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22冊目:ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人

「十角館の殺人」の衝撃再び
日本ミステリー界の新時代を告げる圧倒的傑作ミステリー


本日ご紹介するのは、市川憂人さんの「ジェリーフィッシュは凍らない」。
この作品は、帯にあるとおり、まさに「そして誰もいなくなった」×「十角館の殺人」!
これは素晴らしい本格ミステリー小説ですよ!!
宣伝文句がとんでもなくハードルを上げていますが、実際めちゃめちゃ面白くて、読み終わった瞬間、思わず興奮して立ち上がっていました!!
久しぶりに打ちひしがれるほど完成度の高いクローズドサークルの作品を読めたなあと感動すら感じました。
これがデビュー作だなんて末恐ろしい才能…!
あまり有名でないのが不思議でならないのですが、個人的には「屍人荘の殺人」くらい騒がれてもいい、近年を代表する傑作ミステリーだと思います!!
 
そんなこの作品は、1980年代を舞台にした時代改変ミステリー。
特殊な技術によって開発された飛行船、通称「ジェリーフィッシュ」が普及した世界が舞台になっています。
このジェリーフィッシュという飛行船は、真空気嚢を用いた小型サイズの最先端飛行船で、目的地を入力すると全自動で目的地まで飛行してくれるという代物。
ところが、そんなジェリーフィッシュの新型試験機をテスト走行している最中、試験機の自動飛行装置が暴走し、搭乗員たちは予定にないルートへと連れて行かれ、岩壁に囲まれた雪山へと不時着してしまいます。
そして、試験機が制御不能となり、雪の牢獄に閉じ込められてしまった搭乗員たちは、自力下山が不可能と悟り、試験機内で救助を待つこととします。
そして、その数日後。
ようやく彼らの救助に到着した捜索隊が見た光景はとんでもないものでした。
それはなんと搭乗員全員の「他殺死体」だったのです!
 
この事件を起こした犯人は死んだ6名の中にいたのでしょうか?
しかし、6名すべて他殺としか思えない死に方をしています…!
それでは試験機の中に殺人者が潜んでいたのでしょうか?
だとしたら、この雪山の中をどうやって脱出したのでしょうか?
 
雪に閉ざされ完全に孤立した飛行船の中で起こった連続殺人の謎。
こんな魅力的なクローズドサークル、ミステリー好きは高まらずにいられませんね…!笑
物語の最後に判明する「この設定ならではの驚愕の大ネタ」に、誰しも思わず唸らずにはいられない、非常に完成度の高い本格ミステリー小説です!


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