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プロジェクト成功の秘訣1 プロジェクト責任者の実録から学ぼう

 今回から、「プロジェクト成功の秘訣1 プロジェクト責任者の実録から学ぼう」という連載を開始します。

 このnoteは、私が実際にプロジェクト責任者として現在アサインしているプロジェクト推進の実録になります。

 私は、これまでにМ&Aやターンアラウンドの仕事に従事してきました。そして、過去に失敗したことは一度もありません。

 巷では、情報商材やオンラインサロンなど稼げる商材紹介や、人脈作り、ビジネス手法の座学などをフックに展開している業者さんが散見されますが、実はああいった情報商材系の中身はほとんどありません。

 この実録では、
・本当に仕事ができるということはどういうことなのか
・プロジェクトを成功させるためにはどうしたらいいのか
・その様な人間になるためにはどうしたらいいのか
 を、このnoteを通じて学んで頂けたらと思います。

 そして、私の今までの成功体験も失敗体験も含んでお伝えしながら、若い優秀な方が増えていくことが私の一つの幸せでもあります(*^^*)

プロジェクト0日目

 基本的に今までのプロジェクトは責任者として着任することが多く、大体は社長直下で戦略立案から実務まで、ゼネラルで推進していくことがほとんどでした。

 しかし、今回のプロジェクトは私以外に幹部社員が一人いました。そして、それが今回のプロジェクトの大きな阻害要因ともなっていきます。

 アサイン前の代表者を交えた話し合いのあと、その幹部社員と二人で話しをしました。そこで、違和感を覚えます。具体的には、
「この業界儲からないんだよねー」
「この事業ダメなんだよねー」
 などと言っていました。

 実は、私はこの業界、事業は伸びると思って業界調査をしたうえでアサインしました。私が今までマクロ的な面で、この領域の仕事で失敗をしてこなかったのは、複数社にお声がけを頂いているなかで各社の業界やリソースをしっかりと分析して、
・事業を再生するためにプロジェクトを作れるか
(毎回、プロジェクトを創る理由は後述します)
・プロジェクトのMVVやSpiritが社会や顧客や取引先や従業員に響きそうか
・ブランディング効果や価値はあるか
・業界の競合能力は低いか
・自分がワクワクするか
・その事業は、社会的な使命感を抱ける仕事であるか
などを、それぞれ各論で判断し改善の余地を検討しながら総合的な判断をします。

 私の場合は特に仕事をしなくても生きてはいけるので、沢山お声がけを頂いていても爆発的な伸びしろを想像できなかったりワクワクしない、使命感がない場合は全てお断りさせて頂いています。

 つまり、少なくとも私は伸びる業界・事業であると判断してアサインしたのであって、もう一人の幹部社員が言う
「この業界儲からないんだよねー」
「この事業ダメなんだよねー」
の発言のが理解できませんでした。

ネガティブマインド

 皆さんも経験があるかもしれませんが、組織というもののなかにはポジティブマインドの人とネガティブマインドの人が存在します。

 ポジティブマインドの人は、
・行動的
・楽観的
(と、言われるだけで、実はネガティブマインドの人よりリスクを叩いている人もいます)
・前向き・肯定的
・問題解決能力が高い
(トラブルや不測の事態に対処してきた成功体験やノウハウを知っているからこそポジティブであると言えます)
・成功体験が多い
・人の悪口を言わない

 ネガティブマインドの人は
・保守的
・悲観的
・慎重
・変化が苦手・嫌い
・後ろ向き・否定的
・愚痴が多い
・人の悪口を言う

 以上の様な特徴があると言えます。皆さんの組織は如何ですか?

 私は、過去に幹部職、管理職研修もしていた時期もありました。その時、大体、受講者は同じ発言をします。
 「部下が働かないんだよね」
 「社員のやる気を出させるためにはどうしたらいいですか」

 皆さん、社員がやる気を出せば会社の業績が伸びることは理解しているんです。しかし、その手法がわからないんです。

 私は、結構はっきりと発言してしまうので
 「それは、皆さんのせいですよ」
 と、言ってしまします。

 皆さんは、この私の発言は正しいと思いますか?
 社員のやる気がないのは、社員のせいですか?代表者、幹部、管理職のせいですか?

 正直な話しをすれば、事態はもっと複雑で代表者や幹部、管理職者も社会の被害者であり、社会に諦めて生きてきてしまった部分も少なからずあると思うので、本当の責任の所在は社会にあります。

 しかし、社会が自ら変わることはありませんし、今、現状を変えれるのは代表者や幹部、管理職者が一番可能性があるので、いつも
 「皆さんのせいですよ」
 と言ってしまいます。

無限の可能性と成功体験

 私は人間は無限の可能性を秘めていると思います。確かに、人間は生まれながらに不平等ではありますが、しっかりとした教育ベースに乗れば、人間は明らかに能力を発揮し始めるのです。

 よく、マインドセットという言葉があります。簡単に使用する人も沢山いて、皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。

 しかし、マインドセットと一般的に言われているものは、
 「自身の習性として根付いた物の見方や考え方、を意味する表現。「思考態度」と訳されることもある。先入観・信念・判断基準・無意識の思い込み、等々の思考の傾向を指す。」※引用:Weblio辞書
 と、されています。

 つまり、マインドセットとは自身の習性として根付いた物の見方や考え方を指していることになり、実は論理・手法的教育と、それらを肯定する成功体験に基づいて考えが固着し、定着していくのです。

 それは、座学だけで身に付くものではなく、その論理から導き出される結果から行動の強化がされて始めてマインドセットできたことになるのです。

 では、肯定する経験とは何でしょうか。それは、
・褒めらる
・認められる
・成果が出る
・自分の正の感情に繋がった
 などです。

 例えば、私は教育の過程で対象者をよく褒めます。

 褒められて嫌な気持ちをする人はいませんし、費用もかかりません。そして、人間を変える大きなきっかけになります。

 試しに、皆さんが仕事で関わっている人に
 「○○さんって本当に仕事できますよね。何でそんなに優秀なんですか?」
 と、聞いてみてください。少なからず喜んでくれ、自分に対する仕事の出来が上向くかもしれません。
 これは「褒める」と「認める」を組み合わせた、日常で本当に効果的な魔法の言葉の一つです。

 但し、伝える人間のトンマナや、相手からの評価、キャラ、容姿、声質、ジェスチャーなどにより効果の差異は出てしまうので、必ずしも同じ効果が平均的に出るわけではありません。

 少なくとも、私は褒められたり、認められたりした人との仕事は極力手を抜きません。相手からの評価を下げたくないからです。これは承認欲求や所属の欲求からくるものです。

 皆さんも、褒められたり、認められると嬉しかったり、頑張りたいと思いますよね。マネジメントを効果的に実践するにはまず、自分がされて嬉しいことを相手にしてみてください。少なからず効果を感じて貰えるかと思います。

 そして、これらを段階的に計画的に実施することにより、人材の成長は無限の可能性が広がっているのです。

 また、問題解決能力を養っていくには、これらに失敗体験を加えていきます。敢えて失敗させて、そこから成功体験に転換させた経験が問題解決能力を伸ばしていくのに最適です。

 論理的な思考としては問題の細分化と単純化を今すぐに実行出来る段階にまで落とし込んでいくのが、今までの体感で平均的な伸び率が高かったように感じます。

やる気をださせるには

 社員のやる気を出させる一つの手法として、
・社員を褒める・認める
ことであることは、皆さんも理解いただけましたでしょうか。 

 しかし、これはあくまで、対個人間の援助技術になります。では、組織やプロジェクト参加者全体にやる気をださせる、モチベーションを上げるにはどうしたらいいでしょうか。

 実は、至ってシンプルで単純なんですが、できている組織やプロジェクトてあんまりないなっと感じています。

 MVVなどを設定して、一部だけできているけど本質的な部分ができていない場合などよく見かけます。

 プロジェクトの成否は実は責任者(推進者)にかかっていると言っても過言ではありません。私は全て自分が正しいとは思いませんが、皆さんもこれを読み進めて頂けたら納得してくれる部分も多いかなと思います。

 プロジェクトを本当の意味で成功させるには以下が必要不可欠な要素の一つであると私は考えています。

【ポジティブマネジメント】
 プロジェクトを新規で立ち上げ採算をとるレベルに到達させるには余程、資金が潤沢かエッジの効いた事業でなければ相当数の工数を費用を掛けずに自分たちで実践していかなければいけません。

 それは、普通に働いているのと比べると横断的にゼネラルに業務を遂行していかなければならず、知識や実務を含めて高いレベルが必要か、そのレベルに到達しなければなりません。

 そして、それは当然、通常の業務負荷と比べても重いものになり、それらを遂行するためには、褒め文化を中心としたポジティブマネジメント(前向きなマネジメント)が必要不可欠です。

 では、ポジティブマネジメントのために必要な要素を上げてみましょう。実は、結構単純なことばかりなんです。

【人の悪口を言わない】
 本当に基本的なことですが代表者や幹部、管理者が人の悪口を言っているのを聞くと、部下は委縮して組織はシュリンクしていきます。そのため、役職者は人前で人の悪口を絶対に言ってはいけません。
※別途、役職者でのデトックスの会を個室を使用して開催すると息抜きになります

【部下や仲間の責任追及や叱責はしない】
 まず、自身に部下がいるのであれば部下の失敗は上司である自身の責任です。仲間の失敗も、止められなかったという面で自身の責任です。責任者や上司の立場である人間は失敗を全て被らなければいけません。全ての責任は失敗をさせてしまうような教育をした自分自身であるからです。

 全ての責任を被るからこそ、組織が生き生きと伸び伸びとしてきます。そして、全ての責任を被り、失敗の改善策を丁寧に実践することで自分自身の能力やスキルが驚くほど高くなっていきます。そして、自分自身を手本にして仕事に向き合ってくれる、仕事をしてくれる人材が必ず出てきます。それらはプロジェクトを成功させるための強力なパートナーとなっていきます。

【「ごめんなさい」と「ありがとう」を必ず言う】
 これも人間として当然なことですが、「ごめんなさい」と「ありがとう」は必ず言いましょう。また、両方を使用する場面があった場合は「ありがとう」を最後に使用すると相手の印象が良くなります。役職者の謝罪は必ず必要ですが、過剰にすると相手が委縮してしまう場合も多いので、謝罪からの御礼への転換を心がけましょう。
※例「○○さん、本当に○○の件で迷惑をかけてしまってすみません。迷惑はかけてしまいましたが、業務の改善ができ皆も負担が減ったと思います。ありがとうございます。」

【褒め文化・認める文化】
 前述しましたが、人は褒められたり、認められたりすると嬉しいものです。そして、褒められた人、認められた人に対して献身的な行動をとるようになります。ただ、重要なのは褒めたり、認めたりしていても、自身が評価に値しない人間だと献身的にはなってくれないので、まずは自身が相手に認められる存在なのか、客観的な判断をして必要に応じて改善しましょう。
※例えば、他の社員の悪口を言っている上司に褒められたり、認められても、違う人間には自分の悪口を言っているのではないかと被害関係妄想に陥るケースもしばしば認められます。この場合は、褒めること、認めることが逆効果になる場合があるので気を付けましょう。

【グランドデザインを創る】
 グランドデザインはプロジェクトにとって重要な要素になります。人によって異なりますが、このグランドデザインにMVVやSpirit、各ブランディング(プロジェクト内に事業を複線で走らせてる場合、短期・中期的に実施していく事業デザインをブランディン化してグランドデザインに紐付けていくと整理や理解がしやすいです)

 また、MVVやSpiritは今は良く見かけますが、ポイントを押さえてないものが散見されます。特に多い悪例は、難しい言葉を使っていて意味がよくわからない。自己満足のMVV、Spiritになっていることです。

 では、事業のグランドデザインはどうして必要なのでしょうか。
・社員のモチベーションを高め、目的、将来像、提供価値などを明確にする
・自社に賛同・共感・協力してくれるステークホルダーを増やす

 つまり、プロジェクトに賛同する人を増やし、短期間でスケールさせていく大きな要素となる、と言えます。

 そのため、会社のグランドデザインを策定する場合は、誰もがわかりやすい言葉を使用したり、キャッチーな言葉などを使用しながら、誰もが理解できるものを創った方が、より多くのステークホルダーができると言うことになります。
 ※例えば、自分の母親が見たとしても、「凄いことやってるね!」と理解できるものの方が、経験則として効果が高いです。

 その他の要素としては、事業の一軸で社会的な課題を解決するアプローチを考え、それらを取り込んでいくことで、使命感がある事業であること、公益性が高い事業であることが誰から見ても分かるようになり、ステークホルダーを増加させやすくなります。

 他にも様々な要素やテクニックがありますが、要望があれば、グランドデザインについて、より掘り下げていきたいと思います。

【楽しむ】
 仕事は本来、しっかりとしたグランドデザインがある会社や事業では楽しいものです。

 自分が何をしていて、誰の役に立っていて、どんな使命感で従事しているのか。そして、その対価として所得を得ていく過程に自身に誇りすら感じる筈です。

 社員が楽しんでないと言うことは、前述したことの何れか、若しくは他の要素が機能不全を起こしている状態だと言えます。そのため、社員が楽しんで仕事をしていない場合は、楽しんで働けない要素を抽出してアプローチすることが重要になります。

 私は、プロジェクトにアサインすると、まずその事業をワクワクするプロジェクトにするにはどうしたらいいかを考えます。そして、自分がワクワクしながらピッチ資料を作っていられたら、この事業のゴールはほぼ見えた様なものです。

 ワクワクや、笑顔やポジティブマインドや幸せは伝染するんです。

 ただ、プロジェクトの責任者は最後に幸せにならなければいけない立場です。

 まず、自分がワクワクして事業と向き合えているかを確認したら、ポジティブマネジメントで社内に褒め文化や、認め文化を形成し、仲間の自己肯定感を高めます。そして人の悪口を言わない、「ごめんなさい」「ありがとう」を絶対に言うことで、徐々に社員の笑顔が増えてきます。

 そうすると、顧客や取引先、代表者の笑顔も増えてきます。

 その様に、ポジティブマインドの形成をプロジェクトの準備期間に実施し、過酷なプロジェクトのミッション達成に対しての労働効率の引き上げからの確度を高めていく、という活動をしていくのです。

 前述しましたが、
 「部下が働かない」
 「社員のやる気がない」
 というのは、代表者や幹部、管理者がやる気をださせてないと言うことになります。

 人間は、皆、人生を送る過程で色んな事に諦めて、人生を選択してきています。例えば、水泳でいい成績を出せないから、水泳選手を諦め、勉強ができないから一流大学を諦め、いい大学を卒業できなかったから、一流企業で働くことを諦め、一流企業で働けなかったから年収1,000万以上を諦めてしまうんです。

 つまり、人間は諦めの連続で今の社会的役割に就いていると考えられます。

 そして、会社にも諦めてしまっているんです。

 上司が部下や取引先の悪口を言ったり、良かれと思ってした提案が受け入れられなかったり、適切な対応がとられなかったり、同僚から会社の醜い部分を聞いたり、上司に責任を押し付けられたり、理不尽に怒られたり...。

 そういったネガティブマインドが負の連鎖を加速させ組織は次第にシュリンクしていきます。

 それを、改善していくには社員が楽しんで仕事ができる環境を整えることが必要不可欠であると思います。

 やる気がないのではないんです。やる気が出せないぐらい会社に諦めて、自分に諦めて、社会に諦めているんです。

 人は誰しも幸せになりたいし、今より輝きたいし、収入だって少ないより多いのが嬉しいんです。

 なかには、お金より大切なものがある、という人もいます。ただ、これはできない自身との折り合いをつけるための方便であるケースも多いと思います。

 所得が上がれば、自分の正しいと思った行動ができるんです。貧困世帯を救済してもいいし、障害者の支援団体に寄付や寄贈をしてもいい。大切な家族の笑顔のために使ってもいいし、仲間の育成に使ってもいい。

 自身が幸せにできる人が増えれば、それが自分自身の幸せに繋がるので、私は資本主義社会において所得を得ると言うことは必然的に目指さないといけないことだと思います。

 なかには、変なお金の使い方をしている人もいるのは事実ですし、そういう人は私も好意は抱きません。

 正しいことをして、正しいお金の使い方をすることで、貴方の周囲の人をもっと幸せに出来るのです。

 そして、そのためには自分のプロジェクトに関わる人の幸せを追求し、そのプロジェクトに関わる全ての人を幸せにして、最後は自分が究極に幸せになる。そんな、マインドを持ってプロジェクトを推進していってください。

 そうすれば、自分の世界観と、関わる全ての人の反応が行動変容したその日から変わると思います。

 楽しんで仕事をするためにはどうしたらいいか考えて、実践していく。これは簡単そうで難しいことではありますが、できないことではありません。ただ、エネルギー量だけはものすごく必要です。

 私は、仕事は人を幸せに出来るツールの一つだと考えています。もし、貴方の周りに死んだ魚の様な目の人がいたら、その人の瞳がキラキラして輝くようにコーチングをしてみてください。それができる様になればポジティブマネジメントも実践できますし、プロジェクトの健全な組織体制の構築はその応用で約束されたようなものです。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
 このコラムは私の個人的な知見に基づくものです。他で主張されている理論を批判するものではないことをご理解いただいたうえで、一考察として受け止めて頂き、生活に役立てて頂けたら幸いです。



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