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フリーライター/編集者のビジネスモデル

ここ数年でしょうか、周りを見渡せば、「ライター」「編集者」を名乗る人が激増しました。(はい、僕もです)

出版社で編集をしている人、フリーランスで紙/Webともに編集している人、キュレーションメディアで学生バイトとして編集している人。その内実は様々でしょう。

こうした大きな括りのなかでいえば、僕は2番目フリーランスの紙/Webともに編集している人に分類されるかと思います。とはいえこの区分のなかでも、従事している仕事や業界もまた千差万別。

会社を辞めてから、「どんな仕事しているの?」「食えてるの?」といった質問を受けることも多いので、(あくまでも自分の場合という留保つきで)個人事業主的な目線で今のビジネスモデルについてお話させてください。

いまのところ社員は自分1人しかいないのですが、なるべく分かりやすくするために「うちは編集を軸に3事業部制を敷いています」という説明をしています。

①「ライター事業部」:営業・広報機能

一つ目がいわゆる「ライター業」というものです。
紙・Web問わず様々な媒体に、記事単位で署名寄稿をするというもの。
表向きに一番見えやすい部分がここですので、周囲からは「ライター」としてのイメージを持たれていることが多いかもしれません。

僕の場合、日本テレビが運営している「SENSORS」を中心に、「WIRED」、「COTAS」、「bound bow」、「PLANETS」、「ジモコロ」、「電ファミニコゲーマー」、「編集会議」などなど複数媒体で取材・執筆をさせていただいています。(ライターを始めるきっかけになったのは「GQ JAPAN」「週刊プレイボーイ」でした)

こちらにポートレートを集約しています。

おそらくこの事業の積み上げによって稼いでいると思われている方も少なくないと思うのですが、実はこの事業でお金を稼ごうとは全く思っていません。
基本的にまったく営業活動を行わないため、署名入りで記事がアップされることそのものが自分にとっての営業機能になっています。

とはいえ最近はリソースがパツりつつあるため、新規で仕事をお願いされた場合は、下記4つの条件で引き受けるのかの判断をしています。(願わくは、すべてが満たされると最高です)

①お世話になっている人、恩がある人からの依頼、お返ししたい
②仕事として面白そう、この人と仕事してみたいと思える人がいる
③単価が良い
④納期に余裕がある

上記の条件のバランスを鑑みながら判断をするわけですが、最近では地方取材に行けるものは喜んで引き受けるようにしています。

「ジモコロ」で柿次郎さんと行った熊本取材や、「電ファミニコゲーマー」で行った北海道への繁殖牝馬セールはまさにその例です。

②書籍出版事業部:ボーナス、編集力アップ

続いて「書籍出版事業部」があります。
位置づけとしては、会社員時代における賞与に近いでしょうか。

無事に出版できるかどうかは別として、現在3冊の本を進めています。(一つは代筆、残り二冊は自著)
本の場合は基本的に出版されるまでキャッシュは入らないですが、出版の段になれば自著なら10%、ブックライティングであれば約5%ほどの印税が入ります。

この事業においてもお金はそれほど目的にしていなくて、自分の場合は出版社の編集者の方とチームを組んで仕事をさせてもらえている経験が大きいと感じています。
やはり本をつくる編集者の方の"編集"スキルは勉強させていただく部分がかなり大きい。本というパッケージがあるものを作り上げていくプロセスは、構成力を中心にWebの編集とは使う筋力の質量が違うので、やっていてすごく楽しいです。

以前に書いたnoteをお読みいただければ分かると思うのですが、僕は月に1度約1週間は東京を離れて、海外や地方に滞在するようにしています。これはまとまった時間をブロックして、集中的に執筆するためです。この時間はこの事業のために取っています。(事実、今は福岡に滞在しています)

③顧問編集事業:ビジネスの柱

そして三つ目が、「"顧問編集者"事業」です。
「顧問弁護士」から着想して、便宜的にそう名乗ることがあるのですが、
平たくいえば「オウンドメディア支援」ということになります。
また、この事業が収益のメインです。(ひとりサムライト...?)

ライター、編集者をはじめ必ずしも企業内にコンテンツを作れる人がいるとは限りません。ホームページを作って終わるウェブ制作会社ではなく、定常的にコンテンツを作っていく"顧問編集者"として、メディア作りをお手伝いします。

ニーズによって業務は微妙に変わってくるのですが、
基本的なパッケージとしては月にコンテンツをX本つくるという契約のもと、メディア運営全体をサポートします。

自分の場合で言えば、基本的にはすべての記事を取材ベースで作りこむので、週に1度の月4本でお引き受けすることが大半です。

上記の契約の詳細にもよりますが、基本的には月に30〜50万円でお引き受けさせてもらっています。(現在、3社お引き受けさせていただいている)

編集のスケール戦略

と、ざっくりこのような説明をすると「一人でそれ全部やるのは大変でしょ?」と言われます。

軸にあるのは"編集"ですので、楽しいのですが、やはり一人だと物理的なリソースの限界があります。そこで喫緊の課題は仲間集めです。

こうした仕事に必要な要素はいくつかあります。単純化していえば文章力・編集力に集約されるのですが、それをさらに要素分解すると知的好奇心や基礎知的体力などになるかもしれません。そうした人はどこにいるかと考えたときに、つまらない答えになってしまうのですが、いわゆる良い大学を出て、良い会社に入って仕事をしている人たちです。

昨年末のキュレーションメディア問題はたしかに編集者にとって一つの追い風になったかもしれないですが、それを差し引いても、広い意味での編集者の需要は年々増しているように思います。先ほど触れた大企業から、この世界に転身されてくる方も必ず増えていくでしょう。その確信があったからこそ、一足先に独立し、地盤を築いておこうと思った背景も実はあります。

いずれにしても絶賛一緒に仕事できる方を探しております!

たとえば僕がやっている仕事をこなせるBさんCさんを仲間にできれば、BさんがDさんを、CさんがEさんを...というふうにネットワーク化していき、事業も大きくなっていくのではないかと思っています。

この課題は事業をスケールさせること、そして会社が会社になっていくことそのものに直結していくものです。

もう少し具体的にいうと、100万円、200万円稼ぐのは大差がないかもしれない。でもそれを1,000万円、1億円していくのは人を増やすか、そもそもビジネスモデルを変えるしかありません。フェーズ毎にビジネスをリープさせていく「スケール戦略」を考えることは、フリーランスにならないと思わなかったことの一つかもしれません。

もう一つは収益のキャッシュを新規事業に入れていくということで、自分のメディアやプロダクトも作っていきたいです。

今回は全体像の概略をご説明しましたが、もし「もっと知りたい」という声があれば、それぞれの事業についてより深い内容の記事も書こうと思います。

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ケニアで無職、ギリギリの生活をしているので、頂いたサポートで本を買わせていただきます。もっとnote書きます。