2つの小型衛星を組み合わせた新世代望遠鏡の計画が発表
こんばんは、りょーです。
今日の日刊天文マガジンは、未来の宇宙望遠鏡の話です!自分は普段、X線天文学というのを研究しています。レントゲンで聞くあのX線ですね。宇宙の天体からはそういう光が飛んでくるので、それを観測して星の爆発とかを解明している感じです。
そして今回は、そんなX線天文学で提案されている未来のミッションについて、面白い設計があったので紹介します。
宇宙望遠鏡って、響がすごいけとピンときますか?人工衛星で、それ全体が望遠鏡になっているんですね。こんな感じです!
これは日本が2016年に打ち上げた「ひとみ」というX線望遠鏡なんですが(1年経たずに死にましたw)、これで全長14mです!
これは過去にないサイズ感で、すごいインパクトがありました。このような衛星はいくつか地球の周りを飛んでいるのですが、同じような望遠鏡の鏡が使われています!
しかし、今後さらに星を綺麗に観測したい!となるとメジャーな望遠鏡のシステムでは限界が見えてきています。もっと性能がよくなれば、今まで点でしか見えなかった星の表面が観測できたりするので、チャレンジしたい課題なわけですが、現行のシステムではなかなか難しいのが現状。
そしてそんな中、新しい望遠鏡のシステムが開発されました!この方式、一眼レフのレンズでも使われているようで、ニコンのホームページにも載っていました!
簡単に説明しますね!
普通のレンズって、レンズによって曲がる光は、光の種類によって集まる場所(焦点)がちょっとずれるんです。画像の左上の感じで、青い光はレンズの近くに集まって、赤い光は遠くに集まる、みたいな感じ(色の種類は虹を想像してくれればいいです!)。
しかし!!そのレンズに加工を加えて、デコボコにしてあげると、その光の種類によって焦点が変わるという現象を、押さえることができるようになります。
もしバラバラの光をカメラでとっていると、ある色の光しか取れない、つまり綺麗な色のバランスのいい写真が取れないんですね。だから、このレンズではその問題が解決して、画期的だ!となっているわけです。
そしてこれをX線の望遠鏡にも使ってやれ!と言い出した研究者がいました。しかしこれをX線でやろうとすると、焦点までの距離が500mにもなっていしまうことがわかりました笑
14mの望遠鏡でもすごい!となっているのに、500mの望遠鏡なんて作れません。ましてやそんなロケットすらありません笑。500mって東京タワーより100m以上もでかいんですから。
そこで考案されたのが、鏡とカメラ、別々の衛星として打ち上げて、連携させちゃえばいいじゃん!って案。こんな感じです!
上の箱みたいなのと、下の棒状のやつが2つの衛星です。これらが展開していっている様子の模式図ですね。
大きさは、四角い方が30cm四方のサイコロ型で、棒状の方が20cm x 10cm x 30cmの平らな箱です。
役割としては、サイコロ型の方がカメラ(一眼レフでいう本体)、平らな箱の方が望遠鏡って感じです(一眼レフで言うレンズ)。
これを500mの間隔を開けて直線に並べて、星を観測してあげたい!!っていうなんとも現代っぽい計画です。これが成功すると、これまでよりも10倍詳細の星を見ることができるので、今まで点だった星の表面が見えるものもあるかもしれません!
このサイズ感の人工衛星のことをCubesat(キューブサット)と言います。アメリカの宇宙企業が地球の周りに飛ばしまくっている小さい人工衛星もこれ!
この大きさだと、軽いので打ち上げにかかるコストもかなり抑えられるので、研究室とか大学、会社という単位で打ち上げられるのがメリット。この限られた大きさの中で、色々なサービスを企業は展開しようとしているわけですね。
今後は天文だけでなく、企業が仕掛ける小型衛星にも注目です!
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それではまた明日!!
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