今昔バス物語(1)

私もそうであるが、90年代つまり平成の前半を知っている人にとって、この30年でバスの乗車マナーは大きく変わった。

昔のバスは、後ろから3段の階段を上がって乗っていたし、降りるときも前の階段を3段下りるという形だった。(前にしか乗降口がない場合もある)

今のように、ノンステップが当たり前ではなく、ベビーカーは畳んで乗る必要があった。

それが人権意識の高まりを受けて、車椅子の人も乗車できるように、バスの車体が改良されたのである。

また、今では、バスが停留所に完全に停車するまで席を立たないようにと言われるのだが、昔は、バス停が近づくと降りる客は、ほとんどが席を立っていたものである。

運転手の車内アナウンスも、昔より増えた。

自動音声アナウンスが流れるのは、昔と変わらないのに、わざわざ次のバス停の案内を、自動音声アナウンスにかぶせて運転手がやっていることも多い。

コロナ禍で、乗客はなるべく車内の会話は控えるようにしているのに、運転手だけはコロナ禍でもしゃべり続けている。

自動音声アナウンスがないなら分かるが、運転手の肉声まで必要か?と思ってしまう。

私がマイカーを運転するとき、同乗者としゃべりながら運転するのはリスキーだから、信号で止まったときとか、必要なときにとどめている。

バスの自動音声アナウンスも、元はと言えば、運転手の負担を減らすため(車掌がなくなりワンマンになったから)ではなかったか?

訪日外国人のために、自動音声アナウンスを運転手が英語で伝えるならウェルカムであるが、二重に日本語アナウンスされても、日本語の分からない外国人にはストレスではないだろうか。

逆に、私たちが、アメリカのバスに乗って、自動音声アナウンスと運転手の肉声をバラバラに英語で耳にしたら、英語が分からないだけでも不安なのに、よけいにストレスが大きくなるだろう。

私は、リーマンショックがあったときは、ドイツのミュンヘンに滞在していたが、そこのバスの運転手は静かで、車内の電光案内板の情報だけを見て、降りるタイミングを判断していた。(今はどうなっているか知らないが)

ドイツの連結バスが珍しかったのを今でも覚えている。

今昔バス物語、今日からスタートである。




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