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その施策、あなたが楽になりたいだけでは?

世の中には流行り言葉が溢れています。人事領域も同じです。

今はコロナの影響もあり、エンゲージメント、ストレスチェック、1on1、成果主義あたりでしょうか笑 

それ以外にもティール組織やOKR、データドリブン人事・・・常に新しいバズワードが出てきては半年後くらいで消え、そろそろ疲れました笑

人事関連の書籍やセミナー内容には、斬新な何かが隠されているのでは!?と思ってしまうような素敵なフレーズが散りばめられています。中身は普遍的なことだったりするのに・・・。まあ、そういう自分は気になって全部に手を出すのですが笑

例えば今、コロナの影響でテレワークへ移行する企業が増え、それに伴い「我が社も成果主義へ移行だ!」と部下に指示する経営者、「よし、今が変革期だ!」と意気込む人事が増えていると聞きます。

ちょっと落ち着きましょうか。

その施策、あなたが楽になりたいだけでは?

確かにコロナの影響を受けたテレワークへの移行により、これまでのように上司が部下の仕事ぶりを目視する事が難しくなります。

明確な目標を部下と握って成果で評価する。そうすれば働く時間に依存せず多様な働き方をしながらも、成果さえ出せば評価される組織に進化できる。

そのロジックは理解できます。

でもそれは以下の質問に対する答えを議論した上で導き出された答えでしょうか。

①そもそも、あなたの会社の経営課題は?
②それを生み出している組織の課題は何か?
③その組織課題を解決するための最善の策がその策か?

成果主義はうまく機能すれば組織パフォーマンス及び業績を飛躍的に高める起爆剤になる可能性はあります。

一方、あなたの会社の歴史、社風、社員特性、ビジネスモデルと事業スパンを踏まえ、本当に成果主義が機能する組織ですか? 何を変えるべきで、何は変えないべきか明確ですか?

人事や組織に関する問題は多岐に渡りますが、ほとんどのケースが「上司と部下との間のコミュニケーションの問題」に起因します。

そもそもコミュニケーションがない、上司が部下に関心がない、部下が上司に愛想を尽かしている、部下が上司の苦労を把握せず否定ばかりしている・・・などなど挙げればキリがありません。(辛い・・・)

だからこそ仕事の成果に重きを置いて評価すれば納得感が高まるはず。

一見正しいようで重要な視点が抜けています。

質の高い目標設定が上司と部下との間でできること、上司が部下に関心を持ち適切に状況把握できること、この2つが整っている前提になっているということです。

もしこの2つが本当にできれば、実は評価制度がどうであれ部下のやりがいは高まり、組織のパフォーマンスが上がるはずです。

なぜか。

それは私を含め、人は誰しも認められたい生き物だからです。

口では「成果さえ見てくれればいいもん!」という人はいます。でもそういう人ほど言葉の裏にある感情は逆だったりします。

認められたい、活躍したい、誰かと繋がっていたい・・・誰しもがそう思いますよね。私だって笑

人の本質は変わらない


ただ、現実には組織運営はそう上手くいきません。組織の目標達成より自分の承認欲求や出世の方が重要な人、他人を押しのけて自分だけが目立てばいい人、色んな人がいます。

「なぜそのような状態になってしまうのか」という問いに正面から向き合わず、表面的な問題だけを取り上げ制度を変えても機能しません。

・制度を変える前に社員を「数」として見るのではなく、
 「一人の人間」として向き合えているか。
・上司は部下の状況を把握しようとしているか、
 そのためのコミュニケーションを取れているか?

人は「自分はここに居ていいんだ」「認めてくれている」と思れば、それだけで頑張れるものです。そして安心して、見栄を貼らずに目標に集中できるようになります。

本質的な問題から目を背け、成果だけを評価する仕組みに変えることは実はとても残酷なことであり、優秀で熱意のある人材が流出しかねません。

だからこそ、

・この施策は誰のためなのか?
・本当に根本的な課題解決に繋がるのか?
・事業の加速に寄与するか?

について逃げずに徹底的に考える必要があるのではないでしょうか。

自戒の念を込めて言えば、それをしないのは手抜きです。
人事が「人を想う」のではなく「ひとごと」に変わってしまう瞬間です。

だからこそ必要な人事同士の交流の場

とまあ何を偉そうに・・・と思いますよね笑 
私ができているかと言えば、まだまだだと思います。言うは易し行うは難しとはこの事ですね笑

機密情報も持ち合わせ、経営と現場との間で板挟みに合い、それでも公平性を担保しつつ、できて当たり前の仕事を求められる、人事って孤独・・・。

でも、事業規模やビジネスモデルが違っても人の本質が同じとすれば、人事が抱える悩みも同じ。

そうであれば会社の垣根を超えて人事同士が集まり、切磋琢磨し合える環境があれば、まず私たち人事が「自分には価値があるんだ」「まだ自分もできるかもしれない」と自信を持てるのではないでしょうか。

そしてたくさんの人との議論を経て、人事としてのの軸が形成され、世の流行り廃りに影響されないブレない人事になれるはず。

CANTERAはそんなコミュニティであり続けたいと考えています。


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