鷲尾 諒太郎

1990年、富山県生まれ。フリーランス(ライター/編集者)。 早稲田大学文化構想学部卒…

鷲尾 諒太郎

1990年、富山県生まれ。フリーランス(ライター/編集者)。 早稲田大学文化構想学部卒。ビジネス領域、人文社会科学領域を中心にお仕事をしています。バスケとコーヒーが好きで、立ち飲み屋とスナックと与太話とクダを巻く人に目がありません。 https://fori.io/rwashio

マガジン

  • 馬 執 飯 店

    • 15本

    「馬 執 飯 店」は、編集プロダクション モメンタム・ホース 出身のライターによる、偏愛的ウェブマガジンです。大変申し訳ないですが、読者のことは一切考慮しない独断偏見スタイルで、コンテンツを不定期更新していきます。

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夏、サミット松陰神社前店のフルーツコーナーで

友人たちとの旅行の帰り。高速道路を東京に向け走る。深夜になり、ドライバーであるぼく以外が寝静まり、流していたBGMの音量を絞る。静かになった車内で一人、フロントガ…

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あの日飲めなかったウォッカと、もう飲むことができないスパークリングワイン

ある日出会った2つのお酒に関するお話。 ◇ 少し前から、埼玉県の東京側の端っこに住んでいる。 最寄り駅名は引っ越しが決まるまで聞いたこともなかったし、当然ながら…

鷲尾 諒太郎
2か月前
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料理が「できる/できない」問題を考える(あるいは、インターネットがぼくたちから奪ったものについて)

最近、料理をすることにハマっている。ただ、ハマっていると言っても、毎食自炊するわけではないし、ちゃんとやってる人からすれば鼻で笑われるくらいの頻度だろう。 いや…

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アイアム“ノット”アヒーロー。いつかの夢の中で、チュパカブラ的な何かが教えてくれたこと

夢を見た。 舞台はおそらく、どこかの大きな旅館。そこに何やら大勢が集まっているのだが、場にはかなりの緊張感が漂っている。それぞれが包丁や木刀、あるいは鉄パイプの…

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10年後のルノアールで、ぼくが彼に語る2つのこと

朝、起きてコーヒーを淹れる。ぼくの数少ない習慣の一つだ。と言っても、毎日のことではないので習慣と呼べるかは怪しいが、まぁ「高い頻度で行うこと」であることは間違い…

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夏、サミット松陰神社前店のフルーツコーナーで

夏、サミット松陰神社前店のフルーツコーナーで

友人たちとの旅行の帰り。高速道路を東京に向け走る。深夜になり、ドライバーであるぼく以外が寝静まり、流していたBGMの音量を絞る。静かになった車内で一人、フロントガラスを前から後ろへ流れていく照明灯の光を見送る。

やがて、少しの疲れを覚える。誰の同意を得る必要もない。ゆるやかに減速し、ウインカーをあげ、左側に伸びる道に入る。

そこは、小さなパーキングエリア。停車している車はほとんど無く、室内のか

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あの日飲めなかったウォッカと、もう飲むことができないスパークリングワイン

あの日飲めなかったウォッカと、もう飲むことができないスパークリングワイン

ある日出会った2つのお酒に関するお話。



少し前から、埼玉県の東京側の端っこに住んでいる。

最寄り駅名は引っ越しが決まるまで聞いたこともなかったし、当然ながら降り立ったこともなかった。友人たちに引越先を伝えると、その反応のほとんどは「どこ?」か「なんで?」だった。

東京圏に長く住んでいる人でも、そのほとんどが「聞いたことがない」というその駅から20分ほど歩いたところに我が家はある。遠い。

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料理が「できる/できない」問題を考える(あるいは、インターネットがぼくたちから奪ったものについて)

料理が「できる/できない」問題を考える(あるいは、インターネットがぼくたちから奪ったものについて)

最近、料理をすることにハマっている。ただ、ハマっていると言っても、毎食自炊するわけではないし、ちゃんとやってる人からすれば鼻で笑われるくらいの頻度だろう。

いや、むしろ「ハマっている」と言えるのは、それくらいの頻度だからなのかもしれない。この言葉が使われるのは、趣味や息抜きに対してだろう。毎食自炊をするようになれば、それは生活の一部となり、「ハマっている」という表現とは乖離するような気がする。い

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アイアム“ノット”アヒーロー。いつかの夢の中で、チュパカブラ的な何かが教えてくれたこと

アイアム“ノット”アヒーロー。いつかの夢の中で、チュパカブラ的な何かが教えてくれたこと

夢を見た。

舞台はおそらく、どこかの大きな旅館。そこに何やら大勢が集まっているのだが、場にはかなりの緊張感が漂っている。それぞれが包丁や木刀、あるいは鉄パイプのようなものを持っていて、何かとの戦いに備えているのだ。

程なくして、その「何か」の正体が分かる。正確に言えば何なのかは分からないのだが、姿が確認できるようになる。それは、端的に言えばバケモノだ。『ムー』か何かで見た、UMAの一種であるチ

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10年後のルノアールで、ぼくが彼に語る2つのこと

10年後のルノアールで、ぼくが彼に語る2つのこと

朝、起きてコーヒーを淹れる。ぼくの数少ない習慣の一つだ。と言っても、毎日のことではないので習慣と呼べるかは怪しいが、まぁ「高い頻度で行うこと」であることは間違いない。

本当なら小説の登場人物よろしく、ハンドミルでゴリゴリと豆をひき、こだわりのドリッパーでゆっくり丁寧に淹れたいところではあるが、そんな甲斐性などない。粉ではなく、豆を買うのはせめてもの抵抗だ。その豆を自動ミルにぶち込み、挽かれたもの

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