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あまり知られていない保険の起源〜相互扶助の精神とは〜

今日は保険についての記事です。

いきなりですが、日本における生命保険の
世帯加入率が何%がご存知ですか?

89.8%です

(参考)
生命保険文化センター 2021年度の全国実態調査

日本は国民のほとんどが生命保険に加入している
保険大国なのです。

しかし、一方で、多くの方々が加入している
生命保険の内容を把握していないという現実です。

ここに、我々保険に携わる者の「使命」があります。

日本の9割近くの方が加入している生命保険ですが、
加入理由は多くの場合「万が一の保障」です。

しかし、内容が分からなければ、万が一の場合に
ご遺族やご自身をお守りできるかどうかも謎です。

また、生命保険保険料の払込額合計は
「人生で2番目に高い買い物」
とも言われます。

大きな買い物でもあり、またその買い物自体に
その他の商品にはない「想い」が詰まったものです。

適切な保障をご準備されているか
ぜひ今一度チェックしてみてくださいね。

前置きが長くなりましたが、本日はこの生命保険が日本でどのように始まったのか起源に迫ります。

世界における生命保険の起源とは

中世ヨーロッパ時代が起源とも言われていますが、商人たちが職業ごとに「ギルド」という同業者組合を作っていたのが始まりです。
冠婚葬祭などのイベントで、経済的マイナスをギルド全体で負担しあっていたことから保険という考え方が生まれたようです。

さらに、17世紀のイギリスにおいて、教会の牧師たち
が組合を作っていました。
そこに所属する牧師たちに万が一のことがあった場合、遺族へ生活資金を捻出するために保険料を出し合う仕組みが作られました。
これが生命保険の起源です。

自身の遺族を自分自身だけで守るのではなく、組合全員が一丸となって、何か不幸があった際は全員で力を合わせて支えようということです。

これが生命保険において非常に重要な考え方で、

『相互扶助の精神』

と呼ばれます。
お互いがお互いを支え合う心を持つということです。

しかしながら、この牧師たちの制度は、全員が同じ金額の保険料を支払っていたため、人間の死亡率は年齢とともに上がっていくということを加味できておらず、若い人よりも年をとった人の方がお金をもらえる可能性が高い不公平さが残るものでした。
そのため組合は消滅してしまったのです。

その後、イギリスのジェームス・ドドソンという数学者によって、公平な保険料の算出方法が発見され、1762年に世界初の生命保険会社が設立されました。

また、18世紀にはハレー彗星で有名な天文学者のエドモンド・ハレーが年齢ごとの死亡率を計算するための生命表を完成させました。

日本における生命保険の起源とは

それでは、日本ではいつ生命保険が生まれたかです。

その起源は誰もが知るあの1万円札の人です。

そうです。

福沢諭吉です!

1867年に「西洋旅案内」という著書でこのように
紹介されました。

「災難請合」とは商人の組合ありて平生無事の時に
人より割合の金を取り万一其人へ災難あれば組合
より大金を出して其損亡を救う仕法なり。
其大趣意は一人の災難を大勢に分ち僅の金を棄て
大難を遁るる訳にて・・・

組合で平穏な時にお金を集めておき、何か災難なあった際は、組合からお金を出して1人の災難をみんなで救いましょう

と言った内容が書かれています。

これが日本に紹介された後、福沢諭吉の門下生であった阿部泰蔵が1881年に日本初となる生命保険会社を
設立しました。

これが今の「明治安田生命」の前身です。

保険についての起源は生命保険に携わる人間にとっては、必須試験教科書の1ページ目に出てくる内容なので、当たり前なのですが、世間的にはあまり知られていません。

今回ご紹介した起源の話で「相互扶助の精神」という
言葉をご紹介しました。

これが私が本日一番伝えたい内容です。

掛け捨てタイプの保険に入るとどうしても

「損をする」と考える人が多いです。

そういった方は、掛け捨てではなく返戻金のあるタイプもございますので、そちらを選びましょう。
高いですけど。笑

ただ、掛け捨てタイプに入る方に感じていただきたいのは、

保険で「損をする」のは当たり前なんです。

どうしてでしょうか。

では、貯金が100万円しかない状態で、
遺族に残すお金として明日1,000万円必要となれば、これは生命保険を活用するしかないんです。

貯金や資産運用で賄います!
という人も最近増えてきていますが、上記のような状態で明日亡くなれば遺族は900万円不足し路頭に迷うかもしれませんね。

ただ、生命保険であれば、今日加入して、
保険料を1万円しか払っていないとしても、
明日亡くなった際は1,000万円を用意することができます。
このレバレッジ効果こそが損をする代償といってもいいでしょう。

何もかも得をすることなんて難しいです。

そして、さらに感じていただきたいのは、この1万円しか支払っていないのに1,000万円を受け取れるのは何故ですか?

『相互扶助』だからです。
あなたの万が一の際の保険金は、日本のどこかの誰かさんたちが支払った保険料の一部から賄われているのです。

そして、あなたが何も起こらず健康に過ごして掛け捨てて無駄だと思っている保険料も、どこかの誰かさんの万が一の保険金の一部として使われているのです。

そのため、もし無駄や損をするという感情を抱いた場合は、誰かのためになっているという『相互扶助』の精神を考えてみていただけると我々保険に携わるものは嬉しいです。

自分だけが得をする世界は悲しくないですか?
助け合って生きていきましょう。

それでは。

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