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ハラスメント

前回、今までいろいろなハラスメントに遭ったと書きました。
と言っても、自分の若い頃の10-20年前はそんな概念もそこまで浸透しておらず(少なくとも日本には)、被害者が簡単に声に上げられる環境ではありませんでした。

勿論今でも、ハラスメント自体が被害に遭った人が簡単に訴えられないことであり、ハラスメントを行っていても自覚していない、理解できていない人々をたくさん見かけます。
実際周りにそのような被害に遭った友人知人もたくさんいて、そのほとんどが真面目で誠実で優しい人ばかりです。

以前長く働いていた食品の会社で、二人目の子供を妊娠し、息苦しさや動きづらさに耐えながら頑張って出社していた頃、歩いている後ろから、

「その歩き方、関取みたいだね〜」

と、当時の所属長の男性に笑いながら声をかけられました。
面白い事を言っているつもりだったのかも知れませんが、その時の不快感は今でも鮮明に覚えています。

その後も同じ方から、「二人目だから今回は余裕でしょ」などと声をかけられ、これはセクハラではないのか…?と感じました。
当時の私には、自分よりもかなり位の高い上長を訴える勇気はなく、その頃は在宅勤務もなかったので、こんなに辛い思いをして出社しているのに、まさか上司にこんなことを言われるなんてと、ただただ悔しさで涙が出ました。

そもそも一人目の育児休暇が終わって復帰した際も、お子さんいるから大変でしょうという気遣いから、大きな仕事は任せてもらえず、子供のいない同期にはどんどんキャリアを抜かされ、自分だけがずっと同じ業務をしていることに気付きました。

何年も自分だけがその会社で成長していないように感じ、皆に置いて行かれている劣等感と、毎日ドタバタで周りや子供に対する申し訳なさもあり、日々過ごすことで精一杯でした。
大丈夫?無理しないでね、と言ってくれるけど、この会社の優しさは、正しいのだろうか…という疑問がどんどん膨らむばかりでした。

自分自身も深く考えずに復帰時は時短勤務を選び、旦那は仕事で帰りが遅いからと、夕方以降はワンオペ育児の毎日。
当時ワークライフバランスという言葉もまだ広がっていなかったので、両立ではなく単純にキャリアを諦めていたんだと気付くのに数年かかりました。
そして、その遅れを取り戻すことはそう簡単ではありませんでした。

子供との時間は、今も含めて当たり前ですがかけがえのない宝物で、一生に一度の貴重な時間を一緒に過ごすことができて幸せでした。
時短勤務にしたことも、家庭優先にしてきたことも、子供のせいには決してしたくない。
ただ、世のワーキングマザー(もしくは同じ状況のファーザー)は必死に頑張っているんだと知ってもらいたいし、それに対して周りからかけてもらいたい言葉は、無理しないでね、ではないのではと思うのです。

仕事も子育ても頑張っていることへの称賛、困ったら助け合おうという平等な立場でのチームワークなど、小さな子供がいることで劣等感を持たないような気遣いが本当に必要なものではないかと個人的には思います。

セクハラの話から家庭との両立に悩む母親の話になってしまいましたが、次回は男尊女卑が残る食品業界から、女性が活躍する化粧品業界に移った後の話に続きます。
今度はパワハラです。


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