稲鍵屋書店

自分の大好きな小説を多くの人に紹介したくて、noteを始めてみました! このnoteを…

稲鍵屋書店

自分の大好きな小説を多くの人に紹介したくて、noteを始めてみました! このnoteをきっかけに、小説を手に取ってくださる方がいてくれたら嬉しいな…!

最近の記事

31冊目:正欲/朝井リョウ

気軽に共感を求める現代。 でも、共感できなくても宝物になるのが読書の真骨頂!本日はついにラストとなる31冊目。 最後を締めくくるのは朝井リョウさんの「正欲」です。 ここまでは「読書初心者向け」の看板を掲げている以上、文庫化されている作品の中から選ぶことをモットーにしてきましたが、最後のこの作品だけはどうかお許しを…! まだ文庫化されていませんが、ゆたぽんとかおっさんずラブとか時事ネタがたくさん盛り込まれていて、まさに現代を切り取った小説なので、ぜひリアルタイムで読んでいただき

    • 30冊目:さよなら神様/麻耶雄嵩

      こんなミステリーってあり?! ~孤高の天才ミステリー作家が辿り着いた境地に震撼本日ご紹介するのは、超問題作ミステリー「さよなら神様」です。 昨日の投稿を読んで、本格ミステリーの紹介はひとまず打ち止めなのかなと思った皆さん、甘いです!笑 本日はこれまでで最も強烈なミステリーをご紹介したいと思います! さて、みなさんは麻耶雄嵩さんというミステリー作家さんを知っていますか? この作家さんは、一言でいえば「ミステリー界の求道者」だと思います。 大衆ウケなど全く眼中になく、ただひたす

      • 29冊目:探偵が早すぎる/井上真偽

        俺はまだトリックを仕掛けてすらいないんだぞ!? ~史上最速の探偵が絶対に人を”殺させない” ミステリーの新機軸 早いものでミステリー紹介シリーズもついに第10弾。 これまでの投稿でも実に様々なバリエーションのミステリーを紹介してきましたが、本日は第10回の節目ということで、これまで以上に斬新な発想の一冊をご紹介します。 その小説とは井上真偽さんの「探偵が早すぎる」。 この小説は、ミステリー史上、「最速」の探偵が登場するミステリーです!!   従来のミステリーでは、探偵役は殺人

        • 28冊目:ドローン探偵と世界の終わりの館/早坂吝

          北欧神話の終末論に取り憑かれた男が建てた迷宮で起こる不条理な連続殺人事件 ~稀代のトリックスターが仕掛ける「読者への挑戦状」時にミステリーというジャンルは、作者と読者の「知的遊戯」であると表現されることがあります。 作者がミステリーの中に忍ばせた魅力的な謎の解明に読者は挑み、探偵役と一緒になって事件を推理したり考察したりする。 ミステリーには、真実を最後まで分からせまいとする作者と、その謎を探偵役よりも早く解き明かそうとする読者との知的な対決という側面があるのです!   そん

        31冊目:正欲/朝井リョウ

          27冊目:がん消滅の罠 完全寛解の謎/岩木一麻

          治るはずのない癌はなぜ消滅したのか ~がん消失事件の陰謀と衝撃の結末に呆然ミステリー紹介シリーズ第8弾は、医療ミステリーのジャンルから岩木一麻さんの「がん消滅の罠 完全寛解の謎」をご紹介します。 医療ミステリーと聞くと、何やら専門的で難しい感じがしますよね…! でも、ご安心ください。 この作品は、たしかに専門的な話はたくさん出てくるのですが、作者の説明がかなり分かりやすいので違和感なくすらすら読むことができますよ! やや難解な部分もあるのですが、本筋は素人でも直感的に理解で

          27冊目:がん消滅の罠 完全寛解の謎/岩木一麻

          26冊目:半落ち/横山秀夫

          殺人を自首してきた男がひた隠しにする 「空白の2日間」の真実とは? ~組織の論理と個人の矜持のぶつかり合いの 果てに明かされる心が震える真実ミステリー紹介シリーズ第7弾は横山秀夫さんの名作「半落ち」です。 この作品は2003年版のこのミスで大賞を獲得したほか、映画もかなりヒットしたそうなので、ご存じの方も多いことでしょう!   そんなこの作品は、一言でいえば「ホワイダニットミステリーの大傑作」です。 昨日、東野圭吾さんの「悪意」を取り上げた際に「犯人の動機の解明に主眼を置くホ

          26冊目:半落ち/横山秀夫

          25冊目:悪意/東野圭吾

          人間の底知れない悪意に戦慄 ~へんちくりんな笑顔見せて歩いているボクはナニモノ?本格ミステリー紹介シリーズ、第6弾は東野圭吾さんの「悪意」です。 東野圭吾さんといえば「容疑者xの献身」「秘密」「白夜行」「流星の絆」「新参者」「マスカレードホテル」など、ミステリー史に燦然と輝く素晴らしい傑作を幾つも生み出している、言わずと知れたNo.1人気作家さんですが、そんな東野作品の中でも最高峰といえるのがこの「悪意」です。 この作品は「東野文学の最高到達点」と断言しても差し支えないほど凄

          25冊目:悪意/東野圭吾

          24冊目:リピート/乾くるみ

          掟破りのクローズドサークルに興奮!! 「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」に挑んだ仰天の傑作ミステリー紹介シリーズ第5弾は乾くるみさんの「リピート」です。 この作品は人生で最もハマったミステリーと言っても過言ではないでしょう! SFとミステリーを見事に融合させた世紀の大傑作ミステリーと思っています。   そんなこの小説は、主人公の毛利に、風間と名乗る謎の男から一本の電話がかかってくるシーンから始まります。 謎の男・風間は自らを「未来から来た」と語り、その証拠として未来に起

          24冊目:リピート/乾くるみ

          23冊目:月の扉/石持浅海

          こんなクローズドサークル見たことない! 神秘性と論理性を兼ね備えたハイジャックミステリーミステリー紹介シリーズ、第4弾は石持浅海さんの「月の扉」。 石持浅海さんって、名前からして絶対女性作家さんだと思いますよね? 実は男性だということを知ったときは、とても驚きました!!笑 桐野夏生さん、桜庭一樹さん、北村薫さん、住野よるさん、乾くるみさん、有川浩さん、恩田陸さん、高尾長良さん…名前で性別判断できない作家さん多すぎ問題。笑   そんな石持浅海さんを読むようになったのは、ミステリ

          23冊目:月の扉/石持浅海

          22冊目:ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人

          「十角館の殺人」の衝撃再び 日本ミステリー界の新時代を告げる圧倒的傑作ミステリー 本日ご紹介するのは、市川憂人さんの「ジェリーフィッシュは凍らない」。 この作品は、帯にあるとおり、まさに「そして誰もいなくなった」×「十角館の殺人」! これは素晴らしい本格ミステリー小説ですよ!! 宣伝文句がとんでもなくハードルを上げていますが、実際めちゃめちゃ面白くて、読み終わった瞬間、思わず興奮して立ち上がっていました!! 久しぶりに打ちひしがれるほど完成度の高いクローズドサークルの作品を読

          22冊目:ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人

          21冊目:屍人荘の殺人/今村昌弘

          デビュー作にして国内主要ミステリー賞4冠を達成 ~ミステリーマニアがこぞって絶賛する2010年代最高の傑作ミステリー本日ご紹介するミステリーは今村昌弘さんの「屍人荘の殺人」。 この作品は、デビュー作にして国内主要ミステリー賞4冠という、史上初の快挙を成し遂げたことで大きな話題を呼んだ作品です。 ミステリー界隈では、綾辻行人さんの「十角館の殺人」以降の作品を「新本格」と呼ぶことが多いですが、一部のミステリーマニアからは「新・新本格だ」と崇められるほど大絶賛されています。 また

          21冊目:屍人荘の殺人/今村昌弘

          20冊目:十角館の殺人/綾辻行人

          これを読まずにミステリーを語るなかれ~ 30年以上読み継がれ、今なお新しい読者を驚かせ続ける国内ミステリー最高の至宝早いもので、もう20冊目を紹介する日が来ましたね! 今日からしばらくは、ミステリー週間として、大好きな本格ミステリーをたくさん紹介していきたいと思います! これまでもミステリー要素を含む作品は数冊紹介してきましたが、より本格寄りの作品を厳選して紹介していきます!! ということで、本日ご紹介するのは、1987年に出版された綾辻行人さんの大傑作「十角館の殺人」。

          20冊目:十角館の殺人/綾辻行人

          19冊目:喜嶋先生の静かな世界/森博嗣

          学問とはこれほどまでに深遠で、研究はこれほどまでに純粋。 ~一日中、たった一つの微分方程式を睨んでいたあの素敵な時間は、どこへ消えてしまったのだろう?本日19冊目に紹介するのは森博嗣さんの「喜嶋先生の静かな世界」です。 この小説は、これまで紹介してきた小説とはやや趣向が異なり、作者の自伝的小説の色彩が濃い作品です。 というのも、この小説の作者である森博嗣さんは、元名古屋大学工学部の助教授という肩書を持つ生粋の理系研究者。 この作品では、森さん自身の大学生活、研究者生活を基にし

          19冊目:喜嶋先生の静かな世界/森博嗣

          18冊目:宝島/真藤順丈

          どんな暴力にも支配にも奪われない島の宝 ~願いは誰にも撃ち落とせない本日ご紹介するのは直木賞受賞作でもある真藤順丈さんの「宝島」。 この作品は上下巻に及ぶ大作なので、読書初心者さんにはちょっとハードルが高いかもしれませんが、ぜひ思い切ってチャレンジしていただきたい! 物語の熱量と圧倒感がとても凄まじい作品なので、読み終わったときかなりの達成感と充実感を感じるはずです!! そんなこの作品は、アメリカ施政下の沖縄で虐げられ続けてきた現地の人たちの現実を描いた圧倒的大作。 幼い頃

          18冊目:宝島/真藤順丈

          17冊目:影法師/百田尚樹

          将来を嘱望された親友はなぜ不遇の死を遂げたのか ~光当たるところに影がある本日ご紹介する17冊目は百田尚樹さんの最高傑作と名高い「影法師」。 これも涙なしには読めない素晴らしい傑作です!   そんなこの作品は、自分がオススメするのは珍しい「時代小説」。 自分は、時代小説独特の言い回しや読みにくい名前が苦手で、本来時代小説はほとんど手に取りません。 しかし、この小説の作者である百田尚樹さんは読者サービスに非常に心を砕かれている方なので、「百田さんの時代小説なら読めるかな~」と思

          17冊目:影法師/百田尚樹

          番外編:角川文庫を買いに行こう!

          おはようございます!皆さんはこの土日をどのように過ごされますか? 今回は「ぜひこの土日に書店に立ち寄ってみませんか?」という投稿です。 というのも、以前にも書きましたが、現在「ニコニコカドカワ祭り2021」というキャンペーンが実施されているんです。 このキャンペーンでは、なんと書店で購入したKADOKAWAのすべての本・雑誌について、購入金額の最大半額分の図書カードがもれなくもらえるんですよ!!! 新刊本が実質半額で購入できる…(ごくり) こんなキャンペーンそうそうないので

          番外編:角川文庫を買いに行こう!