「私は無能」と思うのをやめたこと
マミートラックに陥ってから、しばらく「私の能力が低いからこうなったんだ」と思っていた。
納得のいく答えが欲しかった。
たどり着いたのがこれだった。
私はものの原因や関連性、成り立ちなどを考えるのが好きだ。
だからつい、考えてしまう。
他の人だったら、こうはならなかったのでは。
もっと圧倒的な実力があったら、こんな目には合わなかったに違いない。
これはもっともらしく、「正しく」感じられた。けれども、精神衛生上大変よろしくなかった。
ずっと心が晴れず、体も重く、人生に楽しみなど何ひとつないような期間を過ごし、底に辿り着いたのだろう。
ある時気づいた。
そりゃめちゃくちゃ有能ってことはないけど、無能ってこともないだろう。
それなりに働いてきたし。
産後、能力が1/3とかに縮小するわけもないし。
そもそも、こうなった理由を誰も明らかにしていない。答えは私の「想像」で、そうであるかもしれないし、そうでないかもしれないのだ。
「自分は無能」と思うのを辞めてから少し楽になった。
そもそも日本では「自省」させられることが多い。
何か悪いことが起こると、つい自分に非があったのではないかと思ってしまう。
何か良いものに触れると、わが身を省みることが先生受けの良い回答としてなんとなく、ある。
でも、原因は常に自分の中にあるとは限らないし、向上心は大事だけれども、自己批判も行き過ぎると自滅する。
明らかに原因があって因果関係のあるミスや誤りなら、反省して同じことを繰り返さないことが大切だ。
でも世の中にはもっとゆるく、つかみどころのない出来事があふれている。
なにより人間は完璧ではないから人間なのだ。
だから、自分の想像だけで自分を貶めるのはやめることにした。
物事をとりあえず括弧をつけて、保留にするというか、宙ぶらりんにさせておくいい意味での適当さが、私には必要だなぁと思った。
少しは身についただろうか。
いやぁ、自分で自分をザクザク傷つけまくるのは、ホントしんどくて、痛かったわぁ。
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