RyoheiTomura

自然写真家 / 1996年生 / 目の前にある自然の美しさと畏怖を撮ろうと色んなとこ…

RyoheiTomura

自然写真家 / 1996年生 / 目の前にある自然の美しさと畏怖を撮ろうと色んなとこに行ってます / ウェブサイト : tomuraryohei.com

最近の記事

EP.7 La Palma

カナリア諸島は全部で5つの島々で構成されています。 Tenerife La Gomera El Hierro La Palma Gran Canaria Fuerteventura Lanzarote この内、最も大きいのはTenerife島であるが、カナリア諸島の州都であるLas PalmasはGran Canaria島にあります。これらの島の中でもIsla Bonita、"美しい島"として名高いのがLa Palma島です。La Palma島はTener

    • Ep.6 Tenerife #3

      夜の帳が下りてくる。先刻までのギラついた日差しが嘘のように冷たい風が首元を通り抜けてゆく。 砂漠の天体ショー 太陽が遠くの岩に隠れ始める頃には、白く太陽に照らされていた岩たちは茜色に。この厳しい環境によってカラカラに乾いた岩たちは無地のキャンバスのように染められる。茜色に染まった岩にそのまま黒いレースをかけるように周囲は暗くなっていった。 砂漠に転がる岩たちはこのサイクルを何万年、いや何億年も繰り返してきた。半永久的に続くこのサイクルの中のある1サイクルを写真に収めようと

      • Ep.6 Tenerife #2

        前日にいろいろあったおかげで昨晩はぐっすりと眠れた。 旅のトラブルの疲労感は日常生活のものとは質が違う。そのせいで深い眠りにつけた。 まだうとうとしているミライを横目にベッドから抜け出してカーテンを開けると一日の始まりを告げる柔らかな光が部屋に差し込む。 時刻は7:00。 前日にスーパーで買ったバケットとターキーハム、そしてバナナを詰め込んで出発だ。 Teide スペイン最高峰はどこにあるかご存知だろうか。 フランスとの国境のピレネーに?いや、違う。 アストリアス地方

        • Ep.6 Tenerife #1

          カナリア諸島 短期旅行者の朝は早い。眠い目を擦りながらバラハス空港へと急ぐ。飛行機の目的地はTenerife Norte 空港。航空会社はIBERIA Express。この航空会社の選定によって僕は2時間の地獄を味わうことに。そう、座席が狭すぎた。膝が前の座席にめり込み、身動きがとれない。そして小型機なのでよく揺れる。半分乗り物酔いした状態で永遠のような2時間が流れた。 空港でレンタカーを借りる。ミライが対応してくれたが手続きは本当に直ぐ終わった。 「はい。これ鍵ね。駐車

          Ep.5 San Esteban de Zapardiel

          マドリッドから郊外へ車で約90分。車内にはミライの父アルフォンソと僕の間に沈黙が流れる...。 San Esteban de Zapardiel 8時には宿を出てミライの実家へ向かう。後日再び利用する宿ではあるが、荷物を一度実家に移動させるためスーツケースを持ってバスに乗り市街地へ再び繰り出す。マドリッドのバスはマスク着用には非常に厳しく、マスク未着用だと絶対に乗せてくれない。今日はミライの父親の別荘があるSan Esteban de Zapardielに遊びに行く予定だ

          Ep.5 San Esteban de Zapardiel

          Ep.4 Madrid #1

          到着 カラッと乾いた茶色いと淡い緑の大地。レンガと石造りの家が並ぶ住宅地の上を飛行機は飛んでゆく。 イスタンブールから約4時間。スペインのバラハス空港に着陸した。 到着ゲートを出ると彼女のミライが待っていてくれた。待ってる間に空港のレストランでトルティージャ(スペインオムレツ)を食べたが美味しくなかったらしい。本場に美味しくないスペインオムレツがあるのか。 タクシーを使ってマドリードの中心まで向かう。空港とマドリード市街地は全てのタクシーで定額30ユーロで移動できる。タク

          Ep.4 Madrid #1

          Ep.3 Istanbul

          寒暖差が激しかった11月。まもなく深夜を迎える空港に僕はいた。11月18日。僕はスペインへと旅立つ。 スペインには彼女の実家があり、友達がおり、彼女自身は1ヶ月ほど前から里帰りしていた。世界中で人の動きが緩和されていく中、僕はラッシュに巻き込まれたくなかったので、人の出がピークに達する前に一足先に海外に出ることにした。 残念ながら?僕は会社員なので使える休みは少ないがどうにか10日間の休みを作った。 今回使うのはトルコ航空。サービスが良いともっぱら評判で、中継地でもあるイス

          Ep.3 Istanbul

          Ep.2 PULSE : 人生で初めての写真展

          11月30日から12月11日まで人生初の写真展を開催しました。 代官山のピンサ専門店BontaItaliaさんの一角で作品を展示させていただき、自分の写真家としてのこれからのキャリアの中で非常に大きな出来事でした。 約2年前に亡き祖父から譲り受けたNikon D5100で始めた写真という趣味をこのように多くの人に自分の作品を見ていただけるまでに昇華させることができたのは、多くの人たちのサポートがあったからです。まだまだ写真家ごっこと言われても仕方ないような活動量ですが、これ

          Ep.2 PULSE : 人生で初めての写真展

          Ep1. 五色ヶ原(3)

          起床 普段20:00には寝ないので深夜2:00頃、目が覚めてしまう。 今夜は曇予報なので星は期待できない。なので、朝はのんびり雷鳥沢で過ごす予定だった。 が テントから顔を出すと闇に染まった山肌の上で光が移動している。ご来光目当てのハイカーなのは間違いない。 「いい景色が見れるんだろうなぁ〜。自分はもうクタクタだからいいや」と思い、水を飲んで寝ようとした。 しかし寝れない。あのハイカーたちは一体何を目にするんだろうか。どんな美しい景色を目にするのだろうか。頭の中はそのこ

          Ep1. 五色ヶ原(3)

          Ep.1 五色ヶ原(2)

          1日目 夜 地面からの冷気のせいか、ブルっと来て目が覚める。 時刻は20:00。テントのジッパーを開け、顔を出すと辺りは闇に包まれており、じわじわと頬が冷たくなっていくのを感じる。 立山 五色ヶ原。今晩はここで一泊するのだ。 遠くのテントから他のハイカーたちの話し声が聞こえてくる。 見上げると無数の光が闇夜に輝いていた。 宝石を散りばめたような星空というのは正に今自分が見ている光景を指すのだろう。 人間界から隔離されたこの場所だからこその光景だった。 いつ雲が再び出てく

          Ep.1 五色ヶ原(2)

          Ep.1 五色ヶ原(1)

          夏にとある雑誌で五色ヶ原という場所を知った。 どうやらそこは山に囲まれた開けた台地で天空の楽園のような場所らしい。 楽園と聞くとアラスカで出会ったレイ爺さんから聞いた話を思い出す。 僕は大学卒業間近の春休みにアラスカへバックパック1つで旅に出ていた。詳しくは後にnoteにしようと思うが、そこで出会ったレイ爺さんに「夏のアラスカは知ってるか?」と聞かれ「いや、知らない。」と答えた僕に対してレイ爺さんは大きく息を吐くようにこう言ったことを覚えている。 「It's a par

          Ep.1 五色ヶ原(1)

          Ep.0 はじめに。

          はじめまして。戸村遼平といいます。 都内を拠点に国内外の自然を被写体に撮影しています。 僕の主な被写体は….テーマは…と、いきなりここでウジウジと述べても楽しくないでしょうし、まずは簡単に僕の作品をお見せしますね。 自然の中での人を含む生き物の営み、そして地球の動きを切り取るのが僕のテーマです。 小さいころから家にあった星野道夫さんの写真集からの影響は大きく受けていると思います。写真というものに向き合い始めてまだ2年で、最初の頃はネイチャー以外にも夜景だったり、スナップなど

          Ep.0 はじめに。