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自分のご機嫌は自分で保つ

強制フル在宅勤務令が出されたとき「うわ〜しんどい〜詰む気しかしない〜〜」と思ってたけど、1ヶ月試行錯誤したら意外と快適になった。というか3食自炊+ときどきZoomランチor飲み、睡眠時間7.5h、家筋トレという超健康的な生活で、なんなら在宅令前よりも地味に楽しい毎日を送っている。

映画と本と音楽に囲まれ考える時間はたっぷりあるので、重い腰を上げ、下書きに眠っていたnoteをやっとこさ公開することにした。「新卒入社した会社を1年半弱で退職し、半年間ニートをし、転職した話」である。(今までFBもTwitterも繋げず細々と公開していた他の記事は今読み返すととても晒せないクオリティだったのでアーカイブした)


しばしお暇いただきます

2019年の夏ドラマ、凪のお暇をご存知だろうか。(以下公式HPより)

営業事務として働く28歳の大島凪は、派手な同僚たちとは反して目立たない仕事を黙々とこなし(中略)日々何事もなく過ごすことを目指している。
しかしある日、張り詰めていた糸がぷっつりと切れ、会社を辞め、住んでいたマンションも解約し、付き合っていた彼氏もろともすべての人たちとの連絡も絶ち、コンプレックスだった天然パーマもそのままに、幸せになるため人生の再生を図ろうとする! 

別にTBSの回し者でも何でもないんだけど、外出自粛で退屈な人は今ちょうどTVerで期間限定で全話無料で見られるから良かったら観て欲しい。特に女性ならグサグサくるものあるんじゃないかな。ちなみに原作は漫画。

で、なんで凪のお暇の話を出したかと言うと、まさに私が昨年これに近いことをやったからである。【しほのお暇】と称し一部上場の会社を辞め、3年弱付き合っていた彼氏と別れ、髪を切り、私物を200L分捨てた。さすがに引っ越しはしなかったしSNSも残していたとはいえ、我ながら当時の勢いと行動力は恐ろしい。でも裏を返すとそれだけ煮詰まってたんだろうし、同HPの”張り詰めていた糸がぷっつりと切れ”という表現がまさにドンピシャな状態だった。

というわけで心配してくださった皆さんへのお礼と近況報告と、今まさに煮詰まっているどこかの誰かの助けになることを願いつつ、仕事を中心にこの半年を振り返るとする。(プライベートの話は長いので気になる人は個別に連絡くださいw)

ないものねだりの憧れ、諸刃の剣

前職の退職理由は、簡単に言えば「合わなかったから」である。

中途採用支援の人材紹介会社で働いていたので採用と教育にどれだけの時間とコストをかけてもらっていたか、ましてや新卒で1年半も経たずに次の職場も決めずに退職を選ぶことがどれだけリスクなのかは頭では分かっていた。分かっていたけど頭と心の答えは一致しなかった。

2019年5月、私はとある一件で”張り詰めていた糸がぷっつりと切れ”た。お客さんからの電話が怖い、メールですら何も進まない。デスクにいるだけで目眩がするし涙が出る。トイレで心を落ち着かせてデスクに戻っても、仕事が捗るわけがない。私の散々な状況を見かねた部署の先輩方から「最近どう?大丈夫??」と声を掛けてもらうことが増えた。(ここで先輩に甘えられなかったのは私の弱さだと思う)本来であれば診断書をもらい休職するべきだったんだろうし、無職が怖くて現職中に転職活動も一応してみたけれど、心に余裕がない中で面接でうまく受け答えできるわけがなかった。とにかく解放されたい気持ちが日に日に募り、結局そのまま退職を選んだ。7月、上司に退職の意思を伝えてからは症状もまるっきり回復したので、これで良かったのだと自分に言い聞かせることにした。24歳の誕生日の3日後のことだった。

ちなみに前職を選んだ最後の決め手は”10年後こうなりたいと思える社員がが多かったから”という直感的な憧れ。でも、憧れはその対象が自分にないものを持っているからこそであって、今の自分とはかなりの距離があることを意味する。だから入社直後から「府川ってウチっぽくないよね〜」とたくさん言われてきたし、実際それは最後まで変わらなくて、退職の時は上司から「府川さんはやっぱりウチじゃなかったね、でもきっと他に合う場所があると思うよ頑張って」と送り出してもらった。私にとって憧れは諸刃の剣だったらしい。幸い、”ぽくない”ことを理由に詰められたり変わることを強要されたりしなかったから、適度な距離感とドライな組織風土には感謝している。

誤解を招きそうなので補足するが、前職を貶すつもりは一切ない。大前提、新卒で前職を選んだことは今でも良い選択だったと思っている。入社前に憧れていた社員像そのままな厳しくも優しい先輩ばかりだったし、働き方もフレックスありの柔軟な完全自己裁量で、成果を上げれば年次関係なく正当に評価される環境だった。どこまでもフェアな良い会社。競合他社に比べて社員の営業力も情報量もレベルが高いので、エージェントを使った転職を考えている人には是非登録をオススメしたい。ただ事実として、前職に必要とされるマインドセットとスキルに対して私が合わなかっただけなのだ(詳細後述)

健康的で文化的な至高のニート180日

というわけで無事、私は無職になった。最終出社日が8月頭だったので、まさに人生の夏休みスタートである。

幸い顔は人並みに広いので、友達の勤務先近くまで行って1時間だけランチをし、時間を潰しては夜また別の人と飲む、というのをよくやっていた。みんな構ってくれて、心配してくれてありがとう。ごちそうさまでした。

反対に1人のときは図書館で本を読み漁り(和泉の子たちが5,6歳年下だと気付いて血の気が引いた)、映画をたくさん観て(水曜昼レディースデーは大学生と主婦とリタイア後のシニアばかりだった)、YouTubeでレコメンドされるMVをひたすら観た(AppleMusicは超雑食と化した)。

面接がない日は目覚ましもかけずに寝て起きて「今日は何しようかな〜」な状態だったけど、本来”人生の夏休み”と称される大学生活4年間は常に忙しなく動き回っていたので、冗談抜きで人生で一番暇で一番有意義な時間だった。お喋りモンスターの私がいまコロナ外出自粛でも楽しく生活が出来ているのは、お暇期間中にひとり時間の過ごし方を覚えたからに違いない。

そして、肝心の転職活動はわりと難航した。完全に逃げの転職だったので、退職理由を毎回突っ込まれ、2,3ヶ月で終えるはずだったお暇は180日に及んだ。まあ確かに1年半も経たずに辞める新卒が地雷臭MAXなのも事実だし、私が面接官だったとしてもガツガツ聞くはずだから仕方ないけど、最終面接で合計10社くらい祈られた時は「だったら先に落としてくれよ」って嘆いたなあ。

ついに出会ってしまった

11月末、先輩から声がかかった。「ウチの会社受けない?」

ゼミの就活イベントでの出来事だった。そのイベントは現役の3年生向けに4年〜社会人のOBOGが就活の進め方や現職の話をパネルディスカッション形式で紹介するというもので、私は司会として召集された。(さすがに無職の身で仕事を語るわけにはいかないしね)で、パネラーとして参加していたその先輩が私の司会っぷりを評価して声をかけてくれたというわけ。確かに前職の面談で仕事話を引き出すことに慣れていた分、同年代よりも質問のバリエーションはだいぶ多いかもしれない。というか純粋に先輩たちの話を聞くのが面白くて質問が捗った、という方が適切な気がする。実際めっちゃ楽しかったし。

最初は希望の職種じゃなかったから丁重にお断りしていたんだけど、社内で揉んでもらった結果、HR系の別の事業部でカジュアル面談をしてもらえることになった。それが現職のUniposである。

よく転職は結婚に例えられるけど、だとしたら運命の人に出会った気分だった。これだと思った。脳内BGMはさながら運命のアイラブユー。面談の時点で他社内定を2社もらっていた私は「あと5営業日で他社の内定承諾期限なんですけどそれでも受けたいです!!」とダメ元でアタックしてみた。その結果、面接1回減、4営業日でオファー決定という奇跡を起こし、内定承諾の2日後には現職の納会に参加して12月を終えた。2019年年末滑り込み、満塁サヨナラ逆転ホームランである。

実は現職、4年前の新卒就活時に説明会(当時オフィスは六本木ヒルズだった)に参加していて「こんなイケイケWebベンチャー無理!」と思って避けた会社なのだ。そんな会社に巡り巡ってまさか転職で戻ってくるとは、ねえ。びっくり。

カジュアル面談から納会参加まで6営業日。土日含めたった8日で私の人生が変わった。ありきたりすぎてどうしても薄っぺらくなってしまうのだけど、世の中どこに出会いが転がってるか分からないよなあ。(ちなみにカジュアル面談と2次面接の間の土日は優雅に温泉旅行して気が紛らわせたのも良かったのかもw)

カスタマーサクセスってなに?

そして現在、私はそのUniposでカスタマーサクセス(以下CS)として働いている。CSの業務内容をド初心者の私がつらつら書いてもしょうがないので、このnoteを読んでほしい。あるあるすぎてめっちゃ笑ったやつ。

現職はもともとフィールドセールスで選考を進んでいて、私の適性を鑑みてCSに職種変更になったのだけど、働いてみると案の定ぴったりな職種だった。自分でも向いてるのが分かるし、ちゃんと貢献できてる実感がある。でも、ハマればハマるほどその理由を整理したくなった。

「なんとなく向いてる」を紐解く

というわけでストレングスファインダーを受けることにした。事前にさあ才能に目覚めようを読み、当てはまりそうな資質10個を受検前に書き出したんだけど、結果はやっぱり想定通り。資質は全て予想した中に入っていて、確率1/2とはいえ自己認知強すぎかよ、と思わず一人でノリツッコミしそうになった。結果はこちら。

ストレングスファインダー

わ、わかる〜〜〜〜〜!!!!

アセスメントだから当たり前なんだけど、ぐうの音も出ないほど核心を突かれている。きっと仲良くしてくれてる人は「うわーふかわっぽい」と思ってるだろうし、今あんまり私と関わりのない人はこれらの項目の解説を読んでもらえば私の人となりが分かるはず。短所まで知られるのは手の内晒け出す感あってわりと恥ずかしいけど、興味ある人は本読んでみてね。本買えば自分でも受けられるよ。

好き×向いてる×需要ある=天職

向いてる=適性があるだけでは楽しいに繋がらないんじゃ?と思っていたけど、冷静に考えてみたら現職はWill(やりたいこと)Can(できること)Must(必要とされること)のど真ん中にあった。ベタすぎて驚くけど、そりゃ楽しいわけだ。

Will:新卒就活時からずっと「もっと前向きに働く人を増やしたい」と思っている。人材紹介会社の前職にいた時はその切り口が【転職=新しく環境を選びにいく動き】だったけれど、今はそれが【組織変革=今いる環境を変えていく動き】になった。根底の想いは変わらず、別の切り口からのアプローチになった感じ。

Can:ストレングスファインダーの通り、私が得意なことはざっくり「物事や相手の良いところを見つけて伸ばすこと」「今ある状況とリソースでの全体最適最大出力を考えること」の2つ。だから、売上数字こそが絶対的な正義で、目標志向/達成欲/競争性が求められる前職での営業は絶望的に適性がなかった。その一方で、現職CSの最終的な目標は、数字は数字でも売上ではなく継続率=満足度を高く保つこと。顧客満足度を高めるためにはUniposを導入してよかったと思わせる結果が必要だし、結果を出すためには商談相手(Uniposを活用して組織改善しようとしている人たち)が超頑張って組織全体を巻き込むことが必要だし、組織を巻き込むためには商談相手のやる気と推進力を喚起する必要がある。わりと骨の折れるプロセスだけど、私が持ってた資質がここにどハマりした、というわけ。

Must:ここは①対社外(世の中的な流れ≒顧客)と②対社内(事業と組織のフェーズ)の二方向あると認識している。

まず①に関しては世の中の流れが【働く/仕事とは】の見直し時期に来ている気がする。私はCSだから既に受注の決まったお客さんとの商談になるけど、展示会で受注前どころかUniposを知らなかったお客さんに聞いても、組織課題がゼロな会社なんてない。「組織が大きくなって統一感が薄れてきた」から「管理職と現場の距離が遠い」「離職率が高い」まで様々だ。もちろんやりたい事が社外じゃなきゃ出来ないとか前向きな転職は笑顔で送り出すべきだと思っているけど、組織の問題が積もり積もって退職に至っているとしたらそれは勿体ない。人と組織に正解なんてないから、わりと本気でUniposは必ず貢献できるところがあると信じてるし、だからこそ面白い。

そして②に関しては、入社時期が絶妙によかった。私が入社する前、CSメンバーに対して顧客数が圧倒的に多かったため全くリソースが足りず、顧客対応で精一杯な状況だったらしい。だからノウハウは属人化してるし、新入社員のオンボーディングは手間がかかった。というわけで私の初月目標は一連の業務を覚えることの他に、覚えたその業務を片っ端からマニュアルに残していくこと。本当に偶然なんだけど、このチームからの需要は私の得意ゾーンと完全一致だった。私は根っからの”まとめたがり屋”で、書きながら残しながら頭の整理をするタイプ。(大学時代テスト前に私のノートが出回り、初対面の人に「ふかわちゃんのノート持ってる!」と言われるレベル)なんかもう全てがWinWinだった。自分でもびっくりする。

ちなみに他チームではデータ分析と数字ロジックに強い人が事業企画をやっているし、言葉選びと伝え上手な人がマーケ広報をやっているし、愛嬌MAXな人誑しが営業をやっているし、チームプレーってこういう事なんだなあ、全体最適楽しいなあ、と常日頃思いながら仕事をしている。まさにストレングスファインダーの”アレンジ”発動しまくりである。

自分のご機嫌は自分で保つ

んで、盛大な前フリを経てやっとタイトルの伏線回収。私の6000文字にもわたる壮大な自分語りに付き合ってくれた方、ありがとうございます。感謝。

伝えたかったのは、私はご機嫌を保つために半年間かけて、髪型を、家にあるモノを、職場を、職種を、付き合う人を(この”付き合う”は人間関係全般のこと)変えてやっと人生で一番ご機嫌な毎日を手にれたよ、だから今煮詰まってる人もきっと居心地の良い場所が見つかるよ、という話でした。

私は圧倒的に「叶え組」で、わりと相談してよかった!と言ってもらえることが多いので、もし煮詰まってる人がいたら連絡くださいな。解決策は出せないかもしれないけど、話を聞いたり背中を押したりすることはできるかもしれない。前職同期曰く何を言ってもポジティブ着地するところが心地よいらしいよ。最近いろんな人のお悩み相談に乗りすぎて「一家に一台ふかわ欲しい」とまで言われるようになった。私はアレクサか??(役に立てて嬉しい)

ちなみに「叶え組」とは以下noteの造語で、最近出た書籍版もめっちゃよかったから是非読んでほしい。誰かの毎日が少しでもハッピーにご機嫌になりますように。


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