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ひときわ輝く白、6月の緑

雨の日もあるけれどまだ梅雨入りをしていない今時分。
潤いのある空気、ひんやりする風、そして若々しく力漲る太陽。


東京はこの季節が一番素敵だと思う。


町を歩くと家々の緑がとても綺麗。
こんなに緑が綺麗だった?と今更の発見です。

そして、
ドクダミ、クチナシ、ヤマボウシ。
6月には白い花がたくさん咲きます。

ドクダミやヤマボウシのように四弁の花が多いせいか、
ただ清純だけな感じじゃなくて、いろんなことを含んだ濃厚な白を感じます。

それは、レースでなくてシルクタフタの白。
そんな白が一番輝く緑の季節。


そして、「6月の白」から思い起こされるのが「6月の花嫁」。
西洋のジューンブライド(June bride) の由来はいろいろありますが、現代においての一番の理由は、花嫁の白いウェディングドレスを一番美しく魅せるのが6月の緑だから。かもしれない。

ところで「6月」の名となった、6月(June)の守護神 ジュノ(Juno)は、ギリシャ・ローマ神話世界最高位の女神。
フルネームは「Juno Moneta」といい、ギリシア・ローマ神話の主神ゼウス(ユピテル)の妻。

姓(苗字)は洋の東西を問わず出自や職能や出身地を表しますが、彼女のそれはMonetaなのですね。全知全能のゼウスの妻が moteta という苗字(添え名)をもつというのは意味深です。

moneta は money の語源となった言葉で、本来の意味は“warn, advise” (警告する、忠告する)。そして古代ローマのコインは Juno の神殿で鋳造されました。
今もサッカーの試合の前にコインを投げて先攻後攻を決めるのは、コイン(money)自身に何かを告げる力があると考えられているからでしょう。

そう思うと、「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」というのは、「6月に結婚する花嫁は大事にされる」ということかも。


だって、美しくて、知らない情報を持っていて、その上、お金持ち。


そんな風に言うと身も蓋もないのだけれど、まったく知らない男女が新しい家族になるというのは、今よりももっと、互いに切実な思惑があったに違いないと思うのです。



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