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20回以上転職のHSS型HSPが『傷つきやすいのに刺激を求める人たち』を読んだ感想やまとめ。

HSP絡みの【繊細さんなんたら~】みたいな本が、本屋のコーナーに溢れていて、各社商魂たくましいな~と感じる昨今。

基本的にこういう自己啓発や心理学的な本は、読者の心配事や弱みに付け込んで、安心感を抱かせる仕組みで刊行される(売り上げが見込める)

なので、この『傷つきやすいのに刺激を求める人たち』(トレイシー・クーパー著)もその類かな?と思ってペラペラ読んでみたら、かなり学術的な側面から論じていたので、歯ごたえを感じ、思わず購入。

結構分厚い内容で、読むのは大変だったが、個人的には、金言とも言える内容も多く、HSS型HSPの自己認識のある人は手に取って損はない一書。

これまで20回以上転職を繰り返して「あーあ、根性なしで、情けねーなー」と自己嫌悪のスパイラルに巻き込まれてきた私ではあるが、これはもう脳の仕組みや遺伝子の性だと分かり、もう一生付き合っていくしかないと我が意を得た。

特に、仕事の章で得た示唆としては

・HSS型HSPは短期プロジェクトに向いている(退屈しないし、合間合間でセルフケアができる)
・過剰な刺激で仕事が続かなくなる
・人の助けになるような意味ある活動をしたい
・人間関係のキツさを感じるとゼロリセットしたくなる
・ゼロ百思考に陥ったら“かみ殺した言葉”が自身の中に眠っている
・仕事上の「こうあるべき理想」と「現実」の乖離を感じると、その理想の言語化が出来ずに「この仕事は自分には向いていない」とすり替えてしまう
・かみ殺した言葉の言語化が出来ると根本的な解決につながるケースがある

のような内容。(一部、時田ひさ子解説員のモノもあり)
上記は箇条書きのメモ程度なので、詳しく知りたい方は、本書を手に取ってもらいたい。

また、セルフケアの章でも、

・誰かに情動のボタンを押されると全てを投げ捨てたくなる
・巨大な力に翻弄される場合は、ポージングとリフレーミングでマインドリセットをする事が大切

とあり、まさに、今も、毎日それと戦っている。

ポージングとは = 一時停止して過剰な刺激の根源から離れる
リフレーミングとは = 一時停止して見方を変える

という意味合いだが、方法は人それぞれかなと思った。
何か情動が動かされるメールやスラックを読んだ場合、一旦、PCの前から離れたり、机に座りっぱなしではなく、外の空気を吸って小一時間はなれて気持ちを落ち着かせないとダメだなと。

これまでの転職は、何かしらの情動が沸き起こり、自己都合退職をしてきた歴史なので、その情動のコントロールが大事だという事は分かっていたけれど改めて言われてそうだと思った。

また、後半において、著者のクーパー博士は、
「HSS型HSPは、人生をどのように過ごすべきかという一般的概念に興味がない」
「人生の後半では、社会の枠組みや価値観から脱却した、真に自分らしい探究や環境を手に入れる為に、決断をする事が大切」(趣意)
のように語っていた。

ただ、そこは自身の複雑性を十分理解して覚悟をもって取り組まないと自滅と堂々巡りの道を歩むだけ、という時田解説員からの釘もしっかりと刺されていた点は良くも悪くもブレーキになった。

やはり、これまでHSP系の本を何冊も読んできたが、
刺激を追い求めてしまうHSSの特性と、
他人からの情動や刺激に弱いHSPの特性が組み合わさった時、

転職したい!仕事やめたい!

と後先考えずに、決断してしまうので、そのあたりは自身の反目しあう性質を十分理解した上で、しっかり自分自身に対する対策を練っていかないとダメかなと感じた。

また、HSS型HSPは、人類精神を向上させるために産まれて来た、選ばれし戦士的な、若干きな臭い内容も書いてあったが、そんなことを言われると、「やっぱりそうだよね?」と思っている自分も実際いる(エンパスについて書かれた本を読んだ時も似たような事が書かれていた)

それで、思い出したのが、80年代のアニメ映画で『幻魔大戦』というのがあって世界中のサイコキネシスの使い手たちが集まって、幻魔と戦うストーリーだったけど、HSS型HSPってそういう感じだと思った。

さあ、選ばれしHSS型HSP戦士たちよ、
今こそ立ち上がれ!世界を救うのだ~!!

・・と言って最後はふざけてしまう部分も、HSS型HSPの悪い癖なんだろうなきっと。

2023.6.5 
ルバル