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羊の向こう側

私は布団の中で羊を数えていた。12億頭目を超えてしばらくすると羊がいなくなった。最後の一頭は「私で最後です。羊はこれ以上いません」と言い残して去っていった。

周囲には誰もいなくなった。しばらくすると一人の男が現れた。

「おめでとうございます。ここは羊を最後まで数えた人間だけが来ることを許された世界。すばらしいお楽しみが待っています」

男はそう言って私を受付のような場所へ連れていった。

受付には女が一人いた。女はパソコンの画面で何かを確認しながら、「あなたは途中で三回ほど数え間違いをしました。残念ですがお通しすることはできません」と言った。

私を連れてきた男は、「これは失礼。早とちりしてしまいました。しかし羊を最後まで数えればいつでもここに来ることができますので」と言った。すると男も女も受付も消えてしまった。

周囲にはまた誰もいなくなった。しばらくするとまた羊の群れがやってきた。

めかぶは飲み物です。