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人生はいつも伏線回収の連続だ

ほとんど遊ぶ間もなく、ずっと働き続けた学生時代。目の前の生活を成り立たせるために必死になって、遊びを断り続けていたからきっと付き合いの悪い奴だと思われていたんだろう。なぜ働いているのかを友人に伝えたこともなかったため、そう思われても仕方ないと思っていた。

社会人になって、家元を離れ、ようやく自分の人生が始まった気がした。家族を守るために働き続けた学生時代から解き放たれ、守る生活は自分の生活だけでいい。その事実がどれほど嬉しかったかはいまでも鮮明に覚えている。

とはいえ、いきなり自由になったからといって、すべてが解決するわけでもなく、何を目標に生きればいいのかすらわからなかった。やりたいこともなければ、自分のために頑張ったことすらない。もちろん回り回って自分のために頑張っていたことは事実だけれど、当時はその事実にすら気づけなかった。

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社会人になってからも、結局自分には仕事しかなくて、ずっと仕事ばかりしていたような気がする。SNSで文章で生きている人を見て、「好きな文章で生きていくなんて最高じゃん」と思って、気付いたときにはもうその人にDMを送っていた。

その間も周りの同年代は飲み会に行ったり、いろんなところに旅行していた。1人取り残された感覚もあったけれど、文章を書きたい欲求を抑えられない自分もいて、遊びと文章を天秤にかけた結果、文章を選ぶことになった。文章ばかり書いているため、流行りに疎くなって、友達と話が合わない。会社の同期はずっと愚痴ばかりで、一緒にいてもワクワクしない。だから、仕事でなんとか心に空いた穴を埋めていたんだと思う。

会社から帰って文章を書いて、休日もずっと文章を書く日々。生活にメリハリがなく、文章を書く以外に休日の時間の使い方すらわからない。その中で少しずつ気兼ねなく話せる友達ができたり、SNSを通じて友達ができたりもした。

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共通の話題を話せる友達だ。「ああ、ずっとこんな友達が欲しかった」って思っていた友達が、文章を通じてたくさんできた。全部文章のおかげなんだと思う。文章を仕事にしたから気兼ねなく話せる友達がたくさんできた。だから、文章を仕事にして本当に良かった、

先日、東京に急遽行くことになったときもたくさんの人が「会お〜」ってお声がけをしてくれて、本当にありがたかったし、嬉しかった。いまめちゃくちゃ幸せで、これがずっと続くわけがないって理解しているからこそ、大切にしなきゃって思うわけでありまして、「大切」って口にするのは簡単だけれど、実際に大切にできているかどうかは相手が決めることってことも理解している。だからこそ行動でちゃんと示さなきゃならないし、それが難しいってことも十分に理解している。

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正直、いまの幸せがなくなってしまうのがとても怖い。だから、目に見えない不安とずっと戦い続けている。その反面、弱ったときに助けてくれる誰かがいると安堵している自分もいて、なんて言ったらいいかわからないけれど、できることをひとつずつ積み上げていくしかないっていつも自分に言い聞かせて、無理矢理納得させているような気もする。

仕事を通じてたくさんの人に出会えた。だからきっと仕事漬けの日々は無駄なんかじゃなかったし、仕事がなければいまの自分は絶対にいない。いま急ぎすぎた人生で置いてきた大切なものを少しずつ取り戻している感覚があって、その反動で好きな文章を仕事にしたり、大好きな友人とたくさん遊んだりもしている。

学生時代よりもはるかに幸せだ。働きづくめの学生時代に捻くれずに生きてきた自分を目いっぱい褒めてあげたい。それに最近「当時よりはるかにいい顔をしている」と言われる機会も増えてきた。その言葉をもらうたびに、自分の人生は間違いではなかったと安堵しては、周りの人のやさしさに生かされてことを強く実感する。

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人生に無駄なんてないんだろう。「なんでこんなに働いているんだろう」と思い続けたあの苦しい時間がいまの幸福に繋がっているのだから。無駄だと思ってきたものが回り回って大切なものになっていく。その瞬間をいま実際に味わっている。人生のあらゆるところに張り巡らせた伏線は、きっといつかうまく回収される。伏線はいつだって映画のようにゆっくりと回収される。だから、焦らずゆっくりと自分のペースで回収していけばいいんだと思う。

無理に強く生きなくてもいい。弱音は吐き出せばいい。泣きたいときは誰もいない場所で声を隠さず泣けばいい。強いだけだと強い風が吹くとあっという間に倒されてしまう。でも、しなやかさを身につければ、どれだけ強い風が吹こうと倒れることはない。だからしなやかな人間になって、強さを身につける代わりに誰かと手を取り合う方法を選んでいたい。

そして、どん底に落ちて、涙を拭いたあとにちゃんと現実と向き合って、過去の苦しみを未来のハッピーエンドに繋げる。ハッピーエンドを迎えた瞬間に「この苦しみはいまの喜びのためにあったんだ」と気付ける日がきっとやって来るのだから。いま抱えている苦しみは全部無駄にはならない。ならないんだ。


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