脳トレは、ほぼ無意味だった
なんと衝撃的なタイトルなんだろう! 高齢者施設では、毎日「脳トレ」と称して、計算やパズルなどをやっています。それが「無意味」だなんて、信じますか?
提唱しているのは、老年医学の専門家「和田秀樹氏」です。この人の本はとても斬新なので私は崇拝するくらい大好きです(笑) ただ、専門知識のない一般人にとっては、現在の説の真逆をいくような突飛な話が多いので、話半分で読んだ方がいいかもしれません。そんな説もあるんだな、くらいの解釈にしておいてください。
脳トレで頭を使っているようでも、それが認知症予防には役立っていないというのは衝撃です。『ネイチャー』や『JAMA』(アメリカの医学会雑誌)のような超一流の医学誌に、この効果にまつわる大規模調査の結果が発表されているようなので、ウソが書かれているということではなさそうです。ただ、あくまでも一つの国である一定の調査の結果なので、それが日本人にも当てはまるとは限りません。
こういう論文が発表されても、日本の医療はすぐ変更されることはありません。そんな説は山ほどあります。いちいち変更していたら、現場はパニックになります。だから日本は日本としてきっちり精査した上で検討しているはずです。
でも私たち一般人は、ダメと言われたらすぐ変更することは可能なのです。柔軟に頭の切り替えができるかどうかだと、私はいつも考えています。分かり易く言いますと、病院で医者が言った言葉と、このような新しい説が真逆であると知った場合、あなたはどちらを信じますか? ということなんです。
正直言いまして、医者もピンキリですよ。日々新しい論文に目を通している医師は少ないと思います。自分が習った医学で目の前の患者を治そうと努力されます。しかしその知識は、すでに数十年前の医学であって、今はすでに違う説で動いている可能性もあるのです。
実は私は一度直面したことがあります。「私の時代はこう習ったんだ」と、力説される医師がいまして、その方は75歳くらいでした。もう10年ほど前の話になりますので、2010年くらいの話です。だからその人が学生時代に習った医学は、その時から約50年ほど前のことになります。だから、1960年頃の話です。でもその時に教科書になっているということは、1950年代の医学が書かれていると思われます。
1960年に習った医学を盾に話されても、現代の医学との差はとても大きいと思います。「あなたの医学は昔の話で、もう通用しないですよ」と、誰も言わないから、現場ではそのまま治療されていたのです。
医者でありながら、医学が進歩していることを受け入れてないということです。そんな人が現実にいるのです。悲しい話だと思いませんか? ここまで古い話は珍しいと思いますが、10年、20年古いままの医師はきっと多くいるはずです。私たちはそういう遅れた考えの医師を見つけることがとても困難なのです。
だからこう言ってみましょう。
「アメリカでは、脳トレが認知症予防には無意味だったという論文が出たそうですね?」
さて、目の前の医者はどんな顔をするだろう? そしてなんと返答するでしょうね?
サポートしたいと思われるくらいまで頑張って書きますので、今はシェアかコメントをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。