お互いが、お互いにとって概念として意味を持つこと

精神世界やスピリチュアルと呼ばれる分野では、定期的に「アセンション(ascention)」ブームが起こるよね。アセンションは次元上昇と訳されることもある。地球人類の意識が大きく変わって、体験する次元が変わるというような。
私の知る限り、その時期を指定した激しいブームが起きていたのは2012年だった。それ以前にも以降にも規模は違えど、同じようなことがあったのかもしれない。

私はそういうブームに自ら興味を惹かれず、共感したこともないので、過去に関わった精神世界・スピリチュアル分野の会社に繋がる人間関係や、そこからの情報が入ってきていた頃なら少しは何がブームになっているかを外野として察する機会もあったのだが、今はとんと疎い。
ただ、現在も進行中のウィルスの状況と、それに伴う人々の変化、社会的な動きなどが同じようにまたそのブームの材料にされるのかも、と予想すると同時に、今起きていることは毛色が違うからそうはならないか、と思う気持ちもある。

実際、今はとても「わかりやすく」物事の変化が見える時ではあると思う。
しかし、以前から私はお伝えしているように、この状況があるからといって今急に(一時しのぎ的な態度で)「意識を変える」ということに着手しても付け焼き刃で、現在見えているのは「結果」、これまでの自分がどのようなことを信じ、どう生きてきたのかを可視化して、場合によってはあえて予想外の状況に直面してでも「内に何があるかを確かめ、明確にし、微調整している」期間なのだ。
つまり、今目にしている変化は今起きているのじゃない。
このような「形」になるもっと前に始まっていたのだ。

言い方を変えると、現在は転換前の総決算や最終確認の時期に近い。

誰かが予言したからなのか、どういう理由でなのか、これまで特定の時期に起こるとされていた大変化、それを境に人類の意識が変わるという「アセンション」を期待していた人でなくても、そういう方面に特に興味がある人でなくとも、現在「何か大きな転換期に入っているな」ということは肌で感じられるだろう。

変化はいつでも進行している。歴史を振り返ればそれは一目瞭然だ。
一体いつが境目で、それがどんな結果を生む変化となったのかを理解して、現象として名付けたりできるのは後になってからのことだ。
その意味で、アセンションなど起こらないと言いたいわけではなく、そこに人々が込める期待、起こるだろうと予想している現象の形態が、思い込みで制限されていることを感じている。

今起きている、非物質次元へのフォーカスの移行

たとえばアセンションで起こることの説明に、意識の次元が上がると、物質にフォーカスしていた状態から非物質に近くなり、地球に生きながらにして人間の体も「半分霊の状態」になる、という考えがある。

そう聞くと、霊の世界を思い浮かべながら「半透明の体を持つ人間たち」の暮らしを想像するかもしれないし、ちょうど体外離脱したときのような経験が日常になるのかな、と思うかもしれない。

けれども、非物質次元に意識フォーカスが移りつつあるという点はまさに今、あなたの目の前で進行中のことなのだ。
あなたや他の人々の体が透き通ったりはしていないし、壁を通り抜けできるなど物質が特に柔軟になっている様子も体感していないかもしれないけど、そういう形ではなく、確かに今それは起きている。

概念同士の存在として【体験とは】

私たちの多くが今、人間同士の直接的な接触を減らし、リモートで交流することを提案されている。
もちろん、この状況の中でもじかに人と接触しなければできない仕事や活動があるのだが、それを踏まえても、これまでにないほど大勢の人が直接顔を合わせる形ではない交流に注目していることは事実だ。

このことは、私たちが「データ」的存在、情報の塊、それぞれの意識の中での「概念」であることを明確に理解する流れに貢献している。
実は普段からそうだったのだが、物質的(肉体と肉体の接触や接近という)形をとることが目くらましとなり、その本質を自覚してこなかったのだ。

詳しく説明しよう。

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