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はるるん、海を渡る

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重症心身障害児として生まれ、盲目で車椅子が必須のハルが、家族とともにどこへでも出かけ、登山にも海にも行き、そうしてついに、家族と一緒に海を越えてインドにやってきた。インドでの彼女…
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#子育て

その時はその時だ

その時はその時だ

ロックダウン下のインドに残留3月23日からデリーが、次いで25日からインド全土がロックダウンに入り、駐在日本人の多くは、しばらく様子を見ていたと思う。ロックダウンが延長し、事態が長引く様子をみて、避難便で日本に帰国することに決めたという家族も多いかもしれない。感染の拡大ということもそうだけれど、おそらくいざというときの医療体制が日本の方が安心できる、というのが大きな理由なのだろう。

WHO勤務の

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はるるん、ファッションショーに出る

はるるん、ファッションショーに出る

最初に話をもらったのは、1ヶ月以上前のこと。タマンナのディレクターの先生から突如呼び出しがかかり、「毎年恒例のタマンナとデザインカウンシル主催のファッションショーがあるが、ハルも出たいかどうか」と聞かれた。

ファッションショーとハルがにわかには結びつかなかった私は、どういう意味なのかすぐには理解できなかった。何かの関係でタマンナの関係者がファッションショーに招待されているだけなのだとしたら、日曜

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インドでケトン食療法③:ケトン比3:1の実践

インドでケトン食療法③:ケトン比3:1の実践

様々な薬を試してもてんかん発作の数が減らず、ケトン食療法を勧められたはるるん。インドの栄養士さんに相談しつつ、一時帰国前にと見切り発車的になんとなくケトン食療法をスタートした。

日本でケトン食療法を仕切り直し5月8日からなんちゃってケトン食療法を初めたはるるん。当初は3日ほどでケトン体が出だし、ケトン試験紙のチェック表で言うところの3+程度を保ち、発作の回数も減ったように見えた(はるるん、ケトン

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はるるん、新学期始まる

はるるん、新学期始まる

インドの学校は5月後半から6月いっばい夏休みのところが多く、ハルが通う特別支援学校、タマンナも長い夏休みがあった。

薬の調整のせいなのかなんなのか、5月からずっと昼間うとうとすることが続いていたハル。休みがちなまま長い夏休みに突入し、そのまま日本に一時帰国をして7月に入り、なんだかずいぶん久しぶりの登校となった。

当然というかなんというか、上の子達が通うインターナショナルスクール(寒いほど冷房

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インドでケトン食療法②:フライイングスタート

インドでケトン食療法②:フライイングスタート

はるるん、実は、ケトン食療法を始めて2週間が経った。

前回の投稿で、ケトン食療法について栄養士のシェファリと面談をしたことを書いた。そこでは、日本への一時帰国が終わってから始めましょうということになったと書いたはずだが、「発作が多すぎるし毎日トロンとしていて可愛そうすぎるから、いいじゃん、俺達でやってみようよ」というテキトーな(?)夫の発言の下、勝手にケトン食療法を始めることになった。

シェフ

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はるるん、発作再び

はるるん、発作再び

以前の記事で、はるるんの発作がどういうわけかなくなったことを書いた。発作が消えた時のハルはものすごく覚醒度が高くて、すぐにニコニコするししょっちゅう声を出して笑うし、今までのハルとは別人のようだった。

ところがしばらくして体調を崩したのをきっかけに、再び発作が出現し始めた。それでも体調が持ち直すとまた発作はなくなったように思ったのもつかの間、次第に以前のように発作の回数が増え始め、3月の末頃から

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はるるん、歩くべきかどうか問題

はるるん、歩くべきかどうか問題

実はここ最近、ハルはインドの薬への移行とともに、もう一つ大きな問題に直面している。

補装具の提案1ヶ月ほど前、タマンナのリハビリで、足に補装具(足を正しい方向に向けるようサポートする器具)をつけたほうが良いのではないかと提案された。

両足の長さが違ってきてるのも気になるし、一度整形外科医に見てもらってきてね、とOTの先生に言われた。OTのハルミットは、ゆくゆくは立つ練習をし始めることを考えると

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はるるん、発作が消えた!?

はるるん、発作が消えた!?

2月に入って、長男が虫垂炎で入院すると同時に熱発したはるるん。

夜は咳き込んでなかなかまとまって眠れず(ハルの夜担当のパパももちろん寝不足)、昼間も熱と咳でご飯があまりちゃんと食べられないのでエネルギーが不足してうつらうつら。

3〜4日高熱が続いて、ようやく熱が下がったと思ったのもつかの間、喉が痛いのか体力が落ちているのか食欲がないのか、なかなかご飯を食べることができない。メイドさんたちとも協

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インドの医療、必要なのはお金と主体性

インドの医療、必要なのはお金と主体性

病院ラッシュの2月がもう間もなく終わる。

2月に入って一つも記事をあげられなかった自分にがっかり。

といってもまだまだ子どもたちの異変は続いている。そうなのだ、2月に入ってから子どもたちがおかしい。おかげですっかりインドで病院に行くことが苦ではなくなった。

私立こども病院の受診最初の受診は予定していたものだった。

インドにきて3ヶ月たつし、そろそろハルのインドでの主治医をみつけておこうと思

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はるるん、インドでリハビリを受ける

はるるん、インドでリハビリを受ける

久しぶりのはるるん学校ネタ。

実は、先週はTamanaの校内が寒すぎて少しお休みをした。

インドは常夏だと誤解されがちなのでここで少し言及しておくと、インドにも冬がある。北半球だし、緯度でいえばニューデリーは沖縄とか鹿児島と同じくらいである。といっても私達家族が以前住んでいた長野県M村に比べたら寒いとはいえないレベル(寒くても10度前後)だし、寒いのは12月中旬くらいから1月下旬くらいまでと短

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