森山 智子

結構ながくITの仕事をしてきて着物がとても好きです。理系なことも文系なことも、クリエイ…

森山 智子

結構ながくITの仕事をしてきて着物がとても好きです。理系なことも文系なことも、クリエイティブの世界もビジネスの世界も、同じくらいの距離感で好きです。50代半ばを過ぎて経験と可能性の間に立ちつつ、とりあえず好きなことに素直になれそうです。 https://www.rukai.com

最近の記事

  • 固定された記事

生まれかわることは、つなぎなおすこと

2年ぐらい、すべての思考がとまってしまったようになっていたのが、そっとそっと自分自身の感覚を慈しむようにあることを続けるうちに、再び、思考と感情が動くようになりました。それは、まるで生まれなおすような感覚ですので、そのことを書き残していきたいと思いました。 身の回りにやってくるいろんな情報が、あるとき閾値に達したかのように過去に記憶したことと合体して新しい展開を連れてきます。このnoteとの出会いもそんな風でした。そして、このnoteにならそんなドキドキするような体験を書い

    • すごく気になる女が二人 ー 東京国立博物館 特別展「やまと絵」

      現在、東京国立博物館で開催中の、特別展「やまと絵」。 いろいろ、ほんとうにもう、見どころ満載ですが、その実物を一度見て、忘れられない女が二人いました。 ひとりは、この子。 (展示作品 No.189) 『福富草紙』に出てくる夢占師のところにいる女の子。 屏風に隠れながら、放屁の術をしまくる秀武をそっと見ているのですが、彼女の頭の中がリアルに想像できると言うか、今でもこんな子いるなぁと。 * そして、もう一人はこちら。 (展示作品 No.185) 『土蜘蛛草紙』のあ

      • それは憑依か収奪かー東京国立博物館 特別展「やまと絵」

        スターウォーズの一番最初の作品、エピソード4のラストの戦い。 反乱軍のXウイングファイターに乗ったルーク・スカイウォーカーは、デス・スターの中央反応炉にプロトン魚雷ミサイルを打ち込むべく、超高速で走破しながら、反応炉につながる幅わずか2メートルの排熱孔を狙います。 * 東京国立博物館で開催中の特別展「やまと絵ー受け継がれる王朝の美ー」の第3章/第3節の後半エリア。 ここの展示の「選択と配置」は、まるで月の表面の2mを射抜くようなものでした。(デス・スターは月のサイズ)

        • 東京国立博物館「やまと絵」展と内藤湖南の「応仁の乱について」

          先月から東京国立博物館で特別展「やまと絵 受け継がれる王朝の美」が開催されています。 特別展のHPの案内に とあるように、「総覧」すべく、途中三回の展示替えがあって、展示期間ごとにガラリと内容が替わるようです。 展示替えがあるのと入場料が2000円を超えるのとで、ちょっと躊躇していましたが、HPのこの文章を読んで、これは「見に行こう!」と思いました。 平安時代の最先端、鎌倉時代の最先端、南北朝時代の最先端、室町時代の最先端って、一体どんな空気感だったのでしょう。 そ

        • 固定された記事

        生まれかわることは、つなぎなおすこと

          秋の空高く、月の霽るかす

          長野草風の「高秋霽月」 (こうしゅうせいげつ) 大正15年の作品です。 霽は「はるかす」と読みます。 雨冠は、空模様(天の気)を あらわしますので、 「霽」というのは 「齋の気」満ちる空。 こないだのアークヒルズの 空の雲のままの月夜でしたら、 きっとこんな風。

          秋の空高く、月の霽るかす

          京紫に咲く

          夏の名残を惜しむように 紫色の朝顔がたくさん咲いていました。 もうお昼の2時を過ぎているので、 それに雨にも打たれて 少し萎えた風情です。 この紫はピンク味がかかっているので 京の紫。 紫といえば、五月の頃の 菖蒲や燕子花の紫を思い出しますが 光琳の描く燕子花は青い。 秋は紫も紅がかるのでしょうか。 もうそろそろ 紫の縮緬の袷の色無地が 着たくなる季節になりました。

          京紫に咲く

          黄色に色付き出し始める頃

          今日は一日中しとしとと 雨が降っています。 気温は22度ぐらいで ひんやり気持ち良いです。 緑から黄色への途中が綺麗でパチリ。 エゴノキ、という木の葉っぱ。

          黄色に色付き出し始める頃

          5mmのカタツムリ

          モロヘイヤの新芽がもう出ないというので、 全部刈り取って、葉っぱを千切っていたら、 5mmぐらいのカタツムリがいました。 (セーフ😊) 新しい住処はツルムラサキです。

          5mmのカタツムリ

          更科(さらしな)の月を見ようと

          9月になって最初の日、今年の夏は列車の旅(青春18きっぷ)をしていないなぁと、少し寂しい気分になっていました。 よもよも決めかねたまま路線図を眺めていたら、長野県の篠ノ井線の「姨捨」という駅に「月の名所」と紹介があるのを見つけました。 「姨捨の月」 何処かで聞いたことがある、と記憶を辿ってみると、集英社の「図説 日本の古典」シリーズの『古今集・新古今集』の冒頭にあった写真の月でした。 この写真を見たとたんに「こんな月が出るところがあるのか」と息を呑みました。 姨捨山

          更科(さらしな)の月を見ようと

          思いがけず秋草図

          九月も半ばを過ぎて、 日暮れの時間もいつのまにか 随分と早くなりました。 もうすぐお彼岸ですね。 都会の公園でも秋の虫の大合唱。 街灯が抜き出した 植え込みの草の影が 芒や萩の屏風絵のようで 金箔散らばる なんちゃって琳派のようでした。

          思いがけず秋草図

          大江の人たち

          コーヒー屋さんで 大江匡房の本を読んでて ちょっと一服して天井を見上げたら 配管が龍の鱗に見え出してしまいました。 和泉式部の娘に大江山の歌がありますが 彼女達が大江の血筋の人だったことを この本で今更知りました。 うっかりしたことに、 和泉式部の出自については これまで何度も触れて来たのに、 「大江」というつながりに、 全く気づいていませんでした。 そうか、天橋立は天に昇る龍かと。。

          大江の人たち

          江戸時代の「大坂の旅」の予習

          新幹線のおみやげ。「おおさか」〜 司馬遼太郎、1923年、大正12年生まれ。 東海道・山陽新幹線の「ひととき」に特集されていた「生誕100年 司馬遼太郎と大阪」読み読み引き引きしました。 私は関西出身で大阪は馴染みのある町なのに、「読むたび、新しい旅」の副題のとおり、「こんなん知らんかった!(新しい発見)、大阪行きたい!(新しい旅)」と思わせる記事。 司馬遼太郎は、もっぱら『街道をゆく』だったりドナルドキーンとの対談本しか、読んでこなかったのですが、ここに紹介されている

          江戸時代の「大坂の旅」の予習

          オクラは儚く逞しく

          オクラの花は淡い黄色。 一日花の儚い黄色。 覗いてみたら花芯は濃い紫。 そのまま雌蕊がオクラの実になります。 成長の先端の緑は若々しく、 でも、オクラは紫を潜ませているようで 毛羽だった葉や茎の葉脈に赤紫が見えます。 長く生きることは、 それなりに逞しくなるものだと オクラを見て思いました。 植物も動物も 赤はエネルギーの源の色かもしれない。

          オクラは儚く逞しく

          竜と雷と電と

          昨夕の空、 鳥たちがざわついて、 雷の気配とともに ひんやりした風が吹いてきました。 唸り声の様な低い音が広がり、 六甲山の麓の西宮の方が ずっと光っていました。 これが龍。

          竜と雷と電と

          いつかどこかで見ていた海

          仕事が終わって、表参道のスパイラルに立ち寄ったら、 思いがけず、そこに「海」がありました。 どこかで見たことがある。 そう直感したのは、窓が描かれているせいでしょうか。 自分の記憶に直結する感覚。それも、とてもリアルに。 表参道の街の中に、海海海。 スパイラルは、2階へ上がる階段の踊り場がガラス張りなっていて、道路に面して椅子が置いてあります。 そこに座っていたら、目の前の246号線の向こうに、オレンジの夕焼けがほんの少し見えました。 それだけでもう、関東平野中の夕焼

          いつかどこかで見ていた海

          夏に芒が

          久しぶりに公園を通ったら、 青々と芒が生えていました。 まだ背丈は30cmぐらいの 芒の子どもたち。 秋にいきなり出現するのではないと、 考えてみたらそうなのですが、 初めて知った気分です。 そしたら、ちゃんと夏の季語にもなっていて 「青芒」というそうです。 それで、今日はこの夏初の蝉の声もしています。