋ねる確率は高まった。

その度に、母は相手に「帰ってほしくないからそう言ってるのよ」と伝えていた。早く帰ってほしいからそう尋ねているのではないことを明確にして、相手が誤解しないようフォローしていたのだ。

幼い妹は、お客様が家にいることが楽しくて、うれしくて、いつまでもいてほしいから、いつ帰るか心配で「いつ帰るの?」と尋ねていた。
小さい頃の妹は、楽しい時間がお開きになり、いよいよお別れというとき、ぐずったり泣いて嫌がったりすることがよくあった。
自分たちが誰かのおうちを訪問する側だったときもそうだし、行楽地や旅先など、どこか楽しい場所に出かけて帰るときもそうだった。

だからこその、妹の心から出る「いつ帰るの?」という質問なのだ。
来た人がいつか帰ることは、幼い妹もすでに知っている。でも、帰らないでほしい! その心情の表れだった(かわいいね)。

でも、これを「大人の世界」の常識にのっとって解釈したら、どうだろう。
母のフォローがなかったとしたら、相手の「受け皿」によっては別な意味でとられることがあるかもしれない。

私たちは生きるにつれ、人の態度や言葉、状況から「これはこういう意味だ」と解釈するパターンを身につける。
実は、そのパターンはとても頼りないもので、万人に共通ではないのだが、あたかも「確かな定規」であるかのように採用し続けてしまうことがある。

だけど、正解はどこにあるの?
どんなにあなたがパターンを修正し、アップデイトし続けたとしても、その世界の中では確かな正解はないのだ。

土台を間違えているからだ。

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