やっぱり境界を見ていた【遍在している私】

また、劇的な体験をした。そしてその体験の後は、完成間際まで書いてあった2、3の記事が仕上げられなくなってしまった。
透けた薄いカーテン一枚分くらいの違いに思えるのに、ものの見方が変わってしまった分だけ、そのわずかな違いによって、用意していた記事のトーンが自分にしっくりこなくなったからだ。

文頭の「また、」というのは、先月、
「真の動機はこの世にない【霊的存在としてのチームワーク】」
「新地球の産み出しと、エゴのキャンプファイヤー終了、地球に生きる目的」
の中で説明した啓示的な体験をしていたためだ。

そのときも書いたように、啓示という言葉を使うとさぞかしドラマチックな出来事が……という印象を与えるかもしれないけど、実際は内的なシフト、内的世界でのインパクトなので、物理的状況として何かが起こったわけじゃない。

ただし、啓示と呼べる性質のものは、物理的時間で計測すると「瞬間的な」ヴィジョンと体験であっても、物理的に起こったことよりも強く意味と影響を持つ「実際に起こったこと」なのだ。

その経験の前や後にキーとなった言葉が、前回の◆「Baby, It's Your World.」で、これはある言い方をすれば、私が私の内から語りかけられた内容を言語化・翻訳したものだ。
そのとき受けたエネルギーのインパクトを言葉に込めて記事にアウトプットしたものなので、字面で示した以上に背後にあるエネルギーに意味がある。

ところで過去にも説明したことがあるが、なぜ時折このように英語での表現が出てくるかというと、この私というパーソナリティーは人生の中で英語に携わる機会がそこそこあったので、たとえて言うなら「日本語のほかに英語もサブで入っているデバイス」みたいなものだからだ。
インスピレーションや非物理的なメッセージは、概念や情報のデータの塊で、それを解凍する(この世の知覚や言葉に翻訳する)際に、私の中にある適切な型を探す。すると、英語の方がより純粋に伝えられることや、伝える相手側(霊的存在)の意図が、英語の方によりマッチすることがあるのだ。

前回記事に表した体験を境に変わったことといえば、私はそこに至るまではまだ「やっぱり、境界を見ていた」のであり、たとえば私たちが「ひとつ」の存在で、分離はなく、「あなたと他者は同じひとつのものだ」と説明するにしても、鏡の前に立つ人(自)と、鏡の中に映る人(他)とがあるような印象を完全には消し去っていなかった。

「鏡」というのは理解を促すための手段、たとえだから、そういうイメージを持ってもらってもまずはかまわないのだが、今の私の感覚を正確に伝えるためには、「境界はないんだ」ということを丁寧に解説するしかない。

この物理的な知覚のもとでは――、
私たちはそれぞれが別個の存在で、もちろん個々の体を持っていて、体には「外の端」があり、その先は空間になっている。誰も融合した状態にない。
このことは私たちが「内で」、私たちは別個の心を持っていると信じていることを具現化している「結果」だ。

分離を前提としたエゴの基準から見れば、あなたと誰かとの心を「ひとつの同じもの」だと見るなんて、危険きわまりないことだ。
あなたは、あなた自身の考えをその人にかぶせて、あなたとその人の考えは同じだという思い込みの中で生きることになってしまう……。
別の個性がある人間同士なのに、一方がそんなことをしたら相手を侵害してしまう。
――これがエゴの考え方だし、エゴが「リアル」である世界では、こうした分別は必要だ。「境界」をしっかりさせ、個人個人を分けておくことが健全なのだ。

けれどもね。
エゴは幻想だし、私たちの心は「ひとつ」しかないし、境界はどこにもないのだ。

これがありありとわかる直前、その過程において内から語りかけられたのが「Baby, It's Your World.」だった。そして気づいた後も、そのエコーが理解を強化し続けた。

すると、自分が「本質的に何を信じているか」の選択が、人々や環境を含む自分の現実まるごと、それこそ宇宙の果てまでもを、どう見るか決めていることが認識できる。

鏡の中と外

さっき出した鏡のたとえだと、鏡の外には「実体のあるあなた」がいて、鏡の中には「鏡に映し出されたあなた」がいるので、鏡に姿を映し出している方の自分は「本物」だと思う。

けれども、この世界の中に「いる」と思っているあなたの肉体も、あなたの「外に」あるように見える他の人々の肉体や生物やモノなども、全部が反映で、あなた自身はそうやって自分を投射することでしかこの世界を体験できない。
あなたが今「自分だ」と思っている体や、その体に固定されていると思っている「目による視点」も、スクリーンに投射したものの一部で、投射された世界のどこを見ても「全部があなたなのだ」と言えるし、「全部があなたの本体ではない」とも言える。

このときに大切なのは、

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