【前編】デザインリサーチインタビューのやり方とは?
インタビューの「生きた知恵」
一対一のインタビューでは、心がけておくべきコツや技術があります。深く定性的なアプローチは、人を知ること、ニュアンスを感じること、そして最終的に人々のために「よいデザインを刺激するものは何か」知ることです。
誰かと話すために並んでいて、質問をしたいと思っているデザイン上の課題があると仮定しましょう。いくつかの質問をすでに用意しているか、まだインタビューガイドを作っている最中かもしれません。
では、インタビューする時、何を考えるべきなのでしょうか?
広く始める
自分自身とインタビューを受ける対象者がインタビューの形式に慣れる時間を取りましょう。幅広い質問から始め、そのあとから掘り下げていきます。
どこに住んでいるか、何をしているか、趣味はなにか?
この手の質問は、緊張を和らげるだけでなく、あとに続く質問の範囲を明らかにしてくれます。専門家にインタビューする場合、 仕事の役割や責任、昨日の仕事のことを聞きましょう。
もし彼らが「昨日はいつもと違った」と答えたらチャンスです。すかさず、どう違っていたのか、なぜ違っていたのか尋ねるべきです。
対象者から見えている世界
他人と話している時にあなたの思い込みやバイアスを脇におくことは、とても大切です。彼らのレンズを通して世界を見てみるのです。簡単ではありません。会話している時に「理解のギャップ」を埋めたくなることは自然ですし、会話においてはよい振る舞いです。
しかし、インタビューは「会話」ではありません。少し我慢し、彼らが話していることが途中で決して終わることのないように、彼らに彼ら自身のことを語らせるのです。
あなたが何をしても、彼のことを正してはいけません。もし彼らが何か反対するようなことを言ったり、または間違った考えを言っていてもメモしてください。正そうとしてはいけません。 こういう「ギャップや誤解」がデザインにとってチャンスなのです。
オープンクエスチョンで聞く
もし質問がYes,Noで答えられるものであれば、インタビューをされている人はあまり頭を使って質問に答えることはありません。オープンクエスチョンは難しいですが、しかし、練習で向上できるスキルなのです。
こちらの記事で、どうやってオープンな質問を組み立てるか学んでください。
あなたはただのデザイナー、対象者は「専門家」です
対象者が協力が必要だからインタビューをするのです。彼らは「専門家」で、あなたよりもたくさんの知識を持っています。どんなときでも忘れないように。
あなたは、ただのデザイナーだということを。
会話のリードはしないように心がけ、答えをほのめかしたくなる誘惑に負けないでください。一つ一つのインタビューはデザインをするプロセスの燃料であり、その答えを「貴重な情報源」として扱う必要があります。
このマインドセットを持てば、全てが興味深く見えてくるでしょう。
二人組でインタビューする
IDEOでは、ペアでインタビューを行う傾向があります。一人は質問をリードし、もうひとりはメモを取ります。 一人で質問をし、ノートを取ることは可能ではありますが、それは難しく、メモを取るたびに会話が断片的になります。メモを取っている時にアイコンタクトすることは不可能です。
ですが信頼関係を作るのに、アイコンタクトは非常に重要です。ボディランゲージのニュアンスも読み取りやすくなるでしょう。
ノート役の場合は発言と事実、考えを書き留めます。聞いたことすべてを書き留めるのです。もし特定の質問があれば、もちろん、聞くべきです。インタビューをしている人にインタビューの再編成を行う機会を与えることにもなります。
二人のインタビュアー(一人は質問役、もう一人はノート役)と一人の対象者という方法は非常にうまくいきます。 インタビュアー三人:対象者一人以上の割合になると、彼らを不安にさせるリスクがあります。もし、三人のインタビュアーの場合、一人は下がったところに座り、最小限の質問を聞くようにします。
後編はこちら
Original article posted by Matt Cooper-Wright on Design Research Methods, translated by Ryo Kobiyama with a permission. Review by Lina Nakama :)
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