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<無料公開>日本の教育の現状と取り組みとは③

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現在はよくニュースなどで取り上げられるものとしては、「指導力不足教員の増加」「教員免許更新制」「教員の心の病の増加」などがある。

「指導力不足教員の増加」に関しては、2000年では65人だったのだが、2005年には約10倍に増加している。もちろん教師が行うことは教科指導だけが仕事ではないため、一概に指導力が低下したとはいえない。また、各自治体により、指導力不足教員の認定方法にも違いがあるためこの数字をそのまま受けいれることはできないが、実際に若い年齢の教員は指導力をどこで学んでくるのか。そのシステムはどこにあるのか、など疑問点が多い。もちろん、教育実習や初年度研修などにより経験を積むかもしれないが圧倒的に少ないのではないか。

初年度研修に関しては、その時点で既に学級担任を任されている可能性も高い。そう考えると研修や経験が不足している中で学ぶ子ども達はどうなるのか、など問題点はいくつもある。また、ベテランの教員の場合は経験が豊富な為安心があると考えられるが、そういうわけではない。むしろ、時代の変化に伴う子どもたちの変化や指導する内容の変化に対応していくことができない場合が多い。

「指導力不足教員」の中には、若い人よりもベテランといわれる年配の教師が多いのも事実である。しかし、現状として教員の割合は圧倒的に高年齢層が多いため、表に現れていないだけで実際に深い問題となっていることが考えられる。これもまた、学力低下の一因となっているのだろう。

この「指導力不足教員」の問題を解決する手段の一つとして「教員免許更新制」の導入がある。10年ごとに講習を受ける義務を設けたものである。これにより少しでも教育環境をよりよくしようとする姿勢は評価できるが、ただやれば良いという中身のないものであるならまったく効果は上がらないのではないか。実際に講習で行う内容に関して議論が尽くされていないという意見もある。

また地域による対象となる人の違いや更新できる人は教員をやっているものに限定的であるなど閉鎖的で不明瞭な点も多い。そのため政治的都合もあるが、更新制度自体を廃止する動きがある。そのかわりに教員免許を取得するために大学院を含む6年間の指導と1年間の教育実習を行うなど新たな政策が提案され始めている。その点については、次以降の記事で考察したい。

最近では一番大きな問題となっている「心の病」の増加である。公立学校の病気休職者数は1995年と2005年を比べると約2倍になっていて、精神疾患による休職者数は約三倍に増えている、というデータもある。

教員が子どもたちをコントロールできないばかりか、自分自身が不登校になってしまうケースが多い。新しく採用された人は、教員に対する理想と現実のギャップに苦しむケースが多い。経験のある中堅からベテランの教員では時代の変遷とともに変化する子どもたちにやはり対応できなく、昔からのやり方、マニュアル化されたケースに固執してしまいがちである。そのため今の子どもたちに合わず、今までのやり方が通じなくなることに精神的負担を感じるようである。

これらのことから教員の現在の問題はほとんどが複合的な要因からなっていることがわかる。これでは教師を志す人も減少し、どんどん教師のレベルが低下してしまい、更に将来日本を支える子ども達の可能性を最大限に引き出すことは不可能となってしまうだろう。そのような未来を引き起こすことがないようにするためにはやはり教育全体を変えていかなくてはならない。

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