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#羅生門

下人はやっぱり「勇気」を振り絞ったのだと思う

下人はやっぱり「勇気」を振り絞ったのだと思う

1.ざっくり

羅生門の門の下で盗人になることを積極的に肯定できない下人が雨宿りをしていた。生きるためには盗人になるしかないが、問題を先延ばししてとりあえず羅生門の楼の上へ。そこで老婆に出会い、老婆の論理を逆手に取るかたちで、引剥(老婆の着物を剥ぎ取る)をする。下人は梯子をかけおり、夜の闇に消えていく。下人の行方は誰も知らない。

2.老婆の論理

・悪に対する悪は許される
・生きるために仕方なく

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#384 羅城門はなぜ修理できなかったのか?

#384 羅城門はなぜ修理できなかったのか?

芥川龍之介の小説『羅生門』に登場する羅生門。
正式には「羅城門」と言い、いわば平安京の正門である。

『羅生門』には、以下のような記述がある。

『羅生門』の時代設定には諸説があるが、平安時代後半~末期(1000年代)くらいと言われている。

この頃、都は荒れ果て、羅城門は修理されることなく朽ち果てていたとされている。

ここで歴史の教科書を見てほしい。
1000年代と言えば、藤原道長を筆頭に藤原

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【読書】羅生門(芥川龍之介)『なら、しゃあないよなぁ!』

【読書】羅生門(芥川龍之介)『なら、しゃあないよなぁ!』

※学校の教科書的な読みは、頭のいい人にお任せします。


これは、奴隷が盗人にクラスチェンジする話だ。

下人(奴隷)は、羅生門で老婆にこんなことを言われる。

3回も「仕方がない」が出てくる。

「しゃあないんじゃ」と連呼しているババアが浮かんできてちょっと笑える。

それを聞いた下人は、「じゃあ、俺もしゃあないよな!」ってババアの着物を剥ぎ取る。

笑い話か?これは。



同時に、ババ

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