【後編】デザインリサーチインタビューのやり方とは?
インタビューの「生きた知恵」
パソコン、iPad、iPhoneはNO
インタビューにおけるテクノロジーは大きな障壁となり得ます。PCは物理的に対象者との障壁になることはもちろん、もしマルチタスキングをしていないとしても、iPhoneやiPadの利用は無意識にマルチタスキングをしているという信号を相手に送ります。
同様に、それらのデジタル機器は通知音を鳴らしたりバイブレーションが鳴ったり、集中を妨げるだけではなく、いま「話」のどこにいるか分からなくなります。
絶対にメッセージや電話には反応しないこと。失礼になるだけでなく、インタビューより大切なことがあるというサインにもなってしまいます。決してそんなことはしないように!
写真と音声レコーダーは許可を取って
先程のポイントと違って、対象者に写真と音声録音の許可を貰えれば、文章化する段階で役立ちます。家や職場でディープなインタビューをする時、対象者は質問に対する「答え」をより分かりやすく提示するために周りにあるモノを見せたりします。
記録のために写真を撮っても良いか、許可をもらいましょう。
音声録音はすべて聞き取れているか確認するのに役立ちますが、 インタビューの邪魔にならないようにしてください。音声レコーダーやiPhoneの録音モードだと対象者は安心することが多いです。
インタビューガイドに忠実に
インタビューガイドなどの形式で質問を事前に用意しておきましょう。そうすることで、インタビューがより構造的になります。そして聞く必要がある部分を確認することもできます。
また「タイムマネジメント」にも役立ちます。最初の質問で15分かかっているとしたら、次の質問に移る時間かもしれません。
インタビューをリードすることは難しいことです。質問が思い浮かんできたりすると同時に、対象者の質問に反応しなければいけないからです。ディスカッションガイドは、質問を考える時間が少なくするという意味合いを持ちます。
エクササイズを組み立てる
インタビュー中にアクティビティをする方法はたくさんあります。何を考えているか描いてもらったり、 優先度に沿って各機能が書かれたカードを並べ替えてもらうなどです。(こちらを参照)
インタビュー中に、物理的なアクティビティを行うことは「ペースの良い変化」になります。そしてしばしば、予想していなかった事が分かったりするのです。
例えば、対象者に新しいアプリの機能のリストカードを並べるようにお願いしたとします。その中に白紙のカードを用意しておきます。こうすることで、自分たちが考えつかなかった機能を彼ら自身が付け加えることができます。
毎日のルーティンに付いていくことも発見が多いものです。小売の業界で何かデザインしたいと思ったら、誰かと買い物に行ってみましょう。異なる状況にいる場合、彼らはインタビューの時より「多くのこと」を教えてくれます。
沈黙に慣れる
最後のポイントは、最もハードなことの1つ。
会話をしているときの直感的な行動で、質問と答えの間隔にある「気まずい間」を埋めようとします。が、少しだけ我慢してください。 対象者にその間を与えることで、彼らが持っている「何か」を明らかになるでしょう。
自分が考える「答え」を問うようになり、さらに素直な返答をする場合があります。
これは、間違いなく磨かれるスキルです。私の場合、少し長めにノートを取るふりをします 。あなたが「気まずい」と感じているように、彼らも感じているのです。
多くの人はこのギャップを感じ、埋めようとします。だからあえて、そうさせるのです。
よいインタビューを!
Original article posted by Matt Cooper-Wright on Design Research Methods, translated by Ryo Kobiyama with permission. Review by Lina Nakama:)
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