マミートラックを走りはじめて思うこと
育休から復帰して3ヶ月。
上司に呼び出され告げられたのは、仕事内容の変更、もはや異動に近いほどのもの。
それはマミートラックへの追放。
マミートラックとは、子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのこと※人事労務用語辞典より
ショックで泣きながら帰り、生活に余裕があったら翌日辞表を出していたところだったけれども、そうはいかないのでぐっと我慢。
独立してもやっていけるのでない限り、感情的に辞めるのは悪手だと思うので結果的に踏み止まらざるを得ない状況でよかったと思う。
しかし実際に新しい仕事が始まるまでの間、「マミートラック 対策」「抜け出し方」で検索しまくったり、Twitterで愚痴ったり、親に相談したり、とにかくもがいていた。
苦しかった。
座席を移動させて最初に引き継いだ仕事が郵便物の仕分けだった時は、トイレでこれまたこっそり泣いた。
8年も働いて新たに取り組む仕事がこれか。
私の職歴は商品開発、法人営業、新規事業開拓、営業企画ときて、現在営業事務といわゆる代表電話窓口だ。
かなり異動が多い方で、スキルが身につかないと悩み続けながらも、概ね楽しく働いてきた。
だから最初は落胆した。
何を今更、時短で働くとはそういうこと、と仰る方もいるかもしれない。
しかし、身近に例がなかったので、ぼんやりした私はわかっていなかったのだ。
こうなるとわかっていたら子どもは産まなかったかもしれない。
わかっていなくてよかった。
一方で、これが自分でなく別の先輩だったら、こんな異動はなかったんじゃないかと自分の無能さに打ちのめされた。
ところが。
マミートラック本格走行1日目、本当に予想外に、案外楽しかったのだ。
電話番をしていると、今何が売れているのか、それはなぜか、どんな問い合わせが多いか、時期的な顧客の動きがみえてくる。
今まで色んな部署にいたけれど、やや傍流、もしくは上流の仕事が多かったので、やっと本流に触れている、という感覚がある。
知識が実感に変わる、といえば伝わるだろうか。
そして、新たな角度から会社のビジネスの流れを眺めるのも面白い。
単純に、新しいことをするのが面白い性分なんだと思う。
これは私の良いところであり、悪いところでもあるのだけれど、初めての体験は面白くなってしまって、戦略を深く考えもせずに続けてしまうところがある。
キャリアが微妙なのは確かだから、改めてどう働くかは考えなければならない。
正直、やっぱり事務仕事には興味がない。
だからそのうち飽きて、結局辞めたいとか言い出す気はする。
会社が期待していることと現場でできることにもズレを感じる。
だだ、私にとってわくわくする仕事ではないけれど、全く面白くないわけでもない、というのが発見だった。
本格始動の前の晩、皿を洗いながら仕事に行きたくないと泣いたのに、思ったより楽しめてよかった。
ただ、もし同じようにマミートラックにはまっている方がいたらお伝えしたいのだが、
淡々と働くのが正しいことくらい
黙々と求められていることをするのが真っ当なことくらい
他の人と同条件で働けないことくらい(それはそんなに悪なのか?とは思うけれど)
キャリアが止まるのは一時的なものであることくらい
働けるだけありがたいことくらい
わかってるけど
キャリアが止まっている今この瞬間がつらいことはわかってほしいよね。
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