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「二月の勝者〜絶対合格の教室〜(第9話)」子どもたちに寄り添うという視点が明確になって、希望の中で行われる受験

この中学受験ドラマも大晦日明けが今日のラスト。つまり、最終回は受験の佳境から、結果発表までというところか。そんな中で、今回は受験校を決めるミッション。そんな中で、8話までで、見せてきた子どもたちの成長がよくわかる総集編的な中身になっている。そして、ここまで前向きでやってきた子どもたちはそれなりに成長していることが見ている方には面白い。ここで描くドラマは中学受験だからこそ描けるものである。そして、これって昔は普通の学校の先生が感じていたことなのではないか?と思ったりすることも多々ある。とは言っても、昔から、学校ではマンツーマンでは教えてくれなかったか?

そして、今ここにある柳楽の過去も少し吐露される。無理矢理、中学受験に成功させて、受かった子供が、中学の学習についていけず、その家庭が崩壊してしまったという過去があったのだ。そう考えると、「家庭に介入するな」と言いながら放っておけない彼の過去や、無料塾に熱を入れる彼の姿にも納得できるというものである。

そして、井上真央にも、学校に辞めた過去があったことをドラマは描く。生徒のためと思ったことが、自分が悪いとされ、生徒を苦しめた過去。まあ、これは、自分の立ち位置が明確になっていないで、子供たちが納得する状態にできなかったということだろう。本当に、教育は難しいと思わせる。

そんなことを感じながら、受験のプロとして、彼らがここにあると、なかなか塾の意味合いを明確にするラス前の話だった。そして、関係ない、結婚話も、意味を見せてくる。「子供たちを見ていたら結婚したくなっちゃった」というような台詞も入れながら、いわゆる少子化問題は、子供たちの姿にあるかもしれないというヒント?

まあ、柳楽や井上が、困っている子供たちに投げるアドバイスも、なかなか適切である。あくまでも、「子供たちが何を望んでいるか」「成功に向けての自信があるのか」その二つを家族にも納得させるのは、家庭というものがあって、そして個々の生徒の気持ちがあって、受験は成功するもので、それゆえに受験ビジネスは成立するというものである。

現在の塾の在り方、そして教育のあり方みたいなものをなかなか上手く描いてきたここまでだと思う。加藤シゲアキは、ここまで客観的に彼らを見てきて、受験ビジネスを見つめ直す役所なのであろう。そういう、ドラマの構造もうまくできていたと思う。そして、何よりも子供たちの演技が何よりこのドラマを作っている。それを束ねる教師役には、やはり、柳楽優弥のような濃い役者が必要なのもよくわかる。そういう意味で締まったドラマになったと言えるのだ。とにかく、ラスト、結果を楽しみにしよう。

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