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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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記事一覧

2021年回顧1(テレビドラマ)

今年もあと一週間ない状態。昨年に続き、日本全体は感染列島であり続け。まあ、そんな中、世界中がまだその渦中にある割には、日本がそこのところ、落ち着いてきていることは、ちょっと平和な感じがする年末。とはいえ、マスクは外せないし、ワクチンアプリみたいな話も始まり、日本の首相は、顔もよくわからない人に変わり、なおさら、利権のやりたい放題になりそうな予感。とはいっても、個人的には、最後に畳み掛けるようにいろんな人が寄り付いてきていただいたおかげで、とても明るい新年を迎えられそうでござい

「風の向こうへ駆け抜けろ(後編)」チーム・フィッシュアイズが構築されていく爽快さ!

前編は泥臭かったが、後編はとても爽快な競馬ドラマに仕上がっていた。やはり平手友梨奈は笑顔を見せてこそ、素敵な女優だ。まだまだ、彼女が伸びていくだろうな!という予感をすごく感じるドラマになっていた。そう、平手も見事に人馬一体になっていたことが心地よかったのだ。 相当、馬に乗る練習はしたのだろう。JRAも全面協力したようで、ご愛嬌の武豊とのテレビ共演みたいなシーンもあり、最後の桜花賞で武豊を勝たせるのも、出てもらったお礼なのか?もう、JRA、平手でCM作って欲しいよ。すごい似合

「SUPER RICH(第11話)」テーマは、豊かさとは何か?ということだったのだろうか?

初回では、悲しい味のラーメンを食べていた人たちが、ラストでは豊かな味のラーメンを食べている。SUPER RICHとは何か?というところが大きなテーまだったようだが、観ている方には、その着地点に快感はなく、なんか、「そうなの」という感じで終わったドラマということなのだろう。 そう、先週、伏線かと思っていたデイトレーダーの話も、試合が一つ終わった後の資産運用の話ということだったらしく、最終的な騙し合いの中では何一つ役に立たなかったのは、残念。というか、同じフジテレビが作っている

深津絵里「カムカムエブリヴァディ」でどんな芝居を見せてくれるのか?ただただ楽しみである

昨日の朝のラストから、NHK連続テレビ小説「カムカムエブリヴァディ」のヒロインが深津絵里に代わった。最初のヒロイン、上白石萌音のラストの回は、周囲のドラマが次々に変わりながら、彼女がアメリカに行くまでを描いたわけだ。そして、そのカット割と進め方はすごい重く秀逸な流れだった。悲しい顛末の最後の鍵を握ったのが、母娘のあまりにも辛い別離のシーンだった。確かに人生とはこういうことがあるのだが、朝ドラにしては、あまりにも重く苦しい別れを見てしまった気がした。そして、その余韻も残さずに、

「アバランチ(第10話)」日本の国民は、現状を良いとは思っていないということ

このドラマ、2回目を見たところで、ここに書くのをやめた。どうも、一回読み切りの話と大枠の話の絡みがいまいち分かりにくい感じだったからだ。とは言っても、最後の3回くらいは、なかなかどう結果が出るのかわからない状況が面白かった。 そう、アバランチがテロリストに仕立て上げられ、田中要次が死んで(しばらくは、後で生きているんじゃないかとさえ思った)、アバランチの裏工作員の山中崇もそれが渡部篤郎にバレて、窮地に追い込まれ、その上、死んだはずの駿河太郎が生きていたという流れは、エンタメ

「風の向こうへ駆け抜けろ(前編)」平手友梨奈の騎手姿と、底から這い上がる芝居への期待

NHKのドラマまで見ているとキリがないので、もうあまり触れないことにしていたが、競馬の話、平手友梨奈が主演の女性騎手の話と聞くと、見ないわけにはいかなかった。 現在、JRAの藤田菜七子騎手をはじめとして、競馬場では女性騎手が活躍している。それは、このドラマでもあるように客寄せパンダの一つでもあるが、日本の女性騎手の腕は、年々上がっているのは確かで、今年、園田でデビューした佐々木世麗騎手は、地方競馬での新人女性騎手の勝利記録を塗り替えていたりしている。そう、この世界も徐々に女

「SUPER RICH(第10話)」間延びの脚本で、裏切りとか描いても、シャープじゃないよね

グダグダな回が続いて、赤楚が両親のせいで迷惑をかけたという構図の後、その精算的な回だったようだ。だが、これ必要か?と思ったりする。今期のドラマ、多くは10回で終わり、11回まで続けるのはこのドラマくらいのようだ。最近は、ワンクール13回など、作る気もない。この風習もそろそろなんとかしてほしい。まあ、年末年始の金かけた番組も昔みたいに作る気ないのだろうから。逆に考えれば、この時期に一気再放送を行うには10時間くらいが適当みたいな考え方ではないよね?そのくらい、各社ともなんか中途

「二月の勝者〜絶対合格の教室〜(第10話)」学ぶことへの好奇心を教えられるのが受験という考え方

ラストの、柳楽優弥と加藤シゲアキの会話が、このドラマの描かんとするところなのだろう。それは、未来を作る子どもたちに大人が何を教えてやればいいのかということにつながる。学ぶことへの好奇心を紡ぎ、前に立ち塞がる壁に立ち向かうような強い心を作ることが、若い時の教育の基本のような気がする。だが、そういうことより、教師の忙しさとか、子どもたちのいじめにフォーカスがいくような学校では、そういうことがしっかりできないということなのかもしれない。そう、「受験」は唯一の教育の場になっってしまっ

「最愛(第10話)」最愛の人がいる人生の向こうには嘘があるという現実?

なかなか、わかりやすくまとめられた最終回だった。そして、犯人は静かにいなくなり、証拠もなく、皆が平穏のままに新しくリセットしていくというラスト。そこに出てくる吉高由里子の顔を見て、視聴者皆が最愛の表情をするように作られた構造ということなのかもしれない。 そして、人を守るということは、簡単ではないが、時に人を殺めるということに繋がってしまうこともある。そして、それを隠し続けている人は、意外に多いのかもしれないと思ったりする。そう、陰惨な事件があり、亡くなってしまった人は本当に

「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜(第10話)」大切な人が側にいれば、夢は加速していく

冒頭、生見愛瑠、演じるハチ子の結婚式から始まった最終回。先週から一年後という設定。生見と戸塚純貴の結婚は、話の中で特に必要はない気がするが、生見のウェディングドレスは鮮やかで目の保養になった。この子、来年はもっとドラマに出てくる予感はありますね。今回は意地悪の役だったが、もっと明るい役が似合いそうです。とりあえず、チェックです。 そして、最終回は、鹿児島から杉野が格好良く帰ってくるのかと思ったら、杉咲には、自分が帰っていることを話さずに、ストーカーまがいに彼女を追いかけると

「ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~(第11話)」仕事をしている君が好きというのは、最高に好きだという言葉だろう!

あまり最終回らしさはなかったが、次に特別編があるからだろう。なぜに「特別編」と分けなければいけないのかは、理解不能。こういうの、テレビドラマの視聴者にはどうでもいい習慣ですね。映画化まで色々引っ張りたいのだろうが、ビジネス的な面が鼻につくのは良くないと思います。 ということで、シーズン2の最終回では、窪田の存在を本田が思い出したのか?というようなグレーな感じで終わりましたな。本田の留学はまだ先のようで、映画までどう引っ張るのか? で、最後の患者は、工藤阿須加。さまざまな症

「日本沈没〜希望のひと〜(第9話)」大地が消え、人が残る。その悲壮感が描けない現代。

最後の30分で、日本沈没が一気に起こる展開。そこまで、大地が怒っていない状況は、どう考えてもこういうドラマにはあってはならないことだ。そう、それがないことで人々の危機感が全く描かれていない。これでは、庶民が移民に行くくだりも、そんなにうまくはいかないだろう。ドラマ全体約8時間くらいの中で、日本が沈むという、危機状況が今あったらどうなるのか?ということが描けたかというと、まあ、人材不足感、世界からの孤立感的なものは少しは描けていたような気もするが、生きる大地を失くす悲壮感は最後

「二月の勝者〜絶対合格の教室〜(第9話)」子どもたちに寄り添うという視点が明確になって、希望の中で行われる受験

この中学受験ドラマも大晦日明けが今日のラスト。つまり、最終回は受験の佳境から、結果発表までというところか。そんな中で、今回は受験校を決めるミッション。そんな中で、8話までで、見せてきた子どもたちの成長がよくわかる総集編的な中身になっている。そして、ここまで前向きでやってきた子どもたちはそれなりに成長していることが見ている方には面白い。ここで描くドラマは中学受験だからこそ描けるものである。そして、これって昔は普通の学校の先生が感じていたことなのではないか?と思ったりすることも多

「最愛(第9話)」犯人は誰か?そこに視聴者を集中させる連続ドラマ的構造

ボールペンの件から、薬師丸ひろ子が殺人の犯人として浮上するも、そんな単純な構造ではない気がする。そして、この回に15年前の話が出てこなかったのは、それがやはりそこがトリガーということなのか?ラストの岡山天音の一言で、松下洸平にも何か秘密があることが見えてくる。連続ドラマとは、その回毎に。次に引っ張る何かを提示しながら、常に視聴者を引っ張っていく構造を取る必要性がある。だから、それは2時間の映画に中にあるような起承転結ではない。一回ごとに精密に作られてこそ、作品の個性が出てくる