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天文マガジン

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毎日出版される天文学の最新論文をピックアップして紹介します。週1以上の不定期公開!最前線の宇宙の研究を知れば、あなたも宇宙博士★
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2020年7月の記事一覧

1年間で太陽25個分の物質を吹き出す天体って!?

こんばんは、りょーです。 今日の日刊天文マガジンは、1年間で太陽25個分も物質を噴射するブラックホールが中心にある銀河についてです!今回、力作です!笑 今日はこのすごい銀河の話と、今までに何回か話したことがあった光の種類によって見え方が違う!というのを実際の写真でお送りしようと思います! 今回紹介するのは、ブラックホールが中心んにあって、そのブラックホールの周りに星が渦巻いている銀河系をです。 下の写真がその銀河の様子。綺麗ですよね! この画像は人間の目で見える光の

AIで惑星の赤ちゃんを見つけてあげよう大作戦

こんばんは、りょーです。 今日は、AIを使って今まで認識できていないなかった「惑星の赤ちゃん」を発見してあげよう!と言う研究を紹介します。 今回注目している星っていうのが「原始惑星系円盤」と言うものです。 これって赤ちゃんの星のことなんですね。これまでにもいくつかの記事で紹介してきました! ここでも紹介したように、星が誕生して丸い星になるまでにいくつかのステップを経由します。 まずガスとか塵が密集しているところがあって、重力などの相互作用で中心に星ができます。そして、

海王星っぽいけど、海王星っぽく無い!?

こんばんは、りょーです。 今日紹介するのは、海王星に似た惑星3つの大気にヘリウムがないぞ!?という論文です! 見つけた!!じゃなくて、ないんだって!という無いことをある種"見つけた"ことになる研究を紹介します。 今回の研究対象は海王星っぽい惑星3つです。海王星は、冥王星が省かれた今、太陽系で最も外側にある惑星ですね。もしかして今の小中学生って冥王星って言葉も知らなかったりするのかな。。。 そんな惑星たちの大気を調べてあげたお話をしていきます。そんな遠くの星の大気、どうや

2つの星が程よい距離感で回っているってどんな状況!?

こんばんは、りょーです。 今週も始まりました、「日刊天文マガジン」。今日は、めちゃめちゃ接近していい感じのバランスをとっている星の発見についての研究を紹介します! 私たちの生活を支える太陽。こいつは単独で一人寂しく輝いています。私たちは太陽以外の星は、星空に輝く点としてしかみることができません。 しかし宇宙にはそんな単独で生きている星以外にも、太陽みたいな恒星が二つ、3つ連携してぐるぐる回っているような星も存在します。 そんな中、今回発見されたのは、2つの星が連携して

超新星爆発って花火みたいに綺麗に広がらない?

こんばんは、りょーです。 今週最後に日刊天文マガジンは、超新星爆発を起こした星の衝撃波が、どううやって広がっていくのか?という話です。結論からいうと、今回見た超新星爆発は、綺麗に球形に広がっていく超新星爆発であることがわかりました! それでは実際にどんな研究だったのか、見ていきましょう! 今回研究されたのはSN 2014abという超新星爆発です。宇宙の星たちのネーミングについては何回か書いていますが、今回もかなりシンプル。 SNはSupernova、つまり超新星の略称で

そういえば、りょーって何の研究してるんだっけ?

こんばんは、りょーです。 今日は休日ですがずっと研究をしていました!そして!なんと!論文の作業がいい感じに進みすぎて、研究しすぎてしまいました笑 それのせいでいつも論文を読んでいる時間をとれなかった。。。すみません!素直に謝ります笑 けどしっかりと更新はしたいので、どんな研究してるんだっけこいつ?って話を書いてみます。いつも論文紹介ばかりだとどんなやつなのか忘れられちゃいそう。 私がやっているのは「超巨大な恒星フレア」の研究です! 太陽の表面でも見られる表面でボンっと爆

星を飲み込むブラックホールを10年間見つめてあげた

こんばんは、りょーです。 今日は、謎の天体に吸い込まれる星の様子を10年間観測した研究結果を紹介しようと思います。 ブラックホールがなぜ、ブラックホールと呼ばれるか、ご存知でしょうか?このnoteでは度々紹介しているのですが、ブラックホールは、光ですら出れないぐらい以上に強い重力を持った"星"なんです! そしてそんな重力が強い天体は、近くに星が近づいてきたら、その星を重力によって飲み込んでいきます。その星を飲み込んでいく過程で、円盤を作ったりもします。この円盤の光を見て

2つの小型衛星を組み合わせた新世代望遠鏡の計画が発表

こんばんは、りょーです。 今日の日刊天文マガジンは、未来の宇宙望遠鏡の話です!自分は普段、X線天文学というのを研究しています。レントゲンで聞くあのX線ですね。宇宙の天体からはそういう光が飛んでくるので、それを観測して星の爆発とかを解明している感じです。 そして今回は、そんなX線天文学で提案されている未来のミッションについて、面白い設計があったので紹介します。 宇宙望遠鏡って、響がすごいけとピンときますか?人工衛星で、それ全体が望遠鏡になっているんですね。こんな感じです!

今後10年で木星で生命の痕跡を見つける!!世界が一丸となって取り組む木星ミッション

こんばんは、りょーです。 今週も始まりました、日刊天文マガジン!今日は今後10年でNASAが目指す木星探査の目標についての論文が出ていたので、そちらを紹介します。 この論文、最初の書き出しから、木星探査が持つ可能性の大きさがひしひしと伝わって来る感じがよかったので紹介しようと思いました!正直この文章にこの論文の中身がぎゅっと詰まってます! This whitepaper identifies important science questions that can be

今回の太陽の11年の活動性を振り返ってわかったこと。遅いコロナ質量放出ってなに?

こんばんは、りょーです。 今週最後に「日刊天文マガジン」は地球に影響を及ぼす太陽の"コロナ質量放出"について。このワードは今後、宇宙からの災害を語る上で必ず知っておくべきワードです! 太陽は11年の周期で、活発な時期と静穏な時期を繰り返しています。そして2020年に入り、太陽は次のサイクルに移行した、と考えられています。 この11年周期っていうのはもう1970年くらいから観測されています。またその前も、地層や氷河の研究から太陽の活動性が推測されていて、100年以上このよ

ブラックホールの周りに吹く風ってなに?

こんばんは、りょーです。 今日の日刊天文マガジンは、ブラックホールの話。実態が見えないだけに、細かい研究が多いブラックホールの領域。しかし、今日は私が運用チームに所属している、国際宇宙ステーションに搭載されている観測機器が見つけたブラックホールの研究が出ていたので、紹介しようと思います!! 今回研究の対象になっているのは、MAXI J1820+070という天体。ネーミングはすごく単純で、"MAXI"という観測機(これの運用をしている)が"J1820+070"という宇宙上の

超かっこいい望遠鏡で見つけたあったかい木星ちゃん

こんばんは、りょーです。 今日の日刊天文マガジンは、またまた木星の話!みんなの理解が深まるように、連続で紹介できそうな内容はどんどん紹介して行こうと思います。 今回もまた木星っぽい星の話。また木星かよ!って思うかもしれませんがこれはもうしょうがない!このnoteは毎日世界中から公開されて行く論文を、その日に1つピックアップして紹介しています。つまり、3日連続で木星の論文が出ているということ! つまり、世界的に木星が注目されているということになります! なら紹介しないとで

520光年先に過去最大の木星、見つかる

こんばんは、りょーです。 今日の「日刊天文マガジン」は、昨日に引き続き木星の話!520光年先にあるHAT-P-58という太陽に似た星の周りに見つかった惑星が、今日のメインです! 英語は上のリンクからスグ見れるよ!誤字が多いけど難易度は★☆☆。レッツチャレンジ!! ということで、今回注目するのは太陽に似た星の周りの惑星たち。このHAT-P-58という星の周りに、惑星を発見しました。しかも7個も!全てが木星と土星に似た星。 今回これらを発見したのが、ハワイのハワイ島にある

木星に衝突した隕石が巻き上げる蒸気

こんばんは、りょーです。 今週も始まりました、「日刊天文マガジン」!今日から少しテイストを変えていこうと思います。 方針としては「スッキリ・完結・わかりやすく」です。土日で他の方のnoteをみていると、短い文章を毎日投稿した方が、いろんな人に見てもらえる感じがあったのがきっかけです!お試しだと思ってお付き合いください。 早速、今日紹介するのは木星に衝突した隕石の話!その隕石によって、見えていなかった木星の内部の大気が持ち上げられて、木星大気の研究が一気に進んだと言われて