マガジンのカバー画像

自由律

28
運営しているクリエイター

#自由詩

8

いまの迷路 100年後にわかるという 無益をすり減らす

ぎゅうぎゅうに詰め込む 誰の肉も 落ちこぼれないように

置いてけぼりの気分 追い越し追いつけと拡声器 わたしもう動けない

千の空の呼吸 熱気に散らばった 戻れないならせめて返してほしい

わからなくていいなんて重すぎる それだけ 繰り返されるようだ 空しい

決定権 自己責任 たぶらかされた気分 だれも大人じゃないじゃない

感じるすべ

もっとみる
7

7

中指を立てて唾を吐いたかと思ったら抱きしめたいと思ったり忙しいな俺の人生は

「王国を作りたかった」蝕んで蝕まれた 赤い月

家庭 仮定 過程 嘘の養分を担っている

繋がる輪っか 笑顔の残骸 一度思い切り手を離せばいい

特定不明な操りの策士に搾取される

ハッピーエンドの続き 見せてあげるって言われてもね 反吐が出る

つけ込まれて 仕返して 手のひら返し うしろの正面 だあれ

6

どちらにしても行き止まる 私の心だけ無限に続くから 想像だけひとり歩きする

試している愚か者 人間として生まれてどうして人間を見下せるのだろう

システムとリスク管理 並列回路 組み込まれて心だけ取り残される

怒気を含んだ咳 花金の夜に マッチ棒のようにそれは擦り切れて

愛しているのに光だけじゃいられなくなる どうして前へ進もうとする わけもわからずに

そうだねと頷きながら踏み潰す わかる

もっとみる

十の音色

道の終着点が見えないけれど
もうすぐ終わるのかなって思う
インスタントカメラを携えて
こっそり戻って写真に収めていた

街並みは変わることを
実感として初めて知った14歳

緑色の大きなまんまるが目の前に現れた
あの光はなんだったのだろう

昔居た場所に行けば
終わることができるとどこかで思っていたけれど
そんなことは全然なくて
ずっとこの胸の痛みは消えない

傷口を縫い尽くして
それでも足りない

もっとみる
9

9

「今回はやめておきます」セミの声にだけ反応するスマホの欠けた縁

観戦努力守秘義務感染 効力が消えていくよ 搾り取られる明日

何でもない日なのに無性に腹立だしい 血糖 決闘 私世の中に怒っている

思いを馳せる失敗に終わる 裏側にまで あの子の秘密

鬱憤を憂さ晴らし 隠蔽工作 夏休みの研究 夢中

燦々と降り注げ そしてどうか祈りよ届いておくれ 私たちはひとつでも何でもないんだ ちゃんと見てお

もっとみる
15

15

●みんな一緒は絶対嫌 でもみんなで助かりたい 単純なことだ 望んで良いか?

●始めるのは億劫 終わらせるのは愉快

●呼吸が上手じゃない 夏休み 畳の匂い 泣き方すら奪われ

●恣意的 安いぞ僕ら 質の悪いアルコールのようだ

●目を背ける 寝言 どうしてここに来て、ふりかざす?

●繰り返される戦争 全然終わっていない だってどこかに必ず潜んでいる

●夏よ 安心して眠らせてくれ 雨の振り方だ

もっとみる
9

9

すべて失くせたら楽なのにと空を

君の強さ 恥じれど本音 揺らぐことなく

おかえりと鳥よさえずる啓蟄の朝

生きている花さえあればなんとでも

泣き声を聞きたくないとテレビ壊す

ひりひりと痛む存在属さない

何故いつも誰かに許しを請いている?

青葉吹けどこまでも自由と笑い声

どんなに憎くても避けられないから深夜を舐める