龍造寺文庫

尾張の国の生まれ。九州の数ケ国を経て現在は武蔵の国の人。旅のお供エフハチと日本各地のミ…

龍造寺文庫

尾張の国の生まれ。九州の数ケ国を経て現在は武蔵の国の人。旅のお供エフハチと日本各地のミュージアムを西に東に。増え続ける図録の収納が永遠の課題。

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地域別インデックス【全国版】

初めてお越しの方、はじめまして。 時々覗いてくださる方々、ありがとうございます。 さらに足跡まで残してくださる方々、心から感謝申し上げます。 話題の場所もひっそりのトコロも、日本各地のミュージアム(広い意味で)を網羅的に記録しております。 ややヘンタイ的な視点は自覚しておりますが、ご意見等いただければありがたく存じます。 ネタがアチコチに飛んでしまうので、地域別の索引にしています(地域バランスも多少意識)。歴史と地域の文脈を新たな糸口に。   1.【東京都】 東京編は

    • キリシタンの島のお城と磁器 富岡城・高浜焼:上田家庄屋屋敷 熊本県苓北町・天草市

      バスや鉄道の路線廃止や減便がニュースとなってきているここ数年。理由は人口減少や利用頻度の減少等、そうだよねーとごもっともなハナシ。 一方、交通の便があまりよろしくないトコロにもノコノコ出かけていく自分(スケジュールの自由度優先からほぼ自走)。好んでそういう場所を選んでいる訳ではありませんが、見たいモノやコトがあればスルー出来ません。 そして「こんなトコロもう来ないだろうな」と思った場所に限って、意外と再び訪れるという妙な法則があるような、ないような。 今回は九州の大きな島にあ

      • ピンズと鈴鹿8耐:CBR1000RR-R ホンダウェルカムプラザ青山【ファクトリーマシンのトビラ】 東京都港区

        2025年の春には建て替えが発表されているホンダの青山本社。1Fにはファンのためのギャラリー、ホンダウェルカムプラザ青山(ホンダ青山)が併設されていますが、数々の恒例イベントもカウントダウン状態の今日この頃。 7月の華は鈴鹿8時間耐久ロードレース。いつからか青山で中継イベントが開催されています。以前は当日配布されていたピンズ目当てに足を運んでいましたが、8時間も応援するのはさすがにツライ。2025年春以降のホンダ青山の予定は未発表ですが、現時点では今年が最後になる可能性も。

        • 大名ではない方の鍋島さんのお宅と戦国大名終焉の地:神代鍋島邸と沖田畷 【お宅訪問4】長崎県雲仙市・島原市

          江戸時代以前の武家の継承では、長幼の序とか生母の身分が絡むハナシを時々目にします。長子だけれども嫡子ではなく庶兄と呼ばれ、宗家から分家した成立直後は、ややアンタッチャブルな存在。 例えば足利将軍家における吉良家や斯波家。また徳川将軍家における越前松平家です(世代が変わっていくとフツーに家臣化していますが)。 佐賀鍋島家にもそんな家があって、しかも領地は飛び地。その領主の館を中心とした集落全体が、今も江戸時代の雰囲気を色濃く残しています。観光地化へとシフトするわけでもなく、典型

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        地域別インデックス【全国版】

        • キリシタンの島のお城と磁器 富岡城・高浜焼:上田家庄屋屋敷 熊本県苓北町・天草市

        • ピンズと鈴鹿8耐:CBR1000RR-R ホンダウェルカムプラザ青山【ファクトリーマシンのトビラ】 東京都港区

        • 大名ではない方の鍋島さんのお宅と戦国大名終焉の地:神代鍋島邸と沖田畷 【お宅訪問4】長崎県雲仙市・島原市

          龍造寺から鍋島35万石へ 佐賀城 高伝寺 徴古館 佐賀県佐賀市

          江戸時代の九州には国主クラスの大名が数家ありましたが、九州の地生えは薩摩島津と肥前鍋島の2家。どちらも明治維新の主要キャストです。共通するのは交易を通して海外の知見をいち早く取り入れていた点。現代では福岡あたりがアジアの玄関口をアピール(博多は古くからの大陸系の窓口)。 またキリスト教伝来は九州が起点ですが、受け入れた大名家たち(豊後大友や肥前大村や有馬)とは違って、島津と鍋島(龍造寺)はキリスト教には消極的だった点も同じです。 今回は主家から権力移譲され大名化した珍しい成り

          龍造寺から鍋島35万石へ 佐賀城 高伝寺 徴古館 佐賀県佐賀市

          ソフトパワーで城主の座についたさんじゅーろー 備中松山城 頼久寺 岡山県高梁市

          日本の各地にある多くのお城。なかでも現存天守と呼ばれる江戸期以前に建てられた天守を擁するお城は全国に12城、いずれも国宝か重要文化財指定です。お城好きが最初に目指すべき分かりやすい目標。 国宝の姫路、松本、松江、彦根、犬山の5城(市の人口数順)は知名度も充分でしょう。そして重要文化財は松山、高知、弘前、丸亀、丸岡、宇和島、備中松山の7城。丸岡と備中松山は、城名と所在地の市名が違うので知名度にはややキビシイかもしれません(ドコそれ的な)。ちなみに丸岡城は福井県坂井市にあるお仙泣

          ソフトパワーで城主の座についたさんじゅーろー 備中松山城 頼久寺 岡山県高梁市

          坂の途中の邸宅 ヨドコウ迎賓館:旧山邑邸 フランク・ロイド・ライト【お宅訪問3】 兵庫県芦屋市

          兵庫県芦屋市を中心とする六甲山系の山裾あたりには、実業家系の魅力的なミュージアムがいくつかあります。例えば、 ・香雪美術館(神戸市東灘区):朝日新聞創業者村山龍平 ・白鶴美術館(神戸市東灘区):白鶴酒造7代加納治兵衛 ・滴翠美術館(芦屋市):山口財閥4代山口吉郎兵衛 ・黒川古文化研究所(西宮市):黒川証券創業家2代黒川幸七 このあたりの適度な高台(山手幹線の北側)エリアには、富裕層の邸宅が多く、上記の中には自らの邸宅をミュージアム化したトコロも。 今回の主役も実業家の元別

          坂の途中の邸宅 ヨドコウ迎賓館:旧山邑邸 フランク・ロイド・ライト【お宅訪問3】 兵庫県芦屋市

          百万石の御隠居 前田利長菩提寺 瑞龍寺 【前田家のトビラ2】富山県高岡市

          前回の主役は東京の旧前田侯爵邸のご主人前田利為さん。江戸時代の前田家は加賀・能登・越中の3ヶ国が領国。現在の自治体では石川県と富山県。その中心はご存じ金沢ですが、お殿様の隠居地として富山の高岡や石川の小松にもお城がありました。お屋敷ではなくお城です! なんとも贅沢! 前田家関連の場所へ足を運んでいると、石川県と富山県の境は割とあやふやになります。現地の方々と話していてココは富山かと気がつくのはしばしばです。今回はそんなエリアの2022年の記録です。 ご存じのように2024年

          百万石の御隠居 前田利長菩提寺 瑞龍寺 【前田家のトビラ2】富山県高岡市

          地域別インデックス【東京編】

          初めてお越しの方、はじめまして。 時々覗いてくださる方々、ありがとうございます。 さらに足跡まで残してくださる方々、心から感謝申し上げます。 話題の場所もひっそりのトコロも、日本各地のミュージアム(広い意味で)を網羅的に記録しております。 ややヘンタイ的な視点は自覚しておりますが、ご意見等いただければありがたく存じます。 ネタがアチコチに飛んでしまうので、地域別の索引にしています(地域バランスも多少意識)。さらに東京の記事が増えてきたので独立させました。 歴史と地域の文

          地域別インデックス【東京編】

          百万石の豪邸にお邪魔します 旧前田家本邸【お宅訪問2】【前田家のトビラ】東京都目黒区

          フランソワ・ポンポンによって開かれたトビラは、加賀100万石の前田家に通じる入口でした。今までいろいろと前田家関連のミュージアムに足を運びましたが、群馬で明治維新以降の当主にたどり着いた不思議。そして展示は終了していたという残念な事実。ビミョーな気分ではあるけれど、めげずにせっせと掘り起こすべく前田さんのお宅にお邪魔します。 パリでポンポンさんのアトリエへ訪問してまで購入したシロクマやバンは、彼の豪邸を飾るためだったと思われます(違っていたらスミマセン)。 その人の名は前田

          百万石の豪邸にお邪魔します 旧前田家本邸【お宅訪問2】【前田家のトビラ】東京都目黒区

          入口はポンポン 群馬県立館林美術館【高橋 靗一】群馬県館林市

          群馬県には県立美術館が2館あります。1つは県中部の高崎市に1974年に開館した群馬県近代美術館。もう1つが県東部に2001年に開館した群馬県立館林美術館。正直素人にはどういう住み分けなのかが分かりません(笑) 地域文化の違いやら何か特別な理由があったのでしょうか? 初めての館林美術館へは、理由があって足を運んだわけではありませんが、妙に気になる彫刻に出会い、そこから思いもよらない展開となりました。 群馬県の人口分布は、中部にあるオーバー30万人都市の前橋市と高崎市のツート

          入口はポンポン 群馬県立館林美術館【高橋 靗一】群馬県館林市

          覇王と対峙した法主 築地本願寺【伊東忠太3】東京都中央区

          前回までの上杉神社、武田神社からお寺へという流れ。キーパーソンは伊東忠太。今回は日本で最多の信者を擁する浄土真宗のお寺です。トラディショナルな神社から石造りのお寺へとデザインの文脈は全く異なります。ちなみに信長の野望プレイヤーにとっては、一向宗徒(浄土真宗系)はとてもメンドーな集団。自領内での彼らの蜂起は即リセットの対象です。 浄土真宗系のお寺建築といえば、西本願寺か東本願寺が王道でしょうか。とはいえ本願寺派の他にもいくつかの派閥があって、そのヒエラルキーが門外漢には理解し

          覇王と対峙した法主 築地本願寺【伊東忠太3】東京都中央区

          龍と虎 武田氏館跡【武田神社:伊東忠太2】 山梨県甲府市

          前回は米沢の上杉家のお話でしたが、上杉神社の神様となった越後の龍こと上杉謙信の地元は、越後春日山(新潟県上越市)。次世代が奥羽に移封されてしまったので、越後に残る上杉氏(長尾氏)の足跡は限られています。 一方、龍の好敵手筆頭は、甲斐の虎こと武田信玄。信玄が信濃に進出したことにより、春日山城を圧迫されるコトになった謙信にとってはとってもメーワクなヤツでしかありません。でも甲斐の国においては、武田家滅亡後もなぜか我らが殿さまは武田家。視点を変えるとそのヒトやモノの価値が変わるコト

          龍と虎 武田氏館跡【武田神社:伊東忠太2】 山梨県甲府市

          伊達から上杉へ 米沢城跡と上杉神社【伊東忠太1】 山形県米沢市

          長いこと西日本をベースにしていた自分にとって、文字通り未開の地だった東北。ちょっと昔の話になりますが、初めてその地に踏み入ったのが山形県の米沢。翌日は福島まで戻って仙台へ。戦国時代に興味を持つ人にとっては、避けて通るコトのできない鉄板エリア(多分)。 あちこちでよく分からない呪文のような言葉をかけられ、お土産屋に貼られた方言番付で呪文「おしょうしな」の意味を知った米沢。鉄道車両はボタンを押してドアの開閉をするコトを知ったのも米沢(雪国では常識?)。 おしょうしな米沢。 以降

          伊達から上杉へ 米沢城跡と上杉神社【伊東忠太1】 山形県米沢市

          とめととよまとだて 登米懐古館:隈研吾【伊達家のトビラ3】 宮城県登米市

          日本各地にある難読の地名。例えば由布院は大分県にある有名な温泉地ですが、その隣町はアフリカンサファリやワインで知られる安心院です。 「あんしんいん」ではなく「あじむ」。地元の人なら多分読めますが、書けるかどうかは・・・? 宮城に登米という地名があります。かつての登米郡登米町から現在は登米市登米。読みは「とめぐんとよままち」から「とめしとよま」! 以前に仕事でご一緒した方で一関出身(登米市の隣)の人がいて、「とよまに行った事がありますよ」と言ったら、「アレッ、とめじゃない?」と

          とめととよまとだて 登米懐古館:隈研吾【伊達家のトビラ3】 宮城県登米市

          百花繚乱リターンズ:皇室のみやび 三の丸尚蔵館【皇居:旧江戸城】 東京都千代田区

          以前都内の某ホテルに勤めていた頃、高齢のお客さんから「キュージョーまでタクシーをお願いします」と言われました。よく聞き取れなかったので聞き直すと「キュージョーです」と。「後楽園ですか?」と確認すると「あー皇居です」とのお返事。あとで先輩に確認すると、皇居で叙勲を受ける人はそういう呼び方をすると初めて知ります。確かに礼服をお召し。 宮城は、みやぎではなく戦前の皇居の呼称。そのホテルでの担当部署はワンオペかつ一人OJT(マニュアルなし)だったので、こういうケースは多々ありました。

          百花繚乱リターンズ:皇室のみやび 三の丸尚蔵館【皇居:旧江戸城】 東京都千代田区