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演奏者の好き嫌いに正解も不正解もないよ

音楽の聞き方は様々です。ただ聞き流す、サウンド(音色)を分析する、構成を分析する、歌なら歌詞に感情移入して聞く、演奏者による違いを探すなど色々あると思います。今回は演奏者の好き嫌いにフォーカスしてお話ししようかなと思います。

音楽にも好き嫌いはあるでしょうから、この演奏者は気に入らない、この歌手は好き、などと人によって好みも分かれます。おすすめされた音楽家、または作品を聞いたけど好きにはなれなかった、という経験をされた方もいるでしょう。それは人間としては当然のことです。味覚にも好き嫌いがある通り、聴覚、すなわち音楽を聞くことにも好き嫌いがあります。もちろんプロの方々は一定の水準のスキルを持った人たちなので、技術的にはあまり大差はないように思えます。では技術ではないなら何が音楽の好き嫌いを決めるのか?それは音楽の解釈にあると思います。解釈というのは筆跡と同じで人それぞれ違います。似ているというのはありますが、完全に一致することはないと思っています。

私個人的にはあまりにも技巧にこだわった演奏は好きじゃないです。たしかに、例えばピアノだったらリストやラフマニノフなどの作品はとても難しい作品が多いので、演奏会におけるウケはとてもいいと思います。超絶技巧を活かした作品は映えますが音楽そのものの中身は薄っぺら、なんてことはよくあると思います。なので私は技術的に簡単な作品を飽きさせることなく聞かせられる演奏家の方が好きです。例えばベートーヴェンエリーゼのためにショパンノクターン第2番など技術的には難しくない作品たちを退屈にさせることなく最後まで聞かせられる演奏家はすごいなと思います。そういったピアニストは個人的に少ないなと感じます。またオーケストラ作品においても、例えば交響曲などで緩徐楽章をじっくり聞かせられる演奏はとても優れている演奏だと思います。

長々と私の音楽の好き嫌いを述べましたが、だからといってこの聞き方が正しいとはいえません。でも間違いでもないともいえます。音楽を聞いて何を感じるかはその人の自由です。自分と違った音楽観に出会ったときに、たとえそれが気に入らないものだったとしても否定するべきではないと思います。それは聞き方に正解も不正解もないからです。むしろ自身とは反対の音楽観を持っている方とお話をした方が、かえって音楽への理解を深めるチャンスかもしれません。否定せずにその人の音楽観を聞くことで新たな発見がある可能性があります。それは感性の問題だと思いますから、自分には持ち合わせていない感性を持つ人との交流によって音楽というのものをより詳しく知ることができる機会になると思います。見識を深める、といってもよいでしょう。なので音楽の聞き方を否定から入る人とは距離を置いた方がいいと思います。私の個人的な感想ですがそういった方は残念ながら視野が狭い人が多いと思うので、音楽への理解を深めるにはあまり適さないと思います。

人によって好き嫌いがあるのは当然です。それは音楽の分野でもあてはまります。しかし、好きな演奏者だけではなくあえて苦手かもと思う演奏者に踏み込むことで新しい発見がある可能性があります。やっぱり苦手だなと感じれば、距離を置けばいいのです。そこは無理に好きになろうとする必要はありません。もし、相手が好きな演奏者が自分の嫌いな演奏者だったとしても「なんでそんな演奏者好きなの?」と否定的になってはいけません。お互いの音楽観をシェアすることで初めて気づくこともあるはずです。


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