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「風の向こうへ駆け抜けろ(後編)」チーム・フィッシュアイズが構築されていく爽快さ!

前編は泥臭かったが、後編はとても爽快な競馬ドラマに仕上がっていた。やはり平手友梨奈は笑顔を見せてこそ、素敵な女優だ。まだまだ、彼女が伸びていくだろうな!という予感をすごく感じるドラマになっていた。そう、平手も見事に人馬一体になっていたことが心地よかったのだ。

相当、馬に乗る練習はしたのだろう。JRAも全面協力したようで、ご愛嬌の武豊とのテレビ共演みたいなシーンもあり、最後の桜花賞で武豊を勝たせるのも、出てもらったお礼なのか?もう、JRA、平手でCM作って欲しいよ。すごい似合うと思う。

まず、1年足らずで、一匹の競走馬を地方競馬から中央のGⅠレースに出場させる話である。そして、前編で散々描いたごとく、見事なポンコツ厩舎からの挑戦。そして、そのポンコツが、周囲に避難されながらも、フィッシュアイズという一頭の馬の「気」に導かれ、その勝利のたびに一致団結して夢を見ていくというストーリー。まあ、競馬ドラマとしては王道なのだが、その周囲の人々を見事にそつなく描いてまとめられていた。ファンの声が少し足りなかったかなと思ったら、ライバル騎手の娘が平手のファンだったみたいな話を入れていたりして、まさに競馬は多くの人の思いの中に勝利を掴むものだという本質をうまく描いていた。

そして、桜花賞トライアルをメインの舞台に持って行ったことは正解だろう。そう、目標に向かって最後の試験みたいなところである。そこに、馬に関わった多くの人々の心を集中させるようなドラマの演出はなかなか見事。そして、最後に、声を出せなかった板垣李光人が、ゴールで叫ぶという展開も入れながら、すごい興奮の状況が描かれていた。そう、競馬場のあの空気感をドラマとして見事に仕上げた感じが良かった。板垣は、「青天を衝け」では、品のある役を見事に演じたが、ここでは元傷害犯役。いろんなコントラストが演じられる役者であると感じた。来年はもっと色々な役を任されるでしょうね。

主役の平手友梨奈は、本当に気持ちよく騎手の役をやっていた感じ。女性騎手とかでなく、一人の騎手として取り上げられたいという、今の日本で描かなければいけない本質を背をっているような役でもあり、こういうアゲインストからの回帰みたいな役が本当に似合う子でもある。「ドラゴン桜」で東大合格してオリンピック目指すみたいのも同じですものね。これから、まだまだ同じような役も演じて欲しい感じです。

さあ、現実の中央競馬は、本日が「有馬記念」。ある意味、今年の締めくくりです。その前日に、こういう競馬ドラマを流すNHK。いいじゃないですか。ご馳走様でした。まあ、でも地方の女性騎手が中央のG Ⅰに挑戦という夢、この数年以内には夢ではなくなるかもしれませんね。その前にJRA藤田菜七子のG Ⅰ出走が見たいですね。早くその日が来ることをお待ちしております!


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