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毎日のことをコツコツと2021

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2021年6月の記事一覧

頑張らないで頑張っている人を笑う人間にはならない

頑張らないで頑張っている人を笑う人間にはならない

「頑張らんで、頑張ってる人を悪く言うやつ、わしは大嫌いじゃ」

父はいつも優しかった。どんな失敗も「大丈夫、また次、頑張れ」と受け止め励ましてくれた。その父に、自分を本気で否定されたのは初めてだった。

バブル崩壊の影響がじわじわと押し寄せていた1990年代後半。
世の中は次第に不景気の波が押し寄せ、わずか数年前は、新卒大学生の売り手市場だと浮かれ騒いでいたはずだったのに、いつの間にか「就職氷河期

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親に「借り」なんてなかった

親に「借り」なんてなかった

親に、まだ「借り」が返せていないと思っていた。

母は専業主婦で、私たちが起きる前に起きて、朝食の用意、弁当作り、掃除、洗濯、畑仕事を一人で全部こなしていた。
父はサラリーマン。旅行やゴルフのような大きな趣味もなく、酒もたばこも適量、たまにデパートで洋服を買うくらい。
母の趣味は洋裁で、私や妹の洋服をよく作って着せてくれた。

その一方で、私や妹のことには、お金も時間も惜しみなく使ってくれた。

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このレイヤーで会いましょう #寄せ文庫

このレイヤーで会いましょう #寄せ文庫

覚えていらっしゃらないと思いますが、ふみぐらさんのnoteを引用させていただいたことがありました。
2019年2月ことです。
ふみぐらさんが、自分にとっての世界を「レイヤー」と表現されていたのがとても素晴らしくて、真似して、「自分はnoteというレイヤーにいられてよかった」と書きました。
ふみぐらさんが「スキ」を押してくださって、うれしかった。

あれから世界はすっかり変わってしまったけれど、ふみ

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褒めるコップ #ショートショートnote

褒めるコップ #ショートショートnote

古道具屋でガラスのコップを見つけた。
コップの表面に目鼻が付いた絵が面白い。
買って帰って、さっそく水を入れて飲んでみたら、突然、コップが「200ml飲めました、エライ!」としゃべりだした。
最初は驚いたが、「1日の目標は1.5リットルですよ、頑張りましょう!」と励ましてくれる。全部飲めると「すばらしい!」と持ち上げてくれる。面白くてたくさん飲んだ。おかげでこの夏は熱中症の心配がなかった。

ある

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中間管理職とかドラマとか#呑みながら書きました

中間管理職とかドラマとか#呑みながら書きました

呑み書きも8回目ですってよ! 流れのはやいネット界で、こんなに長く続くイベントあります? note酒場だって2回しかやってないし、最近のドラマ何て7回で終わっちゃったりするんですから! 

はい、本日のおsかけ、もといお酒は……

オールドパーのろっく。

えへへ、やるでしょ? かっこいいでしょ?

こちら、だいすーけさんにおススメいただいたウイスキーです。
呑みやすいですけど、ほんのりスモーキー

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紙の写真は生きた記憶を残す

紙の写真は生きた記憶を残す

スマホになってからだろうか、写真を撮る行為が日常になった。
子供のころ、写真を撮るといえば運動会のような学校行事か、家族でどこかへ出かけたときや、親戚が友人が集まったときの集合写真くらいのものだった。

今では、毎日作った弁当の写真をインスタに上げたり、何気ない「今ここ」を撮って友人と送りあったり、新聞や雑誌、本の切り抜きも写真で撮ってアプリで管理する。最近の学生は板書を写真で残すとか。
手書きの

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男は女の右側に立つと決まっていたのか?

男は女の右側に立つと決まっていたのか?

どうでもいい話ですが、

あなたのいない右側に 少しは慣れたつもりでいたのに
どうしてこんなに涙が出るの

と、かつてプリンセス・プリンセスは、名曲「M」で歌っていた。

槇原敬之も「もう恋なんてしない」で歌ってた。

さよならと言った君の気持ちは分からないけれど
昨日より長めがいい左に少しとまどってるよ 

以来ずっと、疑問に思っていることがある。

なぜ、男子は女子の右側に立つと決まっていたの

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【独りよがりレビュー】あのときキスしておけば

【独りよがりレビュー】あのときキスしておけば

何かを作って、世の中に公開している人は、きっと誰もが思うだろう。

「私の作品は、人々に受け入れられているか?」

noteの街の隅っこで、細々と文章を綴っているだけの私のような人間でもそう思うのだから、本気で、自分の身を削り、命を削って作品を生み出すプロならば、なおさらだろう。

自分の作品は、自分の分身。

心の奥底に隠された本心をさらけだすことは、怖くてできない。でも、自分の心に沸いたこの感

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最近、料理が楽しいので

最近、料理が楽しいので

家事がやりたくなくて、フルタイムの仕事に就いたと言っても過言ではない。

家でじっとしていられるタイプではないし、手先が器用でもない。できれば、家の中で細々と動くより、外に出て、見て触れて、いろんな刺激を受けたい。知識で知っていることを、この目で確かめて答え合わせがしたい。

でも、めっきり家でいる時間が増えた。
飲みにも行かなくなったし、外食もほとんどしなくなった。

最近、料理が楽しい。
週末

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子宮頸がんワクチンの接種に48,000円も払う羽目になった話

子宮頸がんワクチンの接種に48,000円も払う羽目になった話

注意⚠️この記事は2021年のもので、現在の国の接種方針とは異なります。 
2024年8月現在、国は接種を逃した人に対するキャッチアップ接種を実施中です。今年の9月末までに1回目を接種する必要があるそうです。

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世の中はあの感染症のワクチンで騒いでいるけれど、我が家では、もう一つのワクチン接種が進行している。

我が家の娘(17歳)が接種中。来月7月に最後の3回目の接種を終える予定。

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遺構と記憶と文章と

遺構と記憶と文章と

「発掘」というと土器や人骨のような遺「物」を探すっていう印象が強いけど、僕たちが探しているのは遺「構」なんだよ。遺構って分かる? 昔の人が屋敷を立てたときの柱の穴とか、井戸の跡とか、人が地面につけた生活の跡だよ。

数年前、埋蔵文化財の発掘現場に連れていってもらったことがある。

広い広い、土がむき出しの空き地に、大勢の発掘調査員が手に手に道具を持って地面を掘っていた。
連れて行ってくれた知人も発

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