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#89【カープ戦記:7月16日(土)】1イニング9得点の超ビッグイニング!|長野 久義:8年ぶり満塁ホームラン!<夏男・長野>は止まる気配ナシ!

【概要】

  • チーム:11得点の大勝で2位浮上

  • チーム:3回に打者13人の猛攻 → 9安打9得点

  • チーム:3回に9者連続得点を記録(1972年以来)

  • 長野 久義:10年ぶり2打席連発&8年ぶり満塁弾

  • 森下 暢仁:連続無失点が21イニングで途切れる

【結果】


〈先発投手・対戦成績〉

〈スタメン〉

〈スコア〉


〈打者成績〉


〈投手成績〉




〈その他成績〉




【見所】

<3回表>1イニング9得点の超ビッグイニング!

いやー、すんごい()

これぐらい打ちまくっちゃうと、冗長な文章を打つことに定評がある僕も語彙がスッと出て来なくなって「繋がりましたね~!」としか言えなくなってしまう()

特に。

長野の満塁ホームランで大盛り上がりした後、また連打でチャンスメイクして、森下がキッチリ送りバントを決めて、菊池がランナーを綺麗に返したってところ。

「これ返しちゃいますか~!」って、嬉しさよりも驚きが勝っちゃって、笑顔よりも、苦笑い、引きつった感じの笑みになっちゃったのは、良く覚えている()

そんな猛攻ショー、年に数試合有るか無いかの超ビッグイニングを、かいつまんで、振り返っていきましょう。

1人1人、こまめに振り返ってると、キリないんでね()
5点ぐらいのビッグイニングだったらそうしたかもしれないけど()
打ち過ぎなんだよ、カープ打線()

<菊池 涼介:三塁方向に絶妙なバントヒットを決める>

無死一二塁(森下:ヒット → 野間:ヒット)

まずこの場面だね。

作戦としては「送りバントを決めて一死二三塁」のカタチを作りたかったんだと思うけど、良い所に転がって、サード内野安打になった。

僕は、菊池といえば、セカンドランナーが投手の森下だったので「上手く決まると良いな~」と軽くお祈りしながら見守っていたのだけど、想定外のバントヒットで思わず小躍り()

前、小園もあったね、バントヒット。
あの時も、確か、こんな場面だった。
ヒットになって、ノーアウト満塁。

割と短い期間で2本も続くと「また次もバントヒット決まるんじゃない?」って、佐々岡監督が変な期待を抱いちゃうかもしれないから、ほどほどにしとかんとな()

そんな戯言は置いといて。

僕のピントのズレた思考を遮るように、解説の阿波野秀幸さんが、理知的な指摘をして下さった。

「ピッチャーのアンドリースは投げ終わった後に一塁方向に傾く投球フォームなので、その特徴も押さえた上で、バント処理をするべき場面でしたね」

あ、確かに・・・。

言われてみればそうだ。

バントは、三塁方向、ピッチャーとサードの間ぐらいに転がった。
譲り合い、というほど無駄があったわけではなかったけど、結果的には、一塁セーフになるタイミングとなった。

その2つから察するに「岡本はピッチャーが処理すると思って即座にダッシュをかけなかった」ことが言えるのではないだろうか?

バントの打球も、ピッチャー寄りだったのかな。
ソコをちょっと、じっくり見たわけではないので、憶測込みだけど・・・。たぶん、プレー内容的に、そうだったんだと思う(汗)

だけど、アンドリースは、一塁方向に傾く癖がある。
ゆえに、投げ終わった後、瞬時に守備の動作に入れない。
そこで「空白の時間」が少し生まれたことで、バントヒットとなった。

そういうことを阿波野さんは伝えてくれたんじゃないかと受け取った。

的確な解説に「あ~なるほど」と感心したのだけど、それ以降も、事あるごとに「腑に落ちるワンポイントアドバイス」が光る解説だった。

阿波野さんの解説、僕は聞いた覚えがほとんどないのだけど、凄くタメになる「THE・解説者」というような、口ぶりだった。

勝手なイメージだけど「NHKの野球中継向き」だと思った()

今後、阿波野さんが解説だったら「今日は当たりだわ!」と思うようにしますね(^^)

<坂倉 将吾:アンドリースから戸根にスイッチ → 出会い頭デッドボール>

無死二三塁( 秋山:タイムリー → マクブルーム:タイムリー2ベース)

菊池のバントヒットでノーアウト満塁になった後、頼れる3番と4番の連続タイムリーが生まれて、アンドリースは2回持たずKO。

代わって登板した戸根が、坂倉にデッドボールを与えてしまう。

押せ押せムードの中で出て来て一人目にデッドボール

これで、ノーアウト満塁。

阿波野さんも「嫌な感じがしますね」とコメントされていたので、僕も同調して「確かに僕がピッチャーだったら最悪ですね」と脳内返信しておいた。

阿波野さんのイエスマンじゃないですよ?

僕の見立てとしては、このデッドボールによって、次打者に、試合の行方を決定づけるような一発を打たれたんじゃないかと、思っている。

<長野 久義:満塁ホームランを決めて「8-0」と一気に突き放す>

無死満塁(坂倉がデッドボールを受けた直後)

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

まさか2日連続で「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」を使うことになるとは。

カープ打線、いったいどうした・・・。
いいぞ、もっとやれ・・・。

いやあもう「驚天動地」って四字熟語は、こういう時のために存在していたんだなって、合点が行きましたよね。

昨日の磯村、今日の長野でハッキリ分かったけど、満塁ホームランって「ここで満塁ホームラン打ってくれ!」と思った日に、出ないんだろうね()

昨日の磯村に対しては

「長野が何とか後ろに繋いでくれた・・・」
「磯村、ここで何とか、一本・・・」

※磯村に期待する前に「良い代打は居ないのか?」と控えを確認した模様。

今日の長野に対しては

「デッドボールの後、ノーアウト満塁・・・」
「外角に目付けをして・・・」
「長野はアウトコース上手く打つバッターだからね・・・」

まあ確かこんな感じ()

少なくとも「ここで一発ド派手にホームラン!」とは思ってなかった。

で。

ホームランを打った中身の話に入りたいんだけどね。
中継見てて「あっ!」ってなった瞬間があるんだよ。
僕意外にも居たんじゃないかなって思ってるんだけど。

満塁ホームランを放った後、色んな角度でリプレイ映像が流れたんだけど、その中の一つ、ピッチャーの目線からうつしたカメラの映像を見た時に「あっ!」ってなったんだよね。

インコース要求のストレートが逆球になってアウトコースに行った。
ちょうど長野の得意ゾーンに来て、一振りで完璧に仕留めた。

ココまでは、良い。

その「逆球になった」一部始終が、ピッチャーの目線からだと、ハッキリと読み取れたんだよ。

いわゆる「シュート回転」して曲がって行ったボールだった。

※「シュート回転」について分かりやすい解説記事はコチラ

戸根を晒し上げる気は全くないんだけど「ストレートがシュート回転してしまう」見本映像として、提供しても良いんじゃないかっていう。

それぐらい、綺麗なシュート回転でした。
「綺麗なシュート回転ってなんだよ」って話なんだけど。

結果的に逆球になったわけだけど「コースに投げ切れなかった」というよりも「ストレートを投げ切れなかった」って感じだったんだよね。

投げた瞬間は、インコース、大城が構えたミット付近に、ボールは行っていたと思うんだ。

これ、僕としては、何気に「凄いな」と感じる部分で。
「どっちでも良くね?」って感じる人も多いんだろうけど。

だってさ、先発が早々にKOされて、おそらく急ピッチで仕上げてマウンドに上がって、よーいドンでデッドボールを当てて、ノーアウト満塁の大ピンチを迎えるわけだよ?

で、バッターは、当時、同じチームでプレーしていた先輩、長野久義さん。

こんなシチュエーション、僕だったら、投げ切れる自信が全くない。

「僕だったら」って前提条件を付けるのがそもそも間違いなんじゃないか、という異論は受け付けます。

まあ、そういう状況下に置かれたわけだ。
そんな中で、インコースを果敢に攻めることが出来た。
ソコに戸根の良さ、持ち前の「負けん気の強さ」を感じたよね。

しかし。

内角目掛けて投げることは出来たんだけど、無情にも、ボールはシュートしていった。
内角から、真ん中、アウトコース付近へと、横滑りしていった。

そのボールを、長野は、見逃してはくれなかったわけだ。

良く「シュート回転とシュートボールって何が違うんだろう?」って、野球ファンの間で話題になったりするけど。

今回の映像、シュート回転して外に流れて行く一部始終を見て、僕の中で、明確な答えが見つかった気がする。

おそらく、動き始めが速いんだ。

意図して変化させたシュートと比べると、シュート回転は、投げてスグぐらいで、横に曲がって行ってしまうんじゃないかな。

打者の手元で「ククッ!」って横にスライドするからこそ、バットの芯を外す、厄介なボールになったりするわけで。

スーッて曲がって行く軌道が分かれば、プロのバッターからしたら「打ち頃の球」になるんじゃないかな、やっぱり。

うん。

映像を見ての感想に過ぎないけど、僕の中では腑に落ちたわ。
ピッチャーからのカメラ、有能だわ。
色んな角度から野球中継を見るのは面白そうだなと、改めて思った。

日テレジータスさんは、そういうところに力を入れている印象があるので、今後も頑張ってもらいたいところですね(^^)

トラックマンの話は聞いてるだけで頭が痛くなるぐらい数字に弱いので、僕はもっと、数字に強くならないとな・・・。

あっ、そうそう。

「長野は暑くなってきたらホントに元気だな~!」って声を良く聞くようになったなと思っていたら、痒い所に手が届く記事がUPされていたので、ついでに紹介。

広島の長野久義外野手(37)が、8年ぶりの満塁弾で10年ぶりの2打席連発を決め、2カ月ぶりの2位浮上を導いた。

長野は「夏男」とも称される。16日現在のプロ13年間の通算打率は282厘だが、68月の「夏」に限ると296厘に上昇する。さらに68月の東京ドーム通算成績は32分まで跳ね上がる。得意の夏に加え、勝手知ったるかつての本拠地東京ドーム。好条件がそろった長野は手がつけられない。

・通算打率(全ての月):2割8分2厘
・通算打率(6~8月):2割9分6厘
・通算打率(6~8月):3割2分  ※東京ドーム

へえ~。

僕の感想としては「夏にドカン!って成績を爆上げするほど変動するわけじゃないんだな」と思ってしまった()

通算だと、打率1分上がるってのは、かなり大きな変化なんだろうか。
そこらへんの感覚が鈍いので、ちょっと掴みにくい()

裏を返せば「通算打率2割8分って高くね?」といったところ。

やっぱり、バットマンなんだよな。
実績豊富なベテラン選手なんだよなって、改めて認識。
巨人時代は「サカチョーコンビ」とか呼ばれていたもんな。

そんな選手が、カープのユニフォームを着て、名誉生え抜き選手のような振る舞いで、チームを鼓舞してくれていることに、改めて感謝です(^^)

<菊池 涼介:ダメ押しの2点タイムリーツーベース>

長野の満塁ホームランに際して文章をつらつらと綴ってきたが、3回表の猛攻は、まだ続きます()

だって「超ビッグイニング」ですから!

二死二三塁(小園&アツ:連打 → 森下:バント → 野間:ファウルフライ)

ホームランでランナーを一掃して「序盤で8点差か・・・」と両チームのファンが感じてたんじゃないかと思うが、カープ打線は、攻撃の手を緩めることを知らなかったらしい。

依然ノーアウトということもあっただろう。

小園とアツの下位打線でヒットを繋いで、森下がキッチリとバントを決めて、得点圏にランナーを二人置いた状態で、上位打線に戻って来た。

1番の野間はファウルフライに倒れるが、菊池が、やってくれました。

配球チャートを見てもらったら分かるように、アウトローの難しいボールを、技有りの一打で、うま~くヒットゾーンに運んでくれた。

こういう時って、もう「試合の流れ」としか、言いようがないんじゃないかと、僕は思っていて。

戸根はね、僕が見ている限りは、それほど悪いピッチングをしているようには見えなかったの。

だけど、カープ打線が、あれよあれよと打ってしまう。
これはもう「勢いの差」以外の何物でもないんじゃないかなって。
そんなことを思いながら、試合を眺めていたわけだ。

しかし。

ココでまたしても、解説の阿波野さんが「戸根はなぜ打たれてしまうのか?」について、補足説明を加えてくれた。

「戸根投手、数値や数字を見る限りは、それほど悪くないんですよ」
「だけど『単調に投げている』から打たれてしまってるんですよね」
※数値や数字:ボールの回転数や球速などを指している

あぁなるほど、投球リズムが一定だったか・・・。

その指摘を受けた上で戸根を眺めていると、良く分かった。

「ボールを投げる → ボールを貰う → ボールを投げる」

言葉は悪いが「流れ作業」のようにボールを投げ込んでいるように見えた。
投球の間合いが一定だからこそ、バッターもタイミングが取りやすくなる。
ゆえに、少しでも甘くなると、カーンと打たれる確率が高まってしまう。

だから「それほど悪いようには見えないのに、ヒットがポンポンと続いていくなあ・・・」という感想を、僕は抱いていたのか。

アンドリースの投げ終わりの動作も、戸根の投球リズムも、言われてみれば単純なことではあるんだけど、リアルタイムで観戦していると、案外と、気付けないものだな。

それを言葉に出して丁寧に教えてくれる阿波野さん。
人柄の良さが滲み出ている。好き。

「戸根投手には『目で見えない部分』に対する意識をもっと高めて行ってもらいたいですね」というエールも欠かさなかった。

やっぱり、良い人だ・・・。

このイニング、カープ打線もアッパレだったが、阿波野さんも、アッパレでした(^^)

<7回裏>(巨人)11点ビハインドから4点返し一矢報いる

序盤戦で「11-0」という大差を付けて、早々に「勝負アリ」と思わせるような試合展開になったわけだが、中盤以降は、膠着(こうちゃく)状態に入った。

1軍初登板、フレッシュな井上に対して、カープ打線は、無得点に抑えられていたからだ。

嫌な予感・・・と言えば大袈裟ではあるけれど「ポンポンっと試合が進んでいくなあ」と思っていた矢先。

7回裏、3番、先頭バッターの丸にソロホームランを打たれる。
これによって、森下の連続無失点イニングが、21でストップした。

そこから、試合は「もうひと波乱起こしてやろうか?」みたいな様相を呈することになる・・・。

4番の岡本から1番の増田陸まで「4安打1四球」と繋がれて、一挙4失点を喫してしまう。

この場面は、3回の超ビッグイニングとは逆の立場になった気がした。
「どこに投げても打たれそうだ」という心持ちになっていた。
もしかすると、投げている森下自身も、そうだったかもしれない。

「連続無失点イニング」を伸ばそうとやってるわけではなかったと思うのだけど、記録って、周りに騒がれ出すと、否が応でも、気になるんじゃないかなって。

で、丸のソロホームランって、ライナー性の当たりだったんだよ。
最初打たれた時は「フェンス直撃かな」みたいな飛び方をしていて。
それがそのまま、勢いを殺すことなく、スタンドに突き刺さった。

打たれた直後の森下の顔が映し出されていたけど、悔しさというよりも、驚きに近い表情に、僕は見えたんだよね。

「あぁ、連続無失点イニングが途切れたか」

ソコに対して、強いこだわりを持っていたとは感じなかったんだけど。
記録が止まったことで、エンジンのかかり具合が鈍くなる。
そういうのは、人間、あるんじゃないかと思っている。

いわゆる「反動」みたいなものが、このイニングには出たのかなと。

佐々岡監督も、大量点差が付いている状況ではあったが、厳しい表情。
現役時代は一流のピッチャーとして鳴らしていただけに、思うところがあったのかもしれない。

7点差という状況で、勝ちパターンのピッチャー、拓也(矢崎)をマウンドに送り出した。
「試合の流れを止めてくれ」という想いも込めての継投策だと受け取った。

そっから、ジックリと見て行こう。

「7点リード・二死一二塁」という状況でマウンドに上がって、一人目のバッター、2番の岸田に対して、ストレートのフォアボール。

これで「二死満塁」という状況で、先ほどホームランを打ったバッター、丸を迎えることとなった。

解説の山本浩二さんは「こういう場面で出て来てストレートのフォアボールを与えるのが、僕は一番怖いんですよ・・・」と、試合の行く末を憂いた。

そりゃそうだ。
全カープファンが、うんうんと、頷きの相槌を打ったことだろう。
テレビ越しに。

そんなことを考えている間に、丸がバッターボックスにやってきた。

結果は・・・。

「あぶね~~~~~~!」

全カープファンは、キャッチャーファウルフライに打ち取って、無事、ボールがグラブにおさまったのを確認して、安堵のため息をついたことだろう。

で。

僕がココで取り上げたいのは、ファーストストライクの部分なんだ。
初球、これでもかってぐらいのフルスイングを魅せて来た。
そんな丸の姿が、強烈に、印象に残った。だから、深掘りしていきたい。

さっき書いたように、拓也は、登板してスグ、フォアボールを与えた。
それも、ストレートのフォアボールだった。

それも、岸田に対して。
後ろの中軸、丸、岡本、ポランコ、中田翔・・・と続くラインナップと見比べた時に「ココで切っておきたい」と思うような相手に対して。

僕は「初球、気を付けないとな」と思いながら戦況を見つめていた。
そうしたら、なかなか見ないレベルのマン振りで、思い切り振って来た。
思わず「ドキッ!」としてしまったわけだ。

コージさんもおっしゃられていたが「ストレート一本待ち」で、正々堂々、フルスイングを仕掛けてきたんじゃないかと思われる。

もしも、初球、カウントを取りに行くようなボール、甘く入っていれば、完璧に捉えられて、満塁ホームランを浴びていたかもしれない。

コースを、狙っていたのかいなかったのか、インローに突き刺すようなボールが投げていって、空振りを奪うことが出来たので、なんとか命拾いした。

もし打たれていたとしたら、一気に3点差にまで追い付かれる状況だったので、肝を冷やした。

もしかすると、今年一年の中で、一番、肝を冷やした体験だったかもしれない。
それぐらい、凄いスイングだったんだ。
あんまり「一発狙いのバッティング」をするイメージも無い選手なので、なおさら、ビビったな。

とにもかくにも。

先頭バッターにストライクが入らなかったのを見た時は「野球ってホント何が起きるか分からんよね・・・」と苦笑いを浮かべたわけだが、4点のまま、帰ってきてくれて助かった。

「ビッグイニング」を「超ビッグイニング」にしてしまわなかったことで、8回と9回はゼロを並べて、無事、勝利することが出来た。

ただし、7点差を付けた感覚もなければ、大勝した感覚もない。
それもこれも「終盤に追い上げられた」のが原因なんだろうと思う。

「【着眼】」では、そういうところに触れながら、文字を綴っていきたい。

【着眼】

<5回表~9回表>大量リードした後は0行進が続く

改めてスコアを確認してみると、序盤に大量得点を挙げて以降は、ゼロが並んでいるのが見て取れる。

要するに「中押し・ダメ押し」をすることが出来なかった。

「11得点も挙げてるのに打線に文句言っちゃダメよ~」なんて声が聞こえてきそうな気もするのだが、まあ、続けさせてくれ。

大丈夫、辛辣なことは、基本、書かないタイプだから。
良く言えば楽天家、悪く言えば能天気、そんな人間なので()

ゼロが並んだ要因は「フレッシュな井上投手に勢いを削がれた」のが大きかったと、僕は思っている。

3イニングを無失点に抑えられたことで、後を繋いだ鍬原に対しても、2イニングを無失点に抑えられたんじゃないかなって。

これが2人の投球内容。

井上投手は初見だったけど、良かったね。

やっぱり1イニング目は、表情を見ても、ボールを見ても、緊張感が伝わってきたけども、2イニング目と3イニング目は、落ち着いて投げられていたしね。

マウンドに上がって、最初のバッターが投手の森下でさ。
3球投げてスリーボールになったもんで「おやおや・・・」と両チームのファンは思った気がするんだけど()

僕はついつい「ピッチャー増田大輝もあるかな?」なんて感じてしまったが、そんなことはなく。3イニング。ピシャリと抑えられましたね。

阿波野さんもコージさんも「投球フォームが良い」と褒められていたけど、確かに、打線全体、タイミングが合っていなさそうなスイングをしていた。

データがあまり無いであろうことも影響していたとは思うけど、それだけでなく、良いモノを持っているのだろう。だから一軍に上がってきたんだろうしね。

ストレート、スライダー、カーブ。
この3球種を主に投げ分けてくるピッチャー。

球種としてはオーソドックスなタイプだけど、打てそうで打てない、そんなピッチャーに成長されると、将来、厄介な相手になるかもしれないね。

カープの打者成績はこんな感じ。

「1~4回」と「5~9回」の違いが一目でわかりますね()

ていうか、打者一巡すると、一つの枠に、2個、成績が載るんだね。
普段、この画面見ないもので、初めて知ったわ。
教えてくれてありがとう、3回の超ビッグイニングさん()

で。

「中押し・ダメ押しがないとガッと点差詰め寄られるのは『野球あるある』だよな~」と思っていたら、ふと気になったことが。

(そういや、カープ、9点差付けて逆転された試合あったよな・・・)

負の記憶がよみがえってきて、よせばいいのに、調べてしまった。
おあつらえ向きの記事タイトルが目に入った。
僕は、無意識のうちに、その記事をタップしていた。

Oh・・・。

この試合、覚えてる。
ていうか、忘れられない。
そっちの方が、心情的には、合ってる。

福永はね、徳島インディゴソックスの時代から、気になってて。
確か「Number Web」だったかな。
何かの記事で取り上げられていたんだよね、アマチュア時代に。

「Full-Count」さんでした。

ちょっと長めの記事なので、抜粋は割愛。
今回の主題とも逸れるし()

簡単にまとめると、紆余曲折ある野球人生で、野球にカムバックして、ドラフト候補の選手になっていく過程が、書かれている。

「今年自分がここまでしっかりやれているのは、やっぱり去年(ドラフトに)掛からんかったからだと思います。悔しかったです。特に、冬の34か月をしっかり頑張れたのは、指名されなかったから。(ドラフト会議の当日)球団事務所でみんなで待っていて、掛かった人と掛からんかった人との温度差っていうのは……。いや、もう体験したくないですね。あれだけきっついことはない。やっぱり指名された人を自分も喜んで上げたいけど、悔しい部分が大きすぎて……。その経験が今年は生きているのかなって」

ココだけ引用させてもらいました。
なんか、応援したくなる感じ、ありませんか。
僕はこういうのに弱いんで「指名されたら応援するぜ!」と思ってて。

なので、この試合は、二重で忘れられない()

話を戻します。

「9点差を追いつかれて逆転負け」という悪夢のような試合を振り返ってみると、やはり「スコア」が気になった。

5回表まで「広島9-0阪神」と一方的な展開。

しかし、5回裏から8回裏まで「1 →  →  → 1」と加点され続けて、終わってみれば「広島9-12阪神」という大逆転負け。

これを見ても「中押し・ダメ押し」の重要性が見えて来る。

・・・。

というか、2017年のオーダー、懐かしいなあ・・・。

そこを掘り出していったら、脱線したまま戻ってこれるか怪しくなってくるので、触れない。割愛します()

<試合後>「大勝感」がなかったのはなぜだろう?

ちょっと、この前の見出しで「大勝感がなかった理由」は、ある程度見えて来た気がするけど()

試合が「巨人4-11広島」で終わってさ。
実況の人が「カープの大勝です!」とか話しているのを聞いてて。
なんか、違和感を覚えたんだよね。

(今日の試合って、大勝だったんだろうか・・・?)

確かに「11-4」と聞けば、一方的な試合展開だったように思える。
だけど、試合を最初から最後まで見た者としては、イマイチ、そう思えなかった。
「ワンサイドゲームじゃなかったでしょ?」という思いが拭えなかった。

その違和感の理由は、既に出ている「中押し・ダメ押し」に繋がってくるんだと思う。

また、ソレが無かったからこそ、巨人打線の反撃があった。
僕は、そう思っている。
表現を変えれば「井上投手が呼び込んだ4得点」とも言えるんじゃないかな。

で。

試合が終わってからも、大量リードで勝ったにもかかわらず、どこかモヤモヤ感が抜けなかった僕は「大勝感のナゾ」について考えて、しばらくの間、思考を巡らせていた。

それで一つ、気になることが生まれた。

(圧倒的勝利と言えば、今年のセンバツの大阪桐蔭・・・)

プロ野球だけでなく、高校野球もチェックする野球ファンならば、周知の事実であろう。

今年のセンバツ、大阪桐蔭は「完膚なきまで」という表現が誇張にならないぐらい、相手チームに大差をつけて、勝利を重ねて行った。

ああいう試合こそ、まさに「大勝感」に相応しい。

そう思った僕は、改めて、当時のスコアを見返すことにした。

ザッと並べさせていただきましたm(__)m

興味がある方は「総評レポート」も読んでいただければ良いかなと思うのだけど、僕が見て欲しいのは、やはり「スコア」の部分だ。

準々決勝、準決勝、決勝と、大差を付けて、勝利している。

そして、イニングに着目すると「先制・中押し・ダメ押し」が3試合ともに出来ていることが分かる。

※イニングを「1~3|4~6|7~9」で区切って見ています。

更に言うと、3試合とも「初回に得点」を挙げていることが分かる。
こういう所からも「勝つべくして勝った」と言えるのではないだろうか?

今回は「スコアから見た大阪桐蔭の戦いぶり」について話を進めているが、実際に試合を見てみると、ますます「絶対王者感」が伝わって来る。

ソコに関しては文章だけで説明するのは限界があるのだけど。

一言でいえば「大量リードを付けても攻撃の手を一切緩めない」からこそ、大阪桐蔭の強さが滲み出ているんだと、僕は思う。

完全に押せ押せのムードになっても、手堅くバントで送ってきたりする。
「普通に打たせた方が得点入りそうじゃね?」という状況であっても。
そういうのも含めて、大阪桐蔭の強さなんだろうなと、僕は感じている。

これは僕の推測に過ぎないけど「常にロースコアの接戦を想定して戦いなさい」みたいな教えが、浸透しているんじゃないかと思っている。

「大量点を挙げて快勝した翌日は全く打てなくて負けちゃう」

プロ野球でもありがちだけど、そういうのを、西谷監督は恐れているのかなって、勝手に思っている。

選手が、悪い意味でバッティングが気持ち良くなっちゃって、雑になったり、大振りになったりするのを、避けるみたいな。

そんなことを一人で考えて「やっぱ大阪桐蔭は隙が無いチームだわ~」とか思っている僕だったりします。

・・・よし、こんなもんで終わっとこう()

僕のゴタクはこの辺にして、西谷監督、本人の言葉で語っているインタビュー記事に、目を通してみて欲しい。

 大阪桐蔭が終盤に強い理由を、西谷浩一監督はこう話す。

「今年のうちは、ロング(ヒット)が打てるチームではないので。格闘技にたとえるなら、派手なアッパーとかではなく、ボディーとロー(キック)を打ち続けるしかない。そうすれば後半、相手がバテてきて点を取りやすくなる」

789回には絶対点が入る――。西谷は今大会(2018センバツ)、この言葉を呪文のように唱え続けてきた。

(中略)

 西谷が言う。

「一塁まで全力疾走することでもいい。相手に圧(アツ)をかけられることは、何でもやる。それを少しずつ積み上げていくことでジワリジワリと効いてきて、後半、相手の足が止まる。そうしたら、789回は、うちのラッキータイムになる」

 試合終盤、大阪桐蔭に勝利の女神がほほ笑むのは、偶然ではなかった。

うん。

なんか「やっぱそういうの徹底されてはるんやね~」と相槌を打ちたくなるような。そんな言葉が並んでいるね。

2022年のセンバツなんかは、大勝の連続、ホームランも沢山飛び出したから「派手な勝ち方をするチーム」という認識になりがちだけど。

実は、大阪桐蔭の真の強さって、そういうとこじゃないと、僕は思ってて。

走攻守、一目で分かる凄さを持っている選手も沢山輩出している学校だけど、もっときめ細かな部分、凡事徹底を、どこのチームよりも、徹底されている。そんな印象があるんだよね。

ゆえに、怖い。
勝負どころになればなるほど、怖さが増す。
それこそ、試合終盤、ワンプレーが勝敗を分ける場面で、凄味が増す。

そりゃあ、強いわけだよ()

僕は「判官贔屓(ほうがんびいき)」の気質があるので、大阪桐蔭を倒すような番狂わせが見たいって感じるタチなんだけど()

まあ、なかなかね、ちょっとやそっとでは、倒れないよね。
監督・選手たちが「ワンプレーの怖さ」を熟知しているとも言えるから。
手抜かりが無いよね。全くと言っていいほど。

今年のセンバツなんか見てると、一周まわって、好きになりそうに()

個人的に、野球は、実力差が勝敗に直結しづらいスポーツと思ってて。
で、特に高校野球は、その傾向が強いような気がしていて。
「甲子園の魔物」って言葉がパワプロで採用されるぐらいにはね。

そういうのも野球の魅力の一つだよなあって思っているんだけど、大阪桐蔭の戦いぶりを見てると、それすらも起こさせない風格を感じさせる・・・。

「勝って当たり前」とみなされる中で「当たり前に勝つ」のがどれだけ難しいことなのかって、考えてみれば、すぐ分かる話。

「どうせ大阪桐蔭が優勝するんでしょ」と投げやりになっている野球ファンも散見されたが、そういう状況下で、本来の力を発揮するということ。

改めて、リスペクトの念を持ちたいものだ。

【P.S.】

<思い出>延長で12点取られた試合もあったなあ・・・(白目)

記事を書きながら「別の悪夢」を想起してしまったので、ついでのついでとして「P..」に記しておこう・・・。

10回のヤクルトは先頭の中村の中前安打から8安打2四死球を畳みかけて12点を奪った。広島の失点は12点だが、名手・菊池涼介二塁手の2失策、一塁手・松山の1失策が絡んだため、投げた中崎翔太は5失点ながら自責点0、続いて登板した中田廉も7失点ながら自責点3だった。3740人の観客は、カープのあまりにもふがいない大敗に騒然とした。

 延長回での大量失点は、これまで199689日、横浜スタジアムの横浜-阪神戦で、12回表に横浜が阪神に奪われた11点。それ以前には延長戦で2桁失点したチームは存在しなかった。23年ぶりに更新した。延長戦は、ホームチームがリードした瞬間に試合終了となるため最多失点記録は、すべてロードチームの記録だ。

(中略)

広島は1イニング大量失点記録にがある。

NPB1イニング最多失点は、10年前の2009611日、千葉マリンスタジアムでのロッテと広島の交流戦、6回裏に奪われた15点だ。この試合はロッテに2-23の記録的大差で負けている。その次が13失点。過去4例あるが、ここにも広島の名前が出てくる。200067日の横浜スタジアムの横浜戦の5回裏に13失点。試合は9-16で負けている。広島は2010825日の京セラドーム大阪の阪神戦でも、8回裏に10失点している。この時は救援の梅津がまるまるかぶって自責点10。試合は8-22で大敗している。

なんか後半

「広島は1イニング大量失点記録にがある。」

そんな書き出しで始まる文章が載っているけど「臭い物には蓋をしよう」ということで、見なかったことにしようか・・・(汗)

いや~、忘れられんです()

個人的には、オリックスにやられた試合も、メンタルがやられたのを、身体が覚えていてねえ・・・。

008回裏、一死二塁の好機を作るも、代打・松山が遊飛に倒れたあと、二死一、二塁後、1番に復帰した田中広は右飛。9回も一死一、三塁とサヨナラの好機を作ったが、途中出場の会沢が遊ゴロ、代打・長野は見逃し三振に倒れた。

 すると直後の10回表、4番手・菊池保が二死二、三塁から4連続適時打を浴び、瞬く間に6失点。5番手・藤井も悪い流れを止められず3点を失った。その裏、田中の適時二塁打、4番・鈴木の2点適時打で3点を返すも焼け石に水。打撃陣の奮起があまりにも遅すぎた。

 広島は410日のヤクルト戦(マツダ)でも、33の同点で迎えた延長10回に一挙12失点。悪夢が蘇る敗戦で、交流戦通算成績は4121分けとなった。

この試合で、緒方さんは「打たれたことに悔しさを感じない選手は1軍では使わない」というような言葉を本人に直接告げて、ヤスを発奮させたことは、今も記憶に残っている。

ちょっと緒方さんのセリフの記憶が曖昧なんだけど・・・。

(調べた)

出て来た・・・。
Twitterだったか・・・。
なんかの野球サイトだと思ってた・・・。

「2失点した後に諦めたように見えたが、そんな選手はこのチームにいらない」

「打たれたことに悔しさを感じない選手は1軍では使わない」

見比べてみると、だいぶ改変してるなあ・・・。
人間の記憶のいい加減さが身に染みるなあ・・・。

ともかく。

僕はこのエピソード、凄い緒方さんらしくて、好き。
そして、そっから連続無失点を続けたヤスも、好き。
人間模様が見えてくるようで、ステキだよね。

はい。

今日はいつも以上に記事作成時間がかかりました()

脱線癖も、ほどほどにしないとね・・・。

それでは、また(^^)/


【引用・参考】

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