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マミートラックの寄り道がじわじわと生きてきた

フルタイムに復帰してはや1年半。

マミートラックから脱出できたかは定かでないが、育休明けに飛ばされた事務寄りの部署から、元々いた営業企画に戻ることができた。

コロナの打撃を受け、コストがより少ない販促方法に切り替えたり、今まで手が回っていなかった部分に着手したり、なんとか営業マンの士気が上がるよう工夫したり、平社員なのに判断・指揮する事も増え、てんてこ舞いに過ごしている。

大変ではあるけれど、考えたり試したり新しいことを始めるのが好きなので、今はだいぶ働き甲斐を感じる。
端的に言うと楽しい。

マミートラックの暗黒時代

育休あけに部署を飛ばされた時はショックだった。なんの説明もなく最低評価をつけられた時も驚いた。
不満を感じながらも声を上げられず、表面上はにこにこしている自分の不甲斐なさに苦しみ、数が少ないというだけで立場は弱く、これ以上の事態の悪化を恐れて身動きが取れなくなるのだと知った。その部署はコロナ禍でも在宅勤務を行えず、「今日も会社を破壊してなくて偉い」と思いながら通っていた時期もある。

それでもどうにも好きな業界・商材で、人間関係に恵まれ、労働時間がホワイトで、転職活動も内定には至らなかったので今日まで居続けているのだが、あの時期はなかなかしんどかった。

どんな仕事も繋がっている

そんないわば暗黒時代が、ここにきてじわりじわりと、生きている。

例えば、販売実績を分析しているとき。特定の年代でやたら突出している売上が、とあるイレギュラーな注文による偏りだと分かる。実際にその注文を受けていたからだ。部長がピンと来てなくても、さくっと説明することができる。

また、とある商品の販売方針を営業マンに伝えるとき。「実際こういう理由で注文するお客様が多数いました」という言葉を添えることができる。

もちろん、営業マンが一番現場をわかっているのだけれど、「自分達ほどは現場に出てないのに偉そうに指示出しやがって」と思われかねないポジションなので、そう言えることはたぶん大事だ。

関連部署とのやりとりも多かったから、「たぶんこうされたら発送部門は困るだろうな」とか「この件はあの人に相談しておいた方がいいだろうな」ということがわかる。

家事育児との両立のため、常に前倒しで仕事を進め、いかに効率よく楽にまわすかを考えていたので、今の部署の仕事の効率化や、営業マンの負担軽減については、前よりかなりアイディアが浮かぶようになった。

まわり道のように思ったことも、無駄ではなかったのだと実感する日々だ。

ジェネラリストとしての私の強み

昔「異動が多くて専門性が身につかないのが悩ましい」と父に相談したとき、父は私に「気持ちはわからなくもないが、ひとつの部署しか知らないと弱いんだよね」と語った。

当時は、そういうもんだろうか、と思ったけれど、今は割と実感を持って理解できつつある。

今はジェネラリストよりスペシャリストという世の中だけれども、おそらく私の強みは部署と部署、お客様と自社などを「つなぐ」力にあるのだろう。

人見知りの根暗の割に、法人営業で好評価だったりしたのも、そういった性質があるからかもしれない。

スペシャリストは最高だが、スペシャリストとスペシャリストの間をつなぐ人も必ず必要になるはず。

そのあたりが私の生きる道なのかなとぼんやり考えながら、恐らくまだマミートラックの上だけれども、前よりは視野を広く、楽しく、走れるようになったように感じている。

しんどかった日々も後々生きるもんだなぁとあの頃の自分に伝えたい。

もちろん、私が経験したことは今後改善されていってほしいと思う。確かに子育て中は体力的負担が大きく、時間的制約もある。しかし本人の希望に反して理不尽な待遇を受けることはなくなるべきだ。正直、生活のために働かなければならないのに、子を産んだら収入が減り、キャリアが閉ざされ、一度仕事から離れると復帰が難しくなるなら、産まないのが合理的判断だ。でもそれでは社会は衰退していく。

こういった現在の歪みをもとに、前提となる長時間労働が是正され、柔軟な働き方を選びやすく、健康に働ける環境が当たり前になってほしい。

とはいえ、遠まわりして、時々歩いて、立ち止まって、やさぐれ、割とかっこ悪いことになっても、いつか道は開けることもあるらしい。
現在進行形でもやもやを抱えている方も、なんとか踏ん張ってほしい。なるべく健やかに、楽しく生きられるよう模索しながら。もちろん、思い切って辞めることも視野に入れて。

願わくば私もあなたも誰も彼も、この先、幸多からんことを。

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