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ブラックホールの周りに吹く風ってなに?

こんばんは、りょーです。

今日の日刊天文マガジンは、ブラックホールの話。実態が見えないだけに、細かい研究が多いブラックホールの領域。しかし、今日は私が運用チームに所属している、国際宇宙ステーションに搭載されている観測機器が見つけたブラックホールの研究が出ていたので、紹介しようと思います!!

今回研究の対象になっているのは、MAXI J1820+070という天体。ネーミングはすごく単純で、"MAXI"という観測機(これの運用をしている)が"J1820+070"という宇宙上の座標から見つけた天体、という意味です。

宇宙の位置については、ちょっと複雑なので割愛しますが、まぁ地球でいう緯度、経度みたいなのが決まっていると思ってください。

2018年に見つかったこの天体、最初はいきなり何もないところが明るくなっただけで、チーム内でなんだ??となったんですね。そこから詳しくデータを見てあげた結果、ブラックホールだとわかりました!

そしてこのブラックホール、実は近くに星がいて、その星を飲み込みながら存在しているんです!

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こんな感じのイメージ。すごいですよね。目の前で見て見たい笑こんなものを光の強さを、それを少し分解した時の情報から日々見つけているお仕事です。

そして今回は、私たちの発見の報せを聞いて、他のチームがこの星を詳細に研究した結果が今回の論文です。

今回の論文の中で使われた観測機は"VLT"と呼ばれる望遠鏡。Very Large Telescope(超巨大望遠鏡)の略称です笑
名前はダサいけど、めっちゃかっこいいんですよ。

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こいつら4つで1つの星をガッと見てやるわけです。先日も紹介したように、複数の望遠鏡で1つを見る、というのは性能を一気にあげるのによくやられる常套手段なんですね。

これで見てあげたところ、今回のブラックホールは"降着円盤風"ってやつがすごい活発な星だということがわかりました。

なんやねん"コウチャクエンバンフウ"って?って感じですよね。笑

まず"降着円盤"。これは文字通り、物質が降ってくる円盤、です。さっきの画像でいう、星がブラックホールに吸い込まれるときにできる円盤のことです。

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何度か紹介していますが、ブラックホールというのは光を吸い込むほど異常に強い重力を持っている”星”なんです。

つまり、見えないだけでそこにはきっと星があって、その星は太陽とか地球みたいに回転しているはずなんです。なのでこの円盤は、その中心にあるはずの星の回転に沿ってできる輪っかなんですね。

このテニスボールみたいな感じ!!これは水が飛び散ってるけど、これの吸い込むバージョン!

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これが降着円盤。

今回は"降着円盤風"です。つまり、この円盤が作る風です。イメージ的にはこんな感じ(画像ちっちゃくてごめんなさい)。

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ブラックホールの降着円盤が橙色で、その中心から吹き出す風"降着円盤風”が青色です!この風が観測中、常に活発だった!ということです。

まとめるとこんな感じ!!

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この風は結局、吸い込まれる星の速度や、その時のブラックホールの磁力によって変わるようです。しかし、ブラックホールが明るい長い間、この風が見えたことは珍しいことだそう。

今回はそんな不思議なブラックホールのお話でした。

まとめると

・私が運用に参加してる観測機がブラックホールを見つけた
・そのブラックホールは星を飲み込んでいる
・ブラックホールから出る風が強い状態にあった

ということです!

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